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活動報告(東北・北海道)

東北・北海道地区勉強会「光ファイバーと計装工事」

実施日令和6年(2024年)9月26日(木)13:30~16:00
場 所ハーネス仙台(5階 いちょうの間)
講 師槇野  泰 講師
  株式会社ネットアルファ 常務取締役
小西 治彦 講師
  全国情報配線施工技能士会 理事
参加者15名
主 催計装士会
報告者株式会社ユアテック エンジニアリング本部 電気設備部
鈴木 和彦
  • はじめに

 東北・北海道地区では、2024年度上期の地区活動として、約4年ぶりとなる勉強会を開催いたしました。

今回は、「光ファイバと計装工事」について槇野先生と小西先生のお二方にご講義いただき、今までの知識を再確認するとともに、認識をさらに深く掘り下げて皆さんと共有することにより業界全体の技術力向上を目的として実施いたしました。以下に概要を報告いたします。

  • 講習内容

【テーマ】:「光ファイバと計装工事」

  1.光を用いた通信の今昔

  2.光の性質

  3.光ファイバの原理

  4.光ファイバの特性

  5.光ファイバの分類

  6.光ファイバ心線の呼称と規格

  7. 光ファイバケーブルの表示

  8.光ファイバの接続

  9.光ファイバの接続<実演>

 10.光ファイバの応用分野

  11.光ファイバの施工・保守・運用

 12.光ファイバの曲げによる損失の変化<実演>

 13.光コネクタ

 14.まとめ

勉強会風景

【概要】

  • 光ファイバの原理・特性について

光ファイバの基本的構造、光ファイバの伝搬原理、光ファイバの化学的パラメータについて説明を頂いた。

光ファイバの特性では、光損失と伝送帯域についての説明があり、光損失には、散乱損失、吸収損失、境界面での散乱と曲がりによる損失の3つがあることを理解できた。

  • 光ファイバの分類や規格・表示について

光ファイバの種類は、材料構成によるものと屈折率分布によるものがあることを学んだ。そこにはマルチモードのステップインデックス、グレーテッドインデックスとシングルモードが3種存在するとの説明があった。光ファイバ心線の呼称と規格は、ISO/IEC 11801、JIS C 6820他様々な規格があること、また、光ファイバケーブルの規格表示についてはベンダーごとに記載方法が違うため、注文した規格のケーブルが間違いなく現場に納入されたかの確認も重要であることもご教示いただいた。

  • 光ファイバの接続について

光ファイバの接続の方法と注意事項について詳細な説明があり、融着については実演を交えてご説明いただき、実際の進捗状況をスクリーンで見ながら融着作業について学ぶことができた。

光ファイバ清掃に使用する無水エタノールは使用期限順守が重要との説明は印象に残った。

  • 光ファイバの施工およびコネクタについて

公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)令和4年版の第6編 第2章 第8節 光ファイバケーブル配線において、「光ファイバケーブルの敷設作業中は、光ファイバケーブルが損傷しないように行い、その曲げ半径(内側半径)は、仕上り外径の20倍以上とする。また、固定時の曲げ半径(内側半径)は、仕上り外径の10倍以上とする。」と規定されている。布設の際にはテンションメンバの曲げ半径との兼ね合いがあることについてご説明頂いた。なお、本規定は平成5年に制定されたものであり、現在では曲げ半径の性能は上がっている。

最後には光コネクタにも多くの種類があり、何をどのように選定すべきかについて説明があり、今後の施工に向けて大変参考になった。

槙野講師による講演
小西講師による実技風景

3.おわりに

今回のテーマは、私たちの業界においても社会全体においても非常に重要な項目であり、また、皆さんの日々の業務にも直結し、大いに参考となる内容であったと感じております。

光ファイバ工事における仕様の決定、施工方法、試験に関する一連の流れについて実演を交えた説明により多くの貴重な知識を共有することができ、大変有意義な時間とすることができました。

最後に、ご多用中にもかかわらず、ご講義頂きました槇野先生、小西先生には厚く御礼を申し上げるとともに、ご参加いただきました皆さんのご協力に心から感謝申し上げます。

                 

【執筆者紹介】

鈴木 和彦(すずき かずひこ)

株式会社ユアテック

エンジニアリング本部 電気設備部

プラントグループリーダー