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コラム

お城探訪

高砂熱学工業㈱

東京本店 電気計装部

松原 正義

 はじめに

 歴史好きでなくても、NHK大河ドラマ好きは多いかと思います。大河ドラマには、必ずと言っていいほどお城が出てきます。昨年の大河ドラマ「真田丸」のオープニング画面は、雲海を望む山城で現存天守が残っている備中松山城でした。
 今回のコラムは、「お城」について。

1、お城とは

 お城といえば壮麗な天守や櫓群の建物や石垣と思われるが、 城の本質は敵を防ぐことを目的とした戦闘施設、防御施設である。近代城郭は江戸城の最初の築城者太田道灌から進化が始まり、織田信長の安土城、豊臣秀吉の大坂城と続き、関が原合戦以降も城郭建築ブームは続いていく。
 江戸期に存在した城は150程度といわれているが、その9割は大坂城以降30年間に築かれたか、改修されたものである。

2、築城 ~城造り~

1)縄張(なわばり)

 城は、「縄張」と呼ばれる設計図をもとに曲輪(くるわ:城の区画)の配置、掘割、建物や城下の町割までを含めた城つくりの全体的な設計計画をもとに造られる。城の構成として土塁・石垣といった塁壁、堀、虎口(出入口)、櫓、御殿、天 守などの建築物がある。

2)普請(ふしん)

 普請とは、城の基礎造りで、石垣、掘割などの土木工事を示す。江戸城や大坂城では各大名に天下普請を命じ、各大名は大きな石を運び各大名家の目印を刻印にて力を誇示した。

3)作事(さくじ)

 門、塀、櫓、御殿、天守等の建築物をつくる作業を作事という。我々が城に惹かれる大きな部分がこの作事にて造られたものである。

3、登城記

1)丸亀城(香川県丸亀市)

 日本一の高さの巨大な石垣と現存12天守の1つで小ぶりな天守の丸亀城。
 標高66mの亀山に建ち、「扇の勾配」と呼ばれる高石垣が見所。大手門から天守を望むとかなりの距離に見えるが、城内は公園として整備されており、適宜な散歩感覚で登城できるのも魅力である。

丸亀城

2)備中松山城 (岡山県高梁市)

 臥牛山にある日本三大山城で、本丸は標高430mに位置し、現存する12天守の中では最も高い場所に建つ雲海でも有名な城である。前記したように、一部CGは使われたものの、NHK大河ドラマ「真田丸」のオープニングに使われた城で、本丸まで行くには、駐車場から約20分の登山となり、自然の岩盤を利用した大きな石垣が見えたときの感動はひとしおである。
 また、別の登山道の途中には、あの大石内蔵助が城引渡しの談判に行く途中に休んだ腰掛石も残っている。

備中松山城

3)熊本城 (熊本県熊本市)

 名君・加藤清正が築城した天下の名城である。武者返しといわれる石垣は、一見揺るやかながら、上にいくに従って角度を強め急勾配となる。
 昨年4月の熊本地震により、この石垣、天守、櫓が大きな被害を受けたのは記憶に新しいところである。

4)国宝犬山城 (愛知県犬山市)

 木曽川のほとりに建つ城で別名白帝城と呼ばれる。対岸は、岐阜県(美濃)で国境に位置し、戦国時代は争奪が繰り返された。小さな天守だが、現存する12天守の1つで木曽川の対岸から見ると美しい天守である。
城下町もきれいに整備されおり、是非訪れて頂きたい城である。

熊本城
犬山城

まとめ

 お城には、その外観や建築物として魅力だけでなく、奥深い歴史が詰まっている。領土を拡大しようとする武士の野望、また敗れて落城する領主たちの気持ちが多く刻まれてる。お城を探訪することで、少しでも歴史を感じることができればと思う。

参考文献
 (1) 歴史発見Vol3 デーィプな城発見 ㈱学研パブリッシング
 (2) 日本の名城を往く  男の隠れ家特別編集 ㈱三栄書房