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活動報告(関東・甲信越)

光ファイバーと計装工事

活動名オンライン勉強会
講 師槇野  泰 講師
  株式会社ネットアルファ 常務取締役
小西 治彦 講師
  全国情報配線施工技能士会 理事
実施日令和4年(2022年)9月26日(月)~30日(金) 
参加者61名(オンライン)
主 催計装士会
報告者
企画・研修委員 稲生 充  太平電業㈱
        

1.はじめに

 今回は、新型コロナウィルス感染症の終息がまだ見えてこない状況下、集合しての勉強会は難しいとの判断から、計装士会としては初の試みとなりますが、オンラインにて勉強会を開催しました。勉強会の3ヶ月程前から、撮影・ビデオ製作会社((株)サンワ様)及び槇野先生、小西先生と打ち合わせを重ね、8月3日にビデオ撮影、その後編集・チェック作業を行い、9月26日~30日の間にビデオ配信にてオンライン勉強会を開催しました。以下に、内容につきましてご報告致します。

 

2.勉強会内容

1)テーマ「光ファイバと計装工事」

次の14項目に分けられ、勉強会が進められた。

  1. 光を用いた通信の今昔
  2. 光の性質
  3. 光ファイバの原理
  4. 光ファイバの特性
  5. 光ファイバの分類
  6. 光ファイバ心線の呼称と規格
  7. 光ファイバケーブルの表示
  8. 光ファイバの接続
  9. 光コネクタ
  10. 光ファイバの接続 <実演>
  11. 光ファイバの曲げによる損失の変化<実演>
  12. 光ファイバの施工・保守・運用
  13. 光ファイバの応用分野
  14. まとめ

ビデオ撮影の様子(槇野 泰 講師)

2)概要

 ① 光ファイバの分類

  屈折率(コアの特性)によって、シングル/マルチの2種のモードに分類できる。

  1. シングルモードファイバは、伝送モードが一つであり、信号減衰が少なく長距離

伝送に適している。市場品の約9割がこの種類である。

  • マルチモードファイバは伝送モードが複数あり、信号減衰が多く長距離伝送に適していない。但し、コア径が太く曲げに強い。また接続は比較的容易であり構内配線に向いている。

② 光ファイバの発注

メーカ毎に型式の表現が異なる為、型名呼称とその構成を見て要求される仕様

に合っているか判断する必要がある。

③ 光ファイバの接続

1. 接続方法は「融着接続」「コネクタ接続」「メカニカルスプライス」の3種類。

2. 融着の際に端面が同形状でなければならない。端面の研磨状態は次の4種類が

存在する。「フラット研磨」「PC研磨」「SPC(UPC)研磨」「斜め(APC)研磨」。

  • 光ファイバ融着機の種類は、「用途」と「調心方式」によって変わる。

「用途」は単心/多芯であるか、調心は外径/コア・クラッドで行うかで選択する。

④ 光ファイバの施工上の注意点

  1. 光ファイバは、衝撃・引張・曲げに弱い。その為、付設後に周囲へ注意喚起を

促す為にも、外装に着色等による識別表示が必要。

  • 布設時の許容曲げ半径は20倍以上、固定時は10倍以上となるように施工する。

  但し、繰り返し曲げにより脆性崩壊する点、急峻で曲げると伝送損失が増加

する点に注意する。

ビデオ撮影の様子(小西治彦 講師)

3.さいごに

本勉強会において、光ファイバ工事に関する一連の流れ(仕様選定→工事→試験)を

まとめて学習することができました。融着 / 試験の実演も含まれており、非常に

分かりやすい勉強会だったのではないかと感じております。勉強会参加者の

アンケート結果につきましても、「とても面白かった・面白かった」が80.9%。

「講演時間の長さはちょうど良い」が90.5%、「また出席したい」が66.7%と

肯定的な意見が多くありました。参加者皆様におきまして、今後の業務への一助

となる様な内容であったのであれば幸甚です。

最後に、ご多用中にもかかわらず、講師としてご説明・解説をいただきました

槇野 泰 先生、小西 治彦 先生には厚く御礼を申し上げるとともに、ご参加くださった

皆様のご活躍をお祈り申し上げます。

以上

計装士会代表幹事 大脇 剛