カテゴリー
活動報告(関東・甲信越)

① 花王株式会社  ② 東京都水道局 森ヶ崎水再生センター

活動名① 花王株式会社
② 東京都水道局 森ヶ崎水再生センター
実施日平成30年(2018年)2月23日(金) 8:30~17:00
場所① 花王株式会社
  神奈川県川崎市川崎区浮島町1-2
② 東京都水道局 森ヶ崎水再生センター
  東京都大田区昭和島2-5-1
参加者22名(うち計装士会6名)
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者企画・研修委員 橋本明洋
1.はじめに

今回は「花王 川崎工場」および「森ヶ崎水再生センター」の見学会を実施しました。
 参加者は総勢22名、うち計装士会からは6名が参加しました。当日は品川駅を定刻にバスで出発し、最初の見学先である花王 川崎工場に向かいました。道中は渋滞に巻き込まれる事もなくスムースに移動できたため、予定より早く目的地に到着してしまいました。

花王 川崎工場では、製品の充填ライン、自動倉庫の見学を行いました。
 終了後、昼休憩を挟み、森ヶ崎水再生センターにて、バイオマス発電設備等の見学を行いました。
 見学後は、東京モノレールの昭和島駅に隣接していましたので、東京モノレールを利用するグループと出発地である品川駅までバスで移動するグループとに分かれ、解散しました。
 計画不足のため不手際もありましたが、事故や遅延もなく全工程を完了し、アンケートの評価もよく、見学会を実施する事ができました。

2.花王 川崎工場見学

(1)施設概要

花王 川崎工場では、主にシャンプーや衣料用洗剤を製造・出荷されています。

エントランスホール (参加者一同)

  2)ガイド付き見学ツアー

    製造・出荷工程としては、①原材料の受け入れ ②界面活性剤の製造 ③界面活性剤と他の原料との混合 ④容器への充填 ⑤段ボールへの梱包 ⑥自動倉庫へ仕分け・保管 ⑦出荷となっています。
    希望としては、①~③の材料の製造工程を見学したかったのですが、見学通路等整備されておられず、④の充填工程以降の見学となりました。

(1)充填工程・梱包工程

     見学時、製造ラインでは、コンパクトタイプのボトルへ衣料用洗剤が充填されていました。花王 川崎工場では、製造ラインの大幅な変更を行わずともサイズ違いのボトル、詰め替え用の容器といった異なる容器へ充填ができるように工夫がされているとの説明を受けました。
     また高度に自動化がされており、大きな工場にも関わらず少人数で管理が行われているとのことでした。

  (2)自動倉庫

     箱詰めされた製品をのせたパレットを、発送先に応じて先入れ先出しになるように、収納・保管がなされていました。見学時は11時ぐらいという事もあり、空いている棚がいくつか見受けられたのですが、製造ラインは24時間稼働しており、夜間勤務終わりぐらいで倉庫が一杯になると。そのあと順次出荷され、だいたい1日で保管されている製品が一巡するとのことでした。

3.森ケ崎水再生センター見学

 (1)施設概要

   東京都水道局が管理する下水処理施設の1つで、国内最大の水再生センターです。
   森ヶ崎水再生センターでは、水処理工程で発生した汚泥より消化ガス(メタンガス)の抽出を行っています。
   この消化ガスをバイオマス発電設備の燃料として活用されています。これ以外にも太陽光発電設備、小水力発
  電設備、NaS電池設備の運用をされています。運用されている設備規模は次の通りです。

  常用発電設備
   バイオマス発電設備(ガスエンジン発電機) : 3,200kW × 1基
   太陽光発電設備                 : 1MW (250W × 4,480枚)
   小水力発電設備                 : 95kW × 2基

  非常用発電設備
   非常用兼常用予備ガスタービン発電設備  : 1,840kW × 1基(汚泥消化ガス使用時)
   非常用ガスタービン発電設備          : 3,200kW × 2基

  2)ガイド付き見学ツアー

  (1)バイオマス発電設備
     下水処理過程で回収した汚泥を、汚泥処理施設にて濃縮し消化槽へ送ります。消化槽にて濃縮した汚泥を51℃の環境で2週間ほどおくことで、汚泥の有機分が消化ガス(メタンガス)になります。この消化ガスを燃料にガスエンジンで発電が行われます。発電時に発生した熱は、消化槽の環境を保つために使用されており、電気・熱共に有効利用がなされています。
     このバイオマス発電設備とNaS電池設備の運用・管理は、PFI事業として、発電設備の管理ノウハウを持つ民間企業に委託されています。

汚泥処理設備
ガスエンジン発電機

 (2)太陽光発電設備

   下水処理設備の反応槽の臭気・転落防止用の覆蓋上部に太陽光モジュールが設置されています。森ヶ崎水再生センター周辺は、羽田空港が近いこともあり、建物の高さ規制のエリアになっています。そのため、建物の陰になることがなく、高い効率で運用ができています。年間発電量は、約115万kWh(一般家庭の約330世帯分に相当)の発電を行っています。

 (3)小水力発電設備

   処理水の放流きょは、高潮などに備えて海面より数m高い位置に設置されています。その落差を利用した発電機が設置されています。取水方法は、サイフォンの原理を利用して取出している。
  年間発電量は、約80万kWh(一般家庭の約230世帯分に相当)の発電を行っています。

処理水放流きょ
水力発電機
集合写真(NaS 電池設備前)
おわりに

 今回の見学先は、参加者の現在の業務に直接関わる分野ではなかったかもしれませんが、何か得ることができたのであれば幸いです。
 最後に今回の見学会にご協力いただきました花王株式会社、東京都水道局の関係者の皆様に感謝とお礼を申し上げます。

以 上