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活動報告(関東・甲信越)

「計装士のための再生エネルギーとその利用技術」

活動名「計装士のための再生エネルギーとその利用技術」
講師
福田 一成 講師
  アズビル㈱ ビルシステムカンパニー マーケティング本部 部長
実施日平成28年(2016年)2月19日(金) 14:00~16:30
場所虎の門電気ビル会議室 (地下1階)
  東京都港区虎ノ門2-8-1
参加者31名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者企画・研修委員 袴田 昭夫
講演内容

 1. 再生可能エネルギーとは
    ・再生可能エネルギーの定義、意義、長所、短所
    ・化石エネルギーの時間軸、有限性
    ・地球のエネルギーの99.97%が太陽から
    ・我が国の再生可能エネルギー推進の歴史
    ・我が国のエネルギー供給の変遷
    ・今後の導入と技術開発の見通し
    ・2030年目標は野心的なのか
    ・再生エネルギーの本格利用に向けて

 2.各種再生可能エネルギーの特徴と課題
    ・再生可能エネルギー種類別普及量
    ・太陽光発電の用途と特徴
    ・風力発電の主要構成要素
    ・洋上風力発電の形態と水深の関係
    ・バイオマスエネルギー発電及び熱利用
    ・太陽熱発電

 3. 再生可能エネルギー利用技術
    ・再生可能エネルギー導入に伴う系統課題、対策技術
    ・スマートコミュニティの実証事業、電力アグリゲータ
    ・系統問題対策実証例

 4. 欧州最新事例
    ・リヨンコンフルエンス地区スマートコミュニティの実証事業事例及び視察時動画
    ・ドイツにおける太陽光、風力大量導入エリアでの需給制御事例
    ・Audi E-gas Plantの事例

福田講師
福田講師
聴講風景
聴講風景
所 感

 講義の前に奥住計装士会副代表幹事挨拶のあと、福田講師よる「計装士のための再生エネルギーとその利用技術」の勉強会を開催しました。
 講師のわかりやすい説明と講義 をうけ、アンケート結果にもあるように今回の勉強会出席者が良い内容で大変興味を、 持たれた勉強会でした。また、このテーマに関する欧州での最新事例も動画や写真も見 ることができ、私自身も大変良い勉強になりました。
 今回の勉強会にお忙しい中、ご出席頂きました会員皆様と計装士会関係者の皆様に感謝と御礼を申し上げますと共に、福田講師様にはご多忙中にもかかわらず貴重なご講演を頂きありがとうございました。

以 上

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活動報告(関東・甲信越)

富士電機機器制御株式会社 吹上工場

活動名富士電機機器制御株式会社 吹上工場
実施日平成27年(2015年)11月17日(火) 9:00~18:00
場所富士電機機器制御株式会社 吹上工場
  埼玉県鴻巣市南1-5-45
参加者38名(うち計装士会21名)
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者企画・研修委員 袴田 昭夫
1.はじめに

 今回は埼玉県鴻巣市にある富士電機機器制御株式会社吹上工場のショールーム「TECHNO WAVE FUKIAGE」と「TECHNO LAB」の見学会及び勉強会を実施しました。
 参加者は総勢38名、うち計装士会からは幹事を含め21名が参加しました。
 当日は池袋駅西口、東京芸術劇場前を定刻にバスで出発。首都高速及び関越自動車道を経由、途中東武東上線「東松山駅」より乗車される会員と合流し、見学先には予定通り到着しました。
 富士電機機器制御株式会社吹上工場の6階にある大ホールで昼食をとり吹上工場内の概要説明・見学及び後半には講師による勉強会を開催しました。
 見学等終了後は朝の集合場所池袋駅へ予定時刻に戻り解散となりました。 また、天候にも恵まれ会員の皆様からのアンケート結果も大変良い見学会であったと好評を頂き、盛況に開催することが出来ました。

2.富士電機機器制御株式会社について

 大ホールにて富士電機機器制御㈱吹上工場、黒川工場長様より挨拶のあと富士電機㈱北関東東支店飯嶌支店長様、富士電機機器制御㈱中尾課長様より会社概略説明と吹上工場の概要説明がありました。 

会社は1923年に富士電機製造㈱として創業し1943年に吹上工場が操業開始されました。
その後、電磁開閉器発売(1954年)・操作表示機器「コマンドスイッチ」発売(1960年)・漏電遮断機発売(1967年)、1984年に商号を「富士電機㈱」に変更。

2008年に富士電機機器制御㈱として開閉機器・制御機器・受配電機器・安全・セキュリティーソリューション・エネルギー管理機器等の事業分野と各主要製品を開発、製造、販売およびサービスを行い現在に至っています。 

国内製造拠点として、吹上事業所・大田原事業所・㈱秩父富士及び海外にも中国をはじめ多くの拠点があります。
 また、フランスで1963年に創業したシュナイダーエレクトリック㈱と一部事業を分割継承し富士電機機器制御㈱の受配電・制御機器事業における合弁事業も展開しております。 

吹上工場は東京ドーム3.3個分の広さを誇る工場で、関係会社を含めると約800名の従業員が働いており、富士電機の中では3番目に操業を開始した歴史ある基幹工場です。

 開発・設計から部品調達・部品加工・製品組み立てまで一貫したものづくりをおこなっている点も大きな特徴でもあります。また産業インフラの根幹を担う電気システムを支える「受配電・制御機器」等の開発・生産拠点でもあり、主力製品に電磁開閉器・高圧受配電機器等があります。 

吹上工場内には2012年にリニューアルオープンしたショールーム「TECHNO WAVE FUKIAGE」があり富士電機の事業、歴史、これからの受配電・制御機器の新しい姿や技術、ものづくりなどを「見て」「触って」「体感できる」施設であることから多くの見学者が来館しております。

3.見学内容

 昼食後、大ホールにて担当者様より本日の見学内容の説明及び注意事項を受け、2班に分かれて各施設を見学致しました。

(1)ショールーム「TECHNO WAVE FUKIAGE」
    ショールーム担当者の案内で各機器等の説明を受け最先端の製品に触れることができました。ショールーム内は富士電機が扱う様々な製品がわかりやすく展示されており、製品展示もテーマ別に各ブースに分かれていて見学時間が足りないほどでした。
   主な展示ブースは次の通りです。
  ・わたしたちの歴史資料
    富士電機と吹上工場の歴史や古い製品などが展示紹介されています。
  ・創エネ、省エネ
    3Dプロジェクションマッピングを使ったスマートコミュニティを紹介しています。
  ・模擬中央監視ルーム
    電力監視システムによる富士電機の関東12事業所のリアルタイムデーターを大型モニターで表示しています。
  ・機器制御
    電磁開閉器、操作スイッチ、インバータなどの各種コンポーネント製品を展示。
    各種デモ機で操作方法、動作原理などを確認できます。
  ・リニューアルとレトロフィット
    製品開発、生産を支えるコア技術への取り組みなどを見ることができます。
  ・受配電システム
    高圧から低圧までの保護機器、監視機器を実際の高圧盤、低圧盤及び壁面スケルトンを使いわかりやすく展示しているのを見ることができます。
   ・イノベーション
     一歩先を行く新しい技術と製品を紹介しています。
   ・FUKIAGE PLAZA
     吹上工場でのものづくりの取り組み、ものづくりを支える匠たちを紹介しています。

ショウルーム内説明
ショウルーム内の様子
ショールーム「TECHNO WAVE FUKIAGE」エントランスに

(2)研究開発、製品評価検証棟 「TECHNO LAB」

   エントランスホールにある大型タッチパネルを使ってTECHNO LAB にある試験装置などの紹介映像を見た後、廊下から各試験室を窓越に見学することが出来ました。
   TECHNO LAB内には次のような試験室等があり普段では見られない貴重な施設を見学することが出来ました。  

  ・特性試験室1
     実使用に即した温度にて、異常電流による動作時間を自動測定している試験室。  

  ・特性試験室2
    試作品の仕上がりを確認し、操作力や動作特性などの基本性能を検証する試験室。  

  ・遮断試験室
    事故を想定した大電流を通電し、電気的な安全性を検証する試験室。
  ・環境試験室
    環境要因(温度、湿度、気圧)による長期信頼性を短期間で加速的に見極める試験室。  

  ・試作室
    性能(機能)、構造の確認などの部品製作や製造実験を行なっている部屋。
  ・材料分析室
    素材の新規開発から製品評価のため、各種分析・調査を行っている部屋。

(3)勉強会(研修会) 

   見学後、大ホールへ戻り講師による勉強会(研修会)を行ないました。
   【テーマⅠ】「インバータによるファン・ポンプの省エネ手法」
   講師 富士電機㈱ パワエレ機器事業本部 ドライブ事業部
       技術部技術第一課 伊藤 誠 様   

1. インバータによるモータの省エネの原理と導入事例
   2. インバータ・モータ省エネの最新技術その1
     空調用自律制御系インバータ
   3. インバータ・モータ省エネの最新技術その2
     盤不要壁掛け型インバータ
   4. インバータ・モータ省エネの最新技術その3
     ・モータ効率のトップランナー規制について
     ・トップランナーモータ及び同期モータ 

  【テーマⅡ】 「省エネ対象現場に‘気付く’」 

  講師 一般財団法人 省エネルギーセンター
       技術相談員 藤田 稔 様 (富士電機㈱OB) 

   1. 省エネ対象現場を見つける
   2. 過去の気づきの例
   3. 気付き!
   4. 省エネ対象の見つけ方 提案事例その1
   5. 省エネ対象の見つけ方 提案事例その2
   6. 省エネ対象の見つけ方 提案事例その3
   7. 最後に

終了後は会員から講師の方への質疑もあり活発な意見が交換されました。

勉強会 (研修会) 風景
勉強会 (研修会) 風景
3.おわりに

 今回の関東・甲信越地区活動は工場の見学会と勉強会(研修会)をあわせた活動とな り大変有意義な一日でありました。後半に開催した勉強会(研修会)は各分野の専門講師にインバータに関するノウハウを教えて頂き、計装分野に携わっている会員の皆様も興味をもたれたことと思います。
 最後に今回、大変お世話いただきました富士電機制御機器株式会社、富士電機テクニカ株式会社、富士電機株式会社の各皆様へと関係者皆様に心より感謝とお礼を申し上げます。

以 上

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活動報告(関東・甲信越)

独立行政法人 海洋研究開発機構 (JAMSTEC) 横須賀本部

活動名独立行政法人 海洋研究開発機構 (JAMSTEC) 横須賀本部
実施日平成26年(2014年)10月23日(木) 14:00~15:30
場所独立行政法人 海洋研究開発機構 (JAMSTEC) 横須賀本部
  神奈川県横須賀市夏島町2-15
参加者69名(うち計装士会15名)
主催(一社)日本計装工業会
協賛計装士会
報告者企画・研修委員 袴田 昭夫
1.はじめに

 今回の見学会は(一社)日本計装工業会の主催、計装士会の共催により海洋研究開発機構の見学会を実施しました。
 参加者は総勢69名、うち計装士会からは幹事を含め15名が参加しました。
 当日は天候にも恵まれ盛況に開催することができ、京浜急行追浜駅に13時に集合し駅前より貸切バス(2往復)で20分程度の場所にある見学施設へ移動、見学終了後も集合場所の京浜急行追浜駅までバス移動し現地解散となりました。

2.独立行政法人 海洋研究開発機構 とは

 海洋研究開発機構(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology:JAMSTECジャムステック)は、海洋に関する基盤的研究開発、海洋に関する学術研究に関する協力等の業務を総合的に行うことにより海洋科学技術の水準の向上、学術研究の発展に資することを目的として、2004年4月1日、前身の海洋科学技術センターから、文部科学省所管の独立行政法人として設置された研究機関である。
 日本最初の深海潜水艇の開発を始めとして、国際地球観測プロジェクト推進のための研究船などを開発運用し、長時間有人探査の難しい海溝探査を目的とした無人探査機等を開発運用している。またスーパーコンピューター(横浜研究所に設置)で、世界一にもなったことがある地球シミュレータを運用するほか、大陸棚に存在するメタンハイドレート、海底熱水鉱床、石油、天然ガスなどの資源等の探査も行っている。
 同機構の事業所には今回の見学施設、横須賀本部(同機構の本拠地で500人が働いている)や横浜研究所、むつ研究所、高知コア研究所、国際海洋環境情報センター、東京事務所が置かれている。また、船舶や探査機には地球深部探査船「ちきゅう」のほか13隻の調査船、研究船、支援船、探査機等を保有し日々海洋の研究を行っている。

3.見学内容

 海洋研究開発機構へ到着後、大会議室にて日本計装工業会経営委員会担当の司会進行で、同工業会の中谷専務理事より開催の挨拶の後、海洋研究開発機構広報担当者様より同機構の概要DVD映像と本日の見学内容の説明を受け、3班に分かれて各施設を見学させて頂きました。         今回の見学場所は同施設の中にある19棟のうち下記3か所を見学しました。

 □ 高圧実験水槽棟

   深海の水圧に対象物が耐えられるか、大型と中型の二つの実験水槽(深さ3m)があり最大5,000m相当の水圧がかけられる実験装置がありました。

世界で一番深い水深場所はマリアナ海溝(グアム島近く)で水深約11,000m。  

実験の際は、対象物をラックに入れ水槽上部 に10tの蓋をし、水槽下部より水を張り徐々に水圧を上げていき耐圧試験を行う。実験棟の中には有人潜水調査船「しんかい6500」の人が乗る耐圧穀(通称:コックピット)球体(2m)の1/3の大きさで作った球体(外形約1m、厚さ4cm重さ約1t)を試験水槽で3,200mの深さの水圧をかけて試験(「しんかい6500」の潜水の2倍の深さ) を行なった対象物が展示されており「しんかい6500」のコックピットが水深6,500mでも安全であることを確認し実用化されています。

   その他、展示で試験対象物の耐圧球体ガラスもあり実際の海洋水深7,000mでおこなわれた結果の実物展示も見ることができました。

 □ 展示施設棟

   展示棟「海洋科学技術館」には、有人潜水調査船「しんかい6500」の実物大模型が設置されておりコックピット側面が切り取られており実際に一人ずつ中に入りパイロット気分を体験しました。 

  また、同機構が保有する船舶・調査機器の模型展示や生物展示室には深海から採取してきた深海生物の貴重な標本が多数ありました。

「しんかい6500」の実物大模型

 □ 整備棟

  整備棟には、長さ10mの深海巡航探査機「うらしま」があり、実際に本体の整備を行っている所を見学しました。深海巡航探査機には2種類のタイプがあり、母船からケーブルを伝わって操縦を船の上から行うROVタイプと、あらかじめコンピューターで探査するルートを組み込んで自分で考えながらケーブルなしで巡航するAUVタイプがあり、整備をしていた「うらしま」はAUVタイプの探査機で3,500m位の深さまで調査できます。       

  この、深海巡航探査機の主な研究目的は海底地形図を作成する為に撮影してくることであり、この探査機は支援母船「よこすか」で調査海域まで搬送され海洋へおろされ調査を行っています。今回の見学では深海巡航探査機「うらしま」が整備中であったが、終了後は有人潜水調査船「しんかい6500」の整備を交互に整備しています。また整備棟の前には250m岸壁があり、同機構が保有する研究船舶の母港となっており、岸壁遠くには当日天候もよく海上自衛隊横須賀基地施設や米軍横須賀海軍施設も望むことができました。

3.おわりに

 独立行政法人 海洋研究開発機構様の見学会を通し日頃、我々が目に触れない分野で日々活躍されていることを再認識致しました。また未知の海洋に関する研究開発等の説明には驚くばかりでした。日本初の原子力船「むつ」も1995年に原子炉を撤去 した後、通常のディーゼル機関を搭載し同機構の海洋地球研究船「みらい」と命名され現在も海洋調査を行っていることを聞き感動致しました。
 今回の見学会の実施にあたり親切、丁寧に説明ご案内いただきました独立行政法人海洋研究開発機構の関係者皆様に心からお礼申し上げます。

以 上

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活動報告(関東・甲信越)

①「空調自動制御のチェックポイント」 ②「ITの基礎とビルオートメーションの通信バス」

活動名①「空調自動制御のチェックポイント」
②「ITの基礎とビルオートメーションの通信バス」
講師
①助飛羅 力 講師
  三機工業㈱ 建築設備技術統括本部
②桧山 達哉 講師
  ジョンソンコントロールズ㈱ マーケティング統括本部 プロダクトマーケティング部
実施日平成26年(2014年)2月21日(金) 13:30~17:00
場所虎の門電気ビル会議室 (地下1階)
  東京都港区虎ノ門2-8-1
参加者22名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者企画・研修委員 森本 幸郎
1. 計装士会 奥住副代表の開講挨拶

 みなさんこんにちは。本日は「平成25年度計装士会 関東甲信越地区勉強会」に多数ご参加いただきまして、ありがとうございます。
 計装士会は、全国7ブロックで各々、本日の様な「勉強会」と「見学会」を開催・実施しております。関東甲信越地区では、先日も群馬県太田市の富士重工業を見学し、車造りをつぶさに見ることができ、大変好評でした。
 このように、「計装士会」では計装の技術と知識向上に向けた活動を実施しております。
 本日は、計装士会会員各社よりご参加いただきました方々に対し、「助飛羅講師」から、「空調自動制御のチェックポイント」というテーマで実際に起こったトラブル事例の紹介と、「桧山講師」からは「ITの基礎とビルオートメーションの通信バス」というテーマで計装業界で使われているITの基礎とビル計装で使用される用語等についての講義をお願いしております。必ずや、今後のお仕事に、お役に立つものと思っております。
 本日の講義では、日常の忙しい業務を少し忘れて、リラックスしてお話を聞いてください。

2. 勉強会の内容について

 「空調自動制御のチェックポイント」・・・助飛羅 講師
  ビルマルチエアコンの普及により、熱源・空調機のシステムを経験する機会が少なくなり、自動制御に関する知識と経験の欠如した空調技術者が増えている。また、自動制御に関するトラブル事例に関して纏まった参考資料は見当らない。
  本日は空調設備における自動制御設備の設計・施工・保守に関して留意するポイントの講義を実施します。

講演中の助飛羅 講師

  (1)設計仕様の確認・客先仕様の有無の確認
      設計図に明示されている「温湿度設計条件」を確認する。また、客先仕様には電圧指定や信号等の外部取出し方法の指定やランプの表示色の指定などがあるので注意のこと。
      ⇒制御回路の電圧は100V?、200V?。表示ランプの色で赤は何?、緑は何?。
     インバータは自動制御工事?、電気工事?。その他、中央監視設備との信号の受渡し方法は?。等々。

  (2)空調設備熱源廻りの注意事項
      電気的インターロックの確認はできているか(冷凍機⇔冷水・冷却水ポンプ⇔冷却 塔)。台数制御運転時において、脈動による断水リレーや差圧スイッチによる冷凍機停止に対する注意事項。
      また、一次・二次ポンプシステムによる送水温度異常による冷凍機異常運転、冷凍機本体のサーモと制御用サーモの誤差による運転トラブル対応など。冷却塔については冷却水の水質管理や冬季の凍結防止対
    策、冷却水温度制御の注意事項など。

  (3)空調機設備廻りの注意事項
      外調機コイルの凍結トラブル防止対策や給排気バランスの崩れによるトラブル対策。
      加湿方法によるトラブル対応やそれらが起因する様々なトラブル事例紹介など。

  (4)制御弁及びVAVの選定と制御方法のトラブルについて
      制御弁サイズの選定ミスやVAVのサイズ・給気温度/湿度設定ミスによる、トラブル事例紹介とその対策について。また、停電時や復電時のトラブルとその対応について。

  (5)センサーの設置位置や流量計・熱量計の取付け方法のミスによるトラブル事例紹介と対応について。
     動力配線からのノイズ対策やインバータノイズ対策。

   などなど、短時間ではあったが、非常に中身の濃い、講義であったと感じました。

 「ITの基礎とビルオートメーションの通信バス」・・・桧山 講師
   コンピュータ通信の発達のスピードは凄まじく速く進んでいる。本日の講義では、「コンピュータ通信の基礎」と「システムの進捗状況」について、講義を受けた。

講演中の桧山 講師

  (1) IT(Information Technology)の基礎について
      コンピュータ通信における基礎では、BitやByteのコンピュータ単位の説明や「キロ」・「メガ」・「ギガ」といったコンピュータ単位(サイズ)の解説を受けた。
      また、「片方向通信」・「半二重通信」・「全二重通信」などの通信方法やコンピュータ通信用語の説明を受けた。
      プロトコル:ネットワーク上で通信する場合、コンピュータ間の通信言語のこと。

  (2) ビルの中で使用される、プロトコルについて
      代表的なプロトコルのメーカーとしては「米国」・「独国」・「日本」のメーカーが主。
     ・BA(ビルオートメーション)クローズドシステム
      ⇒全てのメーカーまたはユーザーの独自仕様でユーザー独自の特殊システムで運用
     ・BA(ビルオートメーション)オープン化システム
      ⇒オープンなプラットホーム環境と情報連携、システムの一元化で運用

  (3) BACnetについて
     ・空調設備やBACA(ビルディング・オートメーション・コントロール・システム)同士の通信プロトコルを標準化する規定
     ・2013年10月現在、43か国、697の「ベンダーID」が発行されている
     ・日本では56の「ベンダーID」を発行(世界第4位)

  (4) オープン化について
     ・スマート・コミュニティの必要性
      ⇒エネルギーの全体の効率的利用は「電気」と「熱」の統合・・・「スマートコミュニティ」の取組みが必要
     ・次世代の社会システムの構築
      ⇒日本版スマートグリッドの構築が必要
     ・ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の構築
      ⇒2050年までに、新築ビルの省エネ性能を抜本的に高める

      など、かなり難解な言葉もあったが、将来の自動制御に対する、方向性のお話を聞きました。

以 上

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活動報告(関東・甲信越)

富士重工業㈱ 矢島工場・スバルビジターセンター

活動名富士重工業㈱ 矢島工場・スバルビジターセンター
実施日平成25年(2013年)11月19日(火) 10:00~17:00
場所富士重工業㈱ 矢島工場・スバルビジターセンター
  群馬県太田市庄屋町1-1
参加者52名(うち計装士会20名)
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者企画・研修委員 水島 龍一郎
1.はじめに

 今回の見学会は計装士会の主催、(一社)日本計装工業会の共催により、富士重工業(株)矢島工場・スバルビジターセンターの見学会を実施しました。参加者は52名、うち計装士会からは幹事を含めて20名が参加しました。
 朝から天候にも恵まれ、盛況に開催することができました。当日は朝10時に池袋駅へ集合し、首都高→東北道を経由し、富士重工業(株)矢島工場とスバルビジターセンターを見学し、帰りも、東北道→首都高を走行し池袋駅で解散としました。

2.富士重工業(株)矢島工場・スバルビジターセンター

 富士重工業(株)は、創立 1953年(昭和28年)7月15日(創業:1917年(大正6年5月))です。前身である中島飛行機から受け継がれてきた航空機設計思想の基に築かれています。矢島工場は、昭和44年2月に開所され、敷地面積約550,000㎡(東京ドームの約12倍)で、社員とその他合わせて3,943人が働いてます。生産台数は422,561台/年の能力があります。
 工場の稼働時間は、1直6:30~16:45と、2直16:45~2:30となっており2交代制です。
 富士重工業(株)では、自動車の他、航空機や発電機なども生産していますが、矢島工場では、そのうちのレガシー、フォレスター、エクシーガ、インプレッサ及びバンパーを生産しています。
 またコージェネレーションシステムも導入されており、工場で使われる電力の10,200kwを自社でCO2の削減にも取り組んでいます。

 工場での見学は、ビジターセンターで工場の概要説明ビデオと簡単な工場説明を受け、①プレス工程②ボディ溶接組立工程③ペイント工程④トリム工程(エンジンの搭載、内装部品の取付等)⑤完成検査工程(走行性能、ブレーキ、ライト、ハンドル、塗装等の検査)⑥出荷がありますが、そのうち①プレス工程②ボディ溶接組立工程④トリム工程⑤完成検査工程を見学させて頂きました。

 ビジターセンターでは、エントランスホールにある水平対向式4気筒エンジンのパワートレインモデル展示物などを、展示ホールでは、スバル360から最新の東京モーターショーまでの数々の展示車が展示されています。2階ではリサイクル活動が分かるリサイクルラボ、安全の取り組みが分かるテクノラボ、歴史が分かるFHIギャラリーがありました。

 工場では1ラインで3種類の車種が一緒に流れていますが、それぞれ部品が分かる様に明示されており、間違えることなく組立が出来るようになっています。
 プレス工程では、プレス後の破砕屑を下部に落として集め、再度固めて利用できるように
 なっています。ボディ溶接組立工程では、機械と人間とで作業内容が決められており、機械はスポット溶接、アーク溶接は全て自動で出来るようになっています。人間はその後の細かい傷や溶接個所の確認後、手でやすりなどを掛けていました。
 塗装工程は、埃などを嫌うので見学できませんでしたが、トリム工程でも同時に違う車種が1ラインに流れており、ボンネットやドアの裏などに張られた指示書で部材を間違えないようになっています。また、無人の台車などで、エンジンや必要な部品も運ばれています。
 人間が運転するフォークリフトは、利用した部材のコンテナBOXなどの回収をしていました。
 どの工程でも、シーケンス制御のような手順が決められており、機械と人間とが効率良く作業したり、た機械だけの工程でもそれぞれの車種や部品での切り替えるように操作卓(操作盤)も見受けられました。

 完成検査工程では、ライト、ウィンカーのチェック、ハンドルの確認、防水性能の確認、時速120km走行相当での確認、その後下部からの確認、傷やへこみなどの確認など何種類もの確認が次々と手順通り行われていました。
 完成検査を終了しても、走行テストもしてから出荷されるとのことでした。
   注:パワーユニットの加工・組立は、近くにある大泉工場で行われている。

水平対向エンジン展示品 (ビジターセンターエントランス)

太陽光発電状況パネル

矢島工場のリサイクルパネル

FHI ギャラリーの展示品一部

3.おわりに

 富士重工業(株)矢島工場スバルビジターセンター様の見学会を通してですが、常に地球環境を意識し、VOC排出量低減活動や、地球温暖化防止に向けて、色々な活動をしていること、事故を減らすための色々な技術(ボディー構造、アイサイトなど)をいろいろと認識できました。
 最後になりますが、今回の見学会の実施に際し、親切・丁寧にご対応をいただいた富士重工業株式会社関係者の皆様に心からお礼を申し上げます。

以 上

集合写真
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活動報告(関東・甲信越)

『サイバー攻撃の脅威、その現状と対策』   第1部 情報システム分野   第2部 計装制御システム分野

活動名『サイバー攻撃の脅威、その現状と対策』
  第1部 情報システム分野
  第2部 計装制御システム分野   
講師
電気通信大学 教授 新 誠一 先生
実施日平成25年(2013年)3月1日(金) 14:00~17:00
場所東京電業協会 第会議室 (地下1階)
  東京都港区元赤坂
参加者132名(うち計装士会11名)
主催(一社)日本計装工業会
協賛計装士会
報告者企画・研修委員 奥住 俊明
1.はじめに

 平成24年度の関東・甲信越地区下期活動として、日本計装工業会主催、計装士会共催で上記の講演会を開催しました。
 当日は事務局も含めて全員で133名の方が聴講しました。
 サイバー攻撃とは、ネットワークやサーバに対してIT技術を使って行われる攻撃のことを言い、サイバーテロと呼ばれる場合もあります。初期はウェブサイトの閲覧機能を失わせたり、ホームページの改ざん、ウィルスの感染などがありました。
 ここ数年は特定のターゲットに特定の目的をもって攻撃を加える、いわゆる標的型攻撃が増加してきて大きな社会問題になってきています。
 企業や官庁から情報を盗んだり改ざんしたり破壊する行為が、現代社会における新しい脅威となってきています。近年は、サイバー攻撃の影響を受けづらいとされてきた電力・ガス・水道・交通・ビルなどの社会インフラを監視制御するシステムに対しても、その攻撃が発見され、重大な事象に発展する事例も出てきています。                        
 このような社会的背景の中、この分野の権威であられます新 誠一先生に、「サイバー攻撃の脅威、その現状と対策」と題して、情報システム分野と我々のビジネスフィールドである計装制御システム分野について、講演していただきましたので報告します。

新 誠一 先生

講師紹介

  新 誠一 先生  電気通信大学 教授

   情報理工学研究科 知能機械工学専攻 電子制御システムコース 工学博士

・プロフィール
    1980年東京大学大学院工学系研究科修士課程終了、同年、同大学工学部計数工学科助手、1987年工学博士(東京大学)、同大学講師を経て1988年筑波大学電子・情報工学系助教授、1992年東京大学工学部助教授、2001年同大学情報理工学系研究科助教授、2006年電気通信大学教授現在に至る。

・主な実績と活動
    1991年、1993年、1998年計測自動制御学会論文賞ならびに1992年同賞武田賞受賞
    2006年同技術賞受賞。
    制御理論を中心に広く工学全体に興味を持つ。計測自動制御学会フェロー、同副会長。
    日本応用数理学会評議員。(財)製造科学技術センター評議員。
    IAF(Industrial Automation Forum)運営委員長。日本能率協会2012GOOD FACTORY賞審査委員長。2012年3月、技術共同組合 制御システムセキュリティセンター(CSSC:Control System Security Center)理事長。
    日本計装工業会はもとより、計装士会とのつながりも深く、2003~04年に「ユビキタスセンシングと計装」、2009~10年には「未来の車」というテーマで、計装士会の講演会としてそれぞれ全国7カ所で実施。

講演会会場の様子

  講演の内容について

  【第1部 情報システム分野】

   第1部では、情報システムに対するセキュリティについて、解説いただきました。
  ・情報とは言葉。情報セキュリティとは言葉の改竄防止である。
  ・昔はソースコード(文字列)をコンパイルして初めてコンピュータで実行できたが、今は文字列自体で実行できる(フラッシュ、HTMLなど)。
  ・生体に感染するウィルスと、情報のウィルスは類似性がある。共に自己増殖機能がない。
  ・DoS(Denial Of Service:ドス)攻撃、みんなで電話をかけまくれば輻輳して通信不能に。
   インターネットでも同じ手法で、相手の業務を妨害することができる。
  ・フィッシング詐欺、ホームページを似せて作り利用者をだます。
  ・Brute force attack、パスワードを総当たり式に暗号解読する。4桁ならコンピュータで数秒で解読できる。
  ・ファジング、ソフトウエアの脆弱性を見つけるためのテスト。
  ・人の能力を越えた機械、機械による攻撃で、高速、広範囲、執拗な攻撃が可能に。
  ・ファイヤーウォール、インターネットから内部のネットワークを守る。ファイヤーウォールの外側にハニーポットを置く。情報や資源がありそうな部分を用意して、それにつられた侵入者を観察したり、肝心なものを守
   る。ハニーポット付の製品もある。
  ・ホワイトリスト型セキュリティ対策ソフト、不正侵入対策機能により基地のネットワークウィルスの感染を防止する。
  ・マルウエアセンサ、サイバー攻撃・マルウエア感染に確実に気付く。ネットワークに侵入したマルウエアをキャッチし通知する。

  【第2部 計装制御システム分野】

   第2部では、我々の業務にもっとも関連が深い制御系システムのセキュリティについて、解説いただきました。
  ・1971年、世界初のマイクロプロセッサの「4004」が誕生。計算機の心臓部となり、パーソナル・コンピュータをはじめ、生命のないものに知性を与えた。
  ・アナログ計装からDCS(分散制御システム)へ、DCSは進化した。
  ・専用から汎用へ。メーカーの専用機器と専用ソフトウエアの時代は終わった。
  ・人と機械の関係も変化・機械は小型軽量化、いつでもどこでも。
  ・商売は、販売から維持管理の時代に。維持管理で稼ぐ。エンジニアはチェンジニア(調子がわるくなったら交換するだけ)に。
  ・Stuxnet(スタックスネット)、2010年9月、イランの核燃料施設のウラン濃縮用遠心分離機を標的としてサイバー攻撃が実行された。Windowsの4つの脆弱性を利用、独シーメンスのPLCが標的に。イスラエルとアメリカが開発し攻撃したと言われている。
  ・神話の崩壊
   1)非インターネット環境の神話崩壊、USBおよびエンジニアリングツール経由で感染させた。
   2)非汎用OSは攻撃されないという神話崩壊、特定OSを用いたコントローラを狙い撃ちした。
   3)専門家善人神話崩壊、エンジニアリングツールやコントローラの専門家が攻撃へ参加。
  ・制御系セキュリティ対策の難しさ
   1)容易に止められない → クラウド、予備機によるシミュレーションの活用。
   2)保有が長期 → ソフトウエア、ハードウエアの新陳代謝化。
   3)ソフトの暴走はメカの暴走 → ハードも含んだシミュレーション。

  【技術研究組合 制御システムセキュリティセンター(CSSC)について】

    経済産業省が主催して2011年に「制御システムセキュリティ検討タスクフォース」を立ち上げ、2012年3月には「技術研究組合制御システムセキュリティセンター」を設立しました。
    新先生は当初からタスクフォース座長を務められており、CSSC設立と同時に理事長に就任されました。
    CSSC設立の目的は、制御システムのセキュリティ確保を目指すこと。そのために検証、研究開発、インシデントサポート、認証スキーム、国際連携、人材育成・普及啓発、そしてテストベッドの構築を行います。現在、宮城県多賀城市のソニー(株)仙台テクノロジーセンター敷地内のみやぎ復興パーク内に、テストベッドを構築中で、お台場のCSSC本部と結び、実際のオフィスビルと同様なネットワーク構成を用いてシステムセキュリティ検証試験を2013年4月から行う予定になっています。またCSSCの認証活動は、2014年の4月から行う予定とのことです。

以 上