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活動報告(近畿)

播磨科学公園都市

活動名播磨科学公園都市
実施日平成26年(2014年)2月28日(金) 10:00~17:00
場所播磨科学公園都市
  兵庫県たつの市新宮町光都
参加者17名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者近畿地区担当幹事 大久保 精之
1.はじめに

平成25年度近畿地区の活動として、2月28日に上記見学会を開催しましたので、以下に概要を報告いたします。

2.播磨科学公園都市

 今回の見学先である播磨科学公園都市は、西播磨テクノポリス開発計画の拠点都市として2,010ヘクタールに及ぶ豊かな緑に包まれた西播磨丘陵地を舞台に、21世紀の科学技術の発展を支える学術研究機能と優れた先端産業の集積を中心に、快適な居住環境など高次元機能を備えた「国際的な科学公園都市」の形成を目標にされ、自然・風土・歴史や文化を背景に、産・学・住・遊の機能を総合的に備えた「新しい街づくり」を目指しておられます。
 特に学術研究機能として、大型放射光施設(SPring-8)や中型放射光施設(ニュースバル)、兵庫県立大学理学部を基幹的研究施設に位置付け、その整備を軸に国際的な科学公園都市を建設されていました。

播磨科学公園都市 全景 (同HPより)
3.見学内容

 見学は、同都市案内図下の①播磨光都21にある播磨高原東小・中学校等の建築物をバスより見学し、案内図上部の②県立粒子線医療センタも同様にバスより施設を見学した。最後に、本見学会のメインである案内図左の③大型放射光施設(SPring-8)は、概要説明用展示施設及び蓄積リング棟内を視察し、他の施設はバスにて見学した。

播磨科学公園都市 案内図 (同HPより)

  ① 播磨高原東小・中学校
    播磨光都21にある同学校は、コンクリート打ちっ放しで有名な安藤忠雄氏の設計です。無機質なコンクリートにあらゆる形と質感を表現する挑戦的な外部とは対照的に内部は木を使用して温もりのある居住空間を演出されているとの事でした。

播磨高原東小・中学校 (同校HPより)

  ② 県立粒子線医療センタ
    同センタは、ガン専門治療施設であるため心の負担を軽減ため「緑あふれる病院らしくない病院」作りをされておられました。また、日本にある21施設の中でも「陽子線・重粒子線」の両方の治療ができる唯一の施設です。粒子線治療は、X線治療に比べ患部をピンポイントで治療できるので他の臓器等を傷つけず痛みや副作用が少ないため、多くの患者様が通院で治療されているとのことでした。

県立粒子線医療センター (同センタ HPより)

  ③ 大型放射光施設(SPring-8)
    同施設の名前の由来は、「Super Photon ring-8GeV」(Photon:光ring:大きなドーナツ状の建物 GeVエネルギーの単位)です。SPring8はほぼ光速で直進する電子がその進行方向を磁石によって変えられた際に発生する電磁波を放射光と呼ぶ。
    放射光は、電子のエネルギーが高いほど指向性の良い明るい光となり、また、電子のエネルギーが高く、進む方向の変化が大きいほど、X線などの短い波長の光を含むようになります。
     このような施設が世界に3か所あり、SPring-8は8GeV、アメリカ7GeV、フランスGeVと世界一である。また、8GeVのエネルギーが作り出す光は、雷がおよそ1GeVであるので8個の雷が同時に光った明るさになる。
    この世界一明るい光を目的に合わせ加工し、今まで見えなかった極小の物質の状態を見る事ができるようになり、各分野で分析・解析・実験が行われ良い製品・難事件の解決宇宙物質の解明など多くの成果を上げられています。

普及棟 展示物の見学
蓄積リング棟
見学者集合写真
3.おわりに

 見学会に参加頂いた皆様からアンケートで、この見学会を通じて見識・知見を広めることができ参加してよかった、次回も参加したいとのご意見を受け有意義な見学会になったと感じました。
 最後に、関係各所の皆様のご協力で無事に見学会を遂行することができました、厚くお礼申し上げます。

以 上

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活動報告(近畿)

①「空調自動制御のチェックポイント」 ②「ITの基礎とビルオートメーションの通信バス」

活動名①「空調自動制御のチェックポイント」
②「ITの基礎とビルオートメーションの通信バス」
講師
① 三機工業株式会社 建築設備技術本部
   副本部長 助飛羅 力(すけひらちから)講師
② ジョンソンコントロールズ株式会社
  プロダクトマーケティング部 桧山 達哉(ひやまたつや)講師
実施日平成25年(2013年)9月25日(水)13:30~17:00
場所TKP大阪ビジネスセンター 8D会議室
大阪市福島区福島5-4-21 TKP ゲートタワービル
参加者24名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者近畿地区担当幹事  堀田 保
はじめに

 平成25年度近畿地区活動として、9月25日TKP大阪ビジネスセンターにて 上期勉強会を大阪で開催しましたので、以下に概要を報告致します。

開会のあいさつ

 開会にあたり、計装士会の六平 克(むさかよしき) 代表幹事より、 開会の挨拶と計装士会全体の活動について説明がありました。

勉強会内容

 テーマ①:『空調自動制御のチェックポイント

   ビルマルチエアコンの普及により熱源・空調機のシステムを経験する機会が少なくなり、自動制御に関する知識と経験のない技術者が増加傾向にある。
  また、自動制御に関するトラブル事例に関して纏まっている資料が見当たらない。
  そういう現状の中で、今回は空調設備の自動制御設備の設計・施工・保守に関して留意するポイントについて、説明を受けました。

  1. 全体     1-1設計仕様の確認   1-2客先仕様の有無の確認
  2. 機器まわり 2-1計装設計図の表示 2-2電気的インタロックの確認
            2-3冷凍機まわり     2-4冷却塔まわり     2-5ヘッダーまわり
            2-6水槽まわり       2-7外気調和機まわり  2-8空調機まわり
            2-9制御弁の選定    2-10 VAVの選定     2-11ファンコイルユニット
            2-12 ビルマルチエアコン
  3. センサー   3-1センサーの仕様は  3-2センサーの設置は
  4. 盤、配線   4-1停電・瞬停時の動作は  4-2自動制御盤の構成は
            4-3インバータのオプション設定は   4-4配線ルートは
  5. 保守     5-1保守契約は
  6. まとめ
  7. 質疑応答

   講演内容について

   ・設計仕様、客先仕様の条件から設計、施工、保守に至るまでの、豊富な経験に基づいた 内容で懇切丁寧に講義をして頂きました。
    設計時に留意すべき点やリスクに対する考え方がよく盛り込まれており経験の乏しい技術者の良い教材になり得ると感じました。

助飛羅 講師

 テーマ②:『ITの基礎とビルオートメーションの通信バス

  コンピューター通信における基礎・オープンシステムの定義、変遷、基礎と今後の動向について、説明を受けました。

  1. ITの基礎
  2. ビルの中で使われているプロトコルについて
  3. BACnetについて
  4. オープン化について
  5. まとめ
  6 .質疑応答

  講演内容について
  ・ITの基礎においては、単位・用語といった初歩の知識から説明を頂きBAシステムの概念、オープンシステムの変遷、特徴、新たな時代の オープンシステム化について、分かり易く講義をして頂きました。

桧山 講師
勉強会の様子
アンケート結果

  Q.勉強会の内容について
    満足   6(25%)    ほぼ満足   15(62%)   普通   3(13%)
  Q.この勉強会は貴方の業務に役立つでしょうか
     役立つ  19(79%)   少し役立つ   5(21%)
  Q.時間
     やや長い 8(33%)   普通     15(67%)    無回答  1
  Q.この勉強会(講演会)について
     また出席したい 24(100%)
  Q.今回の勉強会参加について
     本人の希望   20(83%)  上司からの指示  3(13%)  その他 1( 4%)

おわりに

 今回の勉強会は、若い方から経験豊富な方まで多くの方々に参加いただき、 大変有意義な勉強会になったと感じております。
 参加所属会社数も11社と念願の参加会社数を達成することができました。
 今までの経験をもとに、貴重な事例を交えながら分かりやすく講演していただき、 あらためて基礎が大事だということを再認識させられ、また若手技術者への教育に貴重な教材となります。
 アンケートの結果からも、このような勉強会にまた出席したい、 もっと開催してほしいという意見が大半でありました。 関係者のご協力に感謝致します。
 最後にご多忙中にもかかわらず、講師をお引き受けいただきました助飛羅様、桧山様に厚くお礼申し上げるととともに、今後とも益々のご活躍をお祈り申し上げます。

以 上

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活動報告(近畿)

「サイバー攻撃の脅威、その現状と対策」  第1部:情報システムセキュリティ  第2部:制御システムセキュリティ

活動名「サイバー攻撃の脅威、その現状と対策」
 第1部:情報システムセキュリティ
 第2部:制御システムセキュリティ
講師
電気通信大学 教授
情報理工学研究科 知能機械工学専攻 電子制御システムコース
工学博士 新 誠一 先生
実施日平成25年(2013年)7月5日(金)14:00~17:00
場所新梅田研修センター
 大阪市福島区福島6-22-20
参加者120名 (内計装士会14名)
主催(一社)日本計装工業会
協賛計装士会
報告者近畿地区担当幹事  三好 真二
はじめに

 平成25年度近畿地区上期活動として、(一社)日本計装工業会主催の「特別講演会」に共催という形で参加させて頂きました。
 インターネットが広く一般に利用され、コンピュータの汎用化が進む現在、サイバー攻撃の脅威は日増しに増大している。もはや、政府機関、企業、大学のみならず、重要インフラや工場プラントシステムへの影響も現実のものとなっている。このようなサイバー攻撃の脅威、その現状と対策について、第1部:情報システムセキュリティ第2部:制御システムセキュリテイの2部にわけて講演していただきました。
 また、新教授が理事長の任に着かれている「制御システムセキュリティセンター(CSSC)」の発足の経緯、活動についてもご紹介いただきました。

講演概要

 第1部:情報システムセキュリティ

  1)情報
   ・情報とは言葉、情報セキュリティ=言葉の改竄防止
   ・情報化とは、抽象化、名前付け
   ・21世紀に入って、物質・エネルギー・情報は融合して考えなければならない。
   ・情報の認証、暗号化、監視、これらをどのステージ(情報通信、情報蓄積、情報処理)と組み合わせるかにより、システムのセキュリティ対策レベルが分類できる。

  2)サイバー攻撃
   ・Dos攻撃
   ・フィッシング詐欺
   ・Brute force attack

  3)情報セキュリティ対策
   ・マルウェア
   ・ファジング
   ・パスワードが数字4桁で設定されていたとすると、コンピュータを使えば1秒もかからずその組み合わせを見つけることができてしまう。それを防ぐために、金融機関で は3回パスワードを間違えたらそのパスワードは使えないようにしている。これが現 在の銀行のセキュリティレベルである。
   ・指紋認証、静脈認証といった生体認証もよく使われるが、一度流出すればどうしよう もない。
   ・各社からいろいろな対策ツールが発表されているが、どのような対策を施しても内部に実行犯が存在する限り防ぎようがないのは過去も現在も同じである。

  第2部:制御システムセキュリティ

  1)制御システムセキュリティの必要性
   ・1971年マイクロプロセッサの登場
    現在では、スマートタウン、スマートハウスなどの構想の元、コンピューターをネットワークでつないで生活の快適性、利便性を追求するようになっている。
   ・制御用端末はWindows2000以降、専用マシンから汎用マシンに置き換わってきたが、それに伴い攻撃を受けやすくなっている。

  2)制御系システムのセキュリティに要求すべきこと
   ・機能安全(安全計装)の部分に脆弱性がないか。
   ・外部との接続の有無を確認し、その部分のセキュリティを向上させること。
   ・Stuxnetの登場により
    ネットワークに接続されていないコントローラは安全である。
    特殊なOSだから攻撃されない。
    専門家はすべて善人だ。
    といった、従来では当たり前のこととして考えられていたことが全て間違いであるということを認識しなけ
    ればならなくなった。

  3)制御系セキュリティ対策の難しさ
   ・容易に止められない。
   ・保有が長期
    システムに実装されているソフトウェア、ハードウェアのアップグレード、入れ替えが難しい。

  4)CSSCについて(制御システムセキュリティへの対策動向)
    宮城県多賀城市に制御システムセキュリティセンター東北多賀城本部が開所。
    日本国内の制御システムセキュリティに関する対策拠点。
    多賀城本部には、プラント分野、ビル分野の模擬システムが構築され、制御システムセキュリティの研究開発が行われている。
    (活動・取組み)
      ・制御システムのセキュリティ確保に資する研究開発の遂行。
      ・テストベッドの構築
      ・普及啓発・人材育成の推進
      ・インシデントハンドリングのサポート
      ・国際標準化活動と評価認証事業の立ち上げ

新 誠一 教授

聴講風景

中谷専務理事 挨拶

六平計装士会代表幹事 挨拶

おわりに

 全体で約2時間半に及びましたが、非常に興味深く有益な講演となりました。
 計装士会としても、今後さらに、有益な情報提供、情報交換の場であるように講演会、見学会 等を企画、開催していきたいと思います。
 最後になりましたが、今回の講演会にご尽力いただきました新教授、(一社)日本計装工業会殿の関係者の皆様と計装士会の関係者の皆様には心より感謝と御礼を申し上げます。

以 上