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活動報告(近畿)

大阪ガス株式会社 ガス科学館

活動名大阪ガス株式会社 ガス科学館
実施日平成27年(2015年)2月10日(水) 9:00~16:00
場所大阪ガス株式会社 ガス科学館
  大阪府高石市高砂3-1
参加者14名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者近畿地区担当幹事 堀田 保
1.はじめに

 平成27年度近畿地区の活動として、2月10日に上記見学会を開催しましたので、 以下に概要を報告致します。

2.見学施設概要

 ガス科学館は、「地球環境の保全とエネルギーの有効利用」をテーマに 1982年に開館しました。映像や参加型展示物を通して天然ガスをはじめとする エネルギーと地球環境について学んだり、科学の不思議を体感できる ガスの総合科学館です。

3.見学内容

  泉北製造所の概要
   LNG(液化天然ガス)を原料に都市ガスを製造する大阪ガス㈱の主力工場です。
   人と技術で世界に羽ばたくLNG基地を目指し、都市ガスと電気と冷熱により、 マルチエネルギー事業を展開されています。
   第一工場と第二工場を合わせた面積は約100万㎡とガス送出量の約70%を製造しています。

   ・地球にやさしいエネルギーLNG
   LNGタンクは2タイプからなる。
   金属二重殻式LNGタンク・・・防液堤を有する在来型
   PC-LNGタンク・・・・・・防液堤を外層に密着させることにより、大容量化を実現いずれも、高度な安全構造になっている。

   見学コース巡回
   専用の天然ガス自動車(バス)により、現地の大型パネルを利用して分かりやすい説明を 受けることができました。

   ・泉北天然ガス発電所
   天然ガスを用いた高効率でクリーンなシステムで発電しています。
   発電方式
   ガスタービンコンバインドサイクル発電方式
   発電規模
   第二工場 1号機・2号機 合計 554,000kW
   第一工場 3号機・4号機 合計 555,000kW
   日本最大級の計110,9万kWの発電を行っています。

   ・LNGの冷熱をさまざまな分野で有効活用しています。
   LNGは-160℃という超低温の「冷熱」を持っています。
   この冷熱はLNG1㎏あたりで約920kJ(約220kcal)の機械エネルギーに相当します。
   泉北製造所では、隣接企業と共に冷熱をエネルギーに用いる液化炭酸設備・ 空気液化分離設備・LNG冷熱発電設備などの多彩な事業を展開している。

   ・ガス科学館
   世界初のデジタル地球儀“触れる地球”を体感してみよう。
   雲や海流の動き、地球温暖化のシミュレーションなど、地球のダイナミズムを 目で見て体感できます。

   気体の不思議
   -196℃の液化窒素を用いた冷熱実験や「炎色反応」「パスカルの原理」などが 理解できる参加型展示物を通して、科学の不思議を体感できます。

触れる地球
ようこそガス科学館へ集合写真
3.おわりに

 今回は、年度末の多忙にもかかわらず多くの方々に参加いただき、大変有意義な見学会になったと感じております。
 大阪ガス株式会社ガス科学館においては、製造所内の見学コースを専用のバスにて巡回しましたが、工場とは思えないくらい静かで管理されていると感じました。
 次回も多数参加していただけるような見学会を企画していきたいと思います。
 最後に今回の見学会にご協力いただいた、関係各位に厚く御礼申し上げます。

以 上

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活動報告(近畿)

「計装士のためのビジネス&パブリックポリシー」

活動名「計装士のためのビジネス&パブリックポリシー」
講師
アズビル㈱ ビルシステムカンパニー マーケティング本部
部長 福田 一成 講師
実施日平成26年(2014年)9月25日(木)14:00~17:00
場所TKP大阪ビジネスセンター
 大阪市福島区福島5-4-21 TKPゲートタワービル
参加者16名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者近畿地区担当幹事  三好 真二
はじめに

 平成26年度近畿地区上期活動として、上記勉強会を実施しました。
 「パブリックポリシー、政策はビジネスには不可欠の知識であり、ただ知っているかどうかで仕事の仕方も成果も大きく変わってくる。」というお話からスタートしました。
 戦後から現在に至る経済政策、エネルギー政策、環境政策の変遷、そして、これからの政策と計装技術、次世代計装技術の展望へと、BAS(ビルディングオートメンションシステム)BEMS(ビルディングエネルギーマネジメントシステム)の事例を中心に豊富な資料をもとに非常に分かりやすくご説明いただきました。

勉強会概要

 1.パブリックポリシーとは
   政策・・・ビジネスには不可欠の知識。
   ●経済政策の変遷
   ●エネルギー政策の変遷
   ●環境政策の変遷

 2.震災後のパブリックポリシー
   震災の前後でパブリックポリシーは大きく変化。
   ~省エネ・低炭素化・節電・事業継続政策と計装技術
   ●省エネ・環境パブリックポリシーの変遷と計装技術(BEMS・BASの変遷)
   ●BASにおけるBEMS機能の進化の経緯
   ●BCP(事業継続計画)のBASの基本機能
   [東日本大震災時のクラウドデータによる電力需要分析と節電効果調査事例]
   ●震災直後の電力負荷パターン調査例
   ●2011年度夏季における電力使用制限令の民生業務分野への影響度調査
   ●2011年度冬季西日本におけるピーク時の業務用ビルの電力使用状況調査

 3.これからの政策~省インフラとは
   「省インフラ」とは、これまでの大規模なネットワークインフラに依存していた社会ではなく、できるだけインフラの負担を軽減しながら、質の高い生活を維持するためのサービス提供の方法、技術、暮らし方の総称。
   ●モノもサービスも市場が縮小するシナリオを想定しておくことが重要
     2020年は縮小する現実に沿った対応へのはじまり
   ●省インフラの手法:3階層マネジメント
     施設を維持するのではなく、機能を維持する考え方
   ●省インフラの技術1
     コンパクト化、多機能化
     分散処理
     デリバリー、バーチャル化
     ・・・インフラの物理的総量を減らすさまざまな技術
   ●省インフラの技術2
     ライフサイクルコストを削減する多様な技術が必要
   ●省インフラの事例
     広域化、多機能化、工場機能のインフラ化

 4.動き始めた省インフラ政策
   ●最近の省インフラ関連政策
     ・インフラ長寿命化基本計画
     ・公共施設等総合管理計画の策定要請(総務省)
     ・都市再生特別措置法改正(国交省)
     ・中心市街地活性化法改正(経産省)
   ●省インフラの流れがスマートエネルギーにどう影響するか
   ●省インフラ時代に必要とされる計装技術
   ●省インフラ時代に必要な人材
   ●システムインテグレーター

 5.次世代計装技術の展望
   ●BASを様々なスマート技術と連携させるための技術開発
     BASを連携させることで更なる価値創造
   ●BAS(BEMS)の進化形としてのCEMS
    クラスター型エネルギーマネジメントシステム
   ●スマートグリッドにおけるBASの役割
   ●スマートエネルギーとエネルギーBCP
   ●今後ニーズが高まる計装サービス
     設備管理のクラウドサービス例
     BEMS機能のクラウドサービス
     さらなるランニングコスト削減のための省エネ
   ●BIM(Building Information Modeling)への対応

聴講風景ー1
聴講風景-2
六平計装士会代表幹事 挨拶
福田 講師
おわりに

 全体で約3時間に及びましたが、アンケートの結果からも、満足・ほぼ満足で84.6%を占めており、時間を感じさせない有益な勉強会となりました。
 計装士会としても、今後さらに、有益な情報提供、情報交換の場であるように講演会、見学会 等を企画、開催していきたいと思います。
 最後になりましたが、今回の講演会にご尽力いただきました福田講師、(一社)日本計装工業会殿の関係者の皆様と計装士会の関係者の皆様には心より感謝と御礼を申し上げます。

以 上

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活動報告(近畿)

播磨科学公園都市

活動名播磨科学公園都市
実施日平成26年(2014年)2月28日(金) 10:00~17:00
場所播磨科学公園都市
  兵庫県たつの市新宮町光都
参加者17名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者近畿地区担当幹事 大久保 精之
1.はじめに

平成25年度近畿地区の活動として、2月28日に上記見学会を開催しましたので、以下に概要を報告いたします。

2.播磨科学公園都市

 今回の見学先である播磨科学公園都市は、西播磨テクノポリス開発計画の拠点都市として2,010ヘクタールに及ぶ豊かな緑に包まれた西播磨丘陵地を舞台に、21世紀の科学技術の発展を支える学術研究機能と優れた先端産業の集積を中心に、快適な居住環境など高次元機能を備えた「国際的な科学公園都市」の形成を目標にされ、自然・風土・歴史や文化を背景に、産・学・住・遊の機能を総合的に備えた「新しい街づくり」を目指しておられます。
 特に学術研究機能として、大型放射光施設(SPring-8)や中型放射光施設(ニュースバル)、兵庫県立大学理学部を基幹的研究施設に位置付け、その整備を軸に国際的な科学公園都市を建設されていました。

播磨科学公園都市 全景 (同HPより)
3.見学内容

 見学は、同都市案内図下の①播磨光都21にある播磨高原東小・中学校等の建築物をバスより見学し、案内図上部の②県立粒子線医療センタも同様にバスより施設を見学した。最後に、本見学会のメインである案内図左の③大型放射光施設(SPring-8)は、概要説明用展示施設及び蓄積リング棟内を視察し、他の施設はバスにて見学した。

播磨科学公園都市 案内図 (同HPより)

  ① 播磨高原東小・中学校
    播磨光都21にある同学校は、コンクリート打ちっ放しで有名な安藤忠雄氏の設計です。無機質なコンクリートにあらゆる形と質感を表現する挑戦的な外部とは対照的に内部は木を使用して温もりのある居住空間を演出されているとの事でした。

播磨高原東小・中学校 (同校HPより)

  ② 県立粒子線医療センタ
    同センタは、ガン専門治療施設であるため心の負担を軽減ため「緑あふれる病院らしくない病院」作りをされておられました。また、日本にある21施設の中でも「陽子線・重粒子線」の両方の治療ができる唯一の施設です。粒子線治療は、X線治療に比べ患部をピンポイントで治療できるので他の臓器等を傷つけず痛みや副作用が少ないため、多くの患者様が通院で治療されているとのことでした。

県立粒子線医療センター (同センタ HPより)

  ③ 大型放射光施設(SPring-8)
    同施設の名前の由来は、「Super Photon ring-8GeV」(Photon:光ring:大きなドーナツ状の建物 GeVエネルギーの単位)です。SPring8はほぼ光速で直進する電子がその進行方向を磁石によって変えられた際に発生する電磁波を放射光と呼ぶ。
    放射光は、電子のエネルギーが高いほど指向性の良い明るい光となり、また、電子のエネルギーが高く、進む方向の変化が大きいほど、X線などの短い波長の光を含むようになります。
     このような施設が世界に3か所あり、SPring-8は8GeV、アメリカ7GeV、フランスGeVと世界一である。また、8GeVのエネルギーが作り出す光は、雷がおよそ1GeVであるので8個の雷が同時に光った明るさになる。
    この世界一明るい光を目的に合わせ加工し、今まで見えなかった極小の物質の状態を見る事ができるようになり、各分野で分析・解析・実験が行われ良い製品・難事件の解決宇宙物質の解明など多くの成果を上げられています。

普及棟 展示物の見学
蓄積リング棟
見学者集合写真
3.おわりに

 見学会に参加頂いた皆様からアンケートで、この見学会を通じて見識・知見を広めることができ参加してよかった、次回も参加したいとのご意見を受け有意義な見学会になったと感じました。
 最後に、関係各所の皆様のご協力で無事に見学会を遂行することができました、厚くお礼申し上げます。

以 上

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活動報告(近畿)

①「空調自動制御のチェックポイント」 ②「ITの基礎とビルオートメーションの通信バス」

活動名①「空調自動制御のチェックポイント」
②「ITの基礎とビルオートメーションの通信バス」
講師
① 三機工業株式会社 建築設備技術本部
   副本部長 助飛羅 力(すけひらちから)講師
② ジョンソンコントロールズ株式会社
  プロダクトマーケティング部 桧山 達哉(ひやまたつや)講師
実施日平成25年(2013年)9月25日(水)13:30~17:00
場所TKP大阪ビジネスセンター 8D会議室
大阪市福島区福島5-4-21 TKP ゲートタワービル
参加者24名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者近畿地区担当幹事  堀田 保
はじめに

 平成25年度近畿地区活動として、9月25日TKP大阪ビジネスセンターにて 上期勉強会を大阪で開催しましたので、以下に概要を報告致します。

開会のあいさつ

 開会にあたり、計装士会の六平 克(むさかよしき) 代表幹事より、 開会の挨拶と計装士会全体の活動について説明がありました。

勉強会内容

 テーマ①:『空調自動制御のチェックポイント

   ビルマルチエアコンの普及により熱源・空調機のシステムを経験する機会が少なくなり、自動制御に関する知識と経験のない技術者が増加傾向にある。
  また、自動制御に関するトラブル事例に関して纏まっている資料が見当たらない。
  そういう現状の中で、今回は空調設備の自動制御設備の設計・施工・保守に関して留意するポイントについて、説明を受けました。

  1. 全体     1-1設計仕様の確認   1-2客先仕様の有無の確認
  2. 機器まわり 2-1計装設計図の表示 2-2電気的インタロックの確認
            2-3冷凍機まわり     2-4冷却塔まわり     2-5ヘッダーまわり
            2-6水槽まわり       2-7外気調和機まわり  2-8空調機まわり
            2-9制御弁の選定    2-10 VAVの選定     2-11ファンコイルユニット
            2-12 ビルマルチエアコン
  3. センサー   3-1センサーの仕様は  3-2センサーの設置は
  4. 盤、配線   4-1停電・瞬停時の動作は  4-2自動制御盤の構成は
            4-3インバータのオプション設定は   4-4配線ルートは
  5. 保守     5-1保守契約は
  6. まとめ
  7. 質疑応答

   講演内容について

   ・設計仕様、客先仕様の条件から設計、施工、保守に至るまでの、豊富な経験に基づいた 内容で懇切丁寧に講義をして頂きました。
    設計時に留意すべき点やリスクに対する考え方がよく盛り込まれており経験の乏しい技術者の良い教材になり得ると感じました。

助飛羅 講師

 テーマ②:『ITの基礎とビルオートメーションの通信バス

  コンピューター通信における基礎・オープンシステムの定義、変遷、基礎と今後の動向について、説明を受けました。

  1. ITの基礎
  2. ビルの中で使われているプロトコルについて
  3. BACnetについて
  4. オープン化について
  5. まとめ
  6 .質疑応答

  講演内容について
  ・ITの基礎においては、単位・用語といった初歩の知識から説明を頂きBAシステムの概念、オープンシステムの変遷、特徴、新たな時代の オープンシステム化について、分かり易く講義をして頂きました。

桧山 講師
勉強会の様子
アンケート結果

  Q.勉強会の内容について
    満足   6(25%)    ほぼ満足   15(62%)   普通   3(13%)
  Q.この勉強会は貴方の業務に役立つでしょうか
     役立つ  19(79%)   少し役立つ   5(21%)
  Q.時間
     やや長い 8(33%)   普通     15(67%)    無回答  1
  Q.この勉強会(講演会)について
     また出席したい 24(100%)
  Q.今回の勉強会参加について
     本人の希望   20(83%)  上司からの指示  3(13%)  その他 1( 4%)

おわりに

 今回の勉強会は、若い方から経験豊富な方まで多くの方々に参加いただき、 大変有意義な勉強会になったと感じております。
 参加所属会社数も11社と念願の参加会社数を達成することができました。
 今までの経験をもとに、貴重な事例を交えながら分かりやすく講演していただき、 あらためて基礎が大事だということを再認識させられ、また若手技術者への教育に貴重な教材となります。
 アンケートの結果からも、このような勉強会にまた出席したい、 もっと開催してほしいという意見が大半でありました。 関係者のご協力に感謝致します。
 最後にご多忙中にもかかわらず、講師をお引き受けいただきました助飛羅様、桧山様に厚くお礼申し上げるととともに、今後とも益々のご活躍をお祈り申し上げます。

以 上

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活動報告(近畿)

「サイバー攻撃の脅威、その現状と対策」  第1部:情報システムセキュリティ  第2部:制御システムセキュリティ

活動名「サイバー攻撃の脅威、その現状と対策」
 第1部:情報システムセキュリティ
 第2部:制御システムセキュリティ
講師
電気通信大学 教授
情報理工学研究科 知能機械工学専攻 電子制御システムコース
工学博士 新 誠一 先生
実施日平成25年(2013年)7月5日(金)14:00~17:00
場所新梅田研修センター
 大阪市福島区福島6-22-20
参加者120名 (内計装士会14名)
主催(一社)日本計装工業会
協賛計装士会
報告者近畿地区担当幹事  三好 真二
はじめに

 平成25年度近畿地区上期活動として、(一社)日本計装工業会主催の「特別講演会」に共催という形で参加させて頂きました。
 インターネットが広く一般に利用され、コンピュータの汎用化が進む現在、サイバー攻撃の脅威は日増しに増大している。もはや、政府機関、企業、大学のみならず、重要インフラや工場プラントシステムへの影響も現実のものとなっている。このようなサイバー攻撃の脅威、その現状と対策について、第1部:情報システムセキュリティ第2部:制御システムセキュリテイの2部にわけて講演していただきました。
 また、新教授が理事長の任に着かれている「制御システムセキュリティセンター(CSSC)」の発足の経緯、活動についてもご紹介いただきました。

講演概要

 第1部:情報システムセキュリティ

  1)情報
   ・情報とは言葉、情報セキュリティ=言葉の改竄防止
   ・情報化とは、抽象化、名前付け
   ・21世紀に入って、物質・エネルギー・情報は融合して考えなければならない。
   ・情報の認証、暗号化、監視、これらをどのステージ(情報通信、情報蓄積、情報処理)と組み合わせるかにより、システムのセキュリティ対策レベルが分類できる。

  2)サイバー攻撃
   ・Dos攻撃
   ・フィッシング詐欺
   ・Brute force attack

  3)情報セキュリティ対策
   ・マルウェア
   ・ファジング
   ・パスワードが数字4桁で設定されていたとすると、コンピュータを使えば1秒もかからずその組み合わせを見つけることができてしまう。それを防ぐために、金融機関で は3回パスワードを間違えたらそのパスワードは使えないようにしている。これが現 在の銀行のセキュリティレベルである。
   ・指紋認証、静脈認証といった生体認証もよく使われるが、一度流出すればどうしよう もない。
   ・各社からいろいろな対策ツールが発表されているが、どのような対策を施しても内部に実行犯が存在する限り防ぎようがないのは過去も現在も同じである。

  第2部:制御システムセキュリティ

  1)制御システムセキュリティの必要性
   ・1971年マイクロプロセッサの登場
    現在では、スマートタウン、スマートハウスなどの構想の元、コンピューターをネットワークでつないで生活の快適性、利便性を追求するようになっている。
   ・制御用端末はWindows2000以降、専用マシンから汎用マシンに置き換わってきたが、それに伴い攻撃を受けやすくなっている。

  2)制御系システムのセキュリティに要求すべきこと
   ・機能安全(安全計装)の部分に脆弱性がないか。
   ・外部との接続の有無を確認し、その部分のセキュリティを向上させること。
   ・Stuxnetの登場により
    ネットワークに接続されていないコントローラは安全である。
    特殊なOSだから攻撃されない。
    専門家はすべて善人だ。
    といった、従来では当たり前のこととして考えられていたことが全て間違いであるということを認識しなけ
    ればならなくなった。

  3)制御系セキュリティ対策の難しさ
   ・容易に止められない。
   ・保有が長期
    システムに実装されているソフトウェア、ハードウェアのアップグレード、入れ替えが難しい。

  4)CSSCについて(制御システムセキュリティへの対策動向)
    宮城県多賀城市に制御システムセキュリティセンター東北多賀城本部が開所。
    日本国内の制御システムセキュリティに関する対策拠点。
    多賀城本部には、プラント分野、ビル分野の模擬システムが構築され、制御システムセキュリティの研究開発が行われている。
    (活動・取組み)
      ・制御システムのセキュリティ確保に資する研究開発の遂行。
      ・テストベッドの構築
      ・普及啓発・人材育成の推進
      ・インシデントハンドリングのサポート
      ・国際標準化活動と評価認証事業の立ち上げ

新 誠一 教授

聴講風景

中谷専務理事 挨拶

六平計装士会代表幹事 挨拶

おわりに

 全体で約2時間半に及びましたが、非常に興味深く有益な講演となりました。
 計装士会としても、今後さらに、有益な情報提供、情報交換の場であるように講演会、見学会 等を企画、開催していきたいと思います。
 最後になりましたが、今回の講演会にご尽力いただきました新教授、(一社)日本計装工業会殿の関係者の皆様と計装士会の関係者の皆様には心より感謝と御礼を申し上げます。

以 上