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活動報告(四国)

日本地下石油備蓄株式会社 菊間国家石油備蓄基地

活動名日本地下石油備蓄株式会社 菊間国家石油備蓄基地
実施日平成28年(2016年)2月5日(金) 9:00~18:30
場所日本地下石油備蓄株式会社 菊間国家石油備蓄基地
  愛媛県今治市菊間町
参加者20名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者四国地区担当幹事 佐藤 和宏
1.はじめに

 愛媛県今治市にある日本地下石油備蓄㈱ 菊間国家石油備蓄基地を訪問しました。

 日本地下石油備蓄㈱は、石油及び石油ガスの国家備蓄体制の維持を安全かつ効率的、機動的に実施し国家備蓄管理を担う独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)から国家石油備蓄基地の操業管理を受託している会社の一つです。

 日本地下石油備蓄㈱が操業管理している国家備蓄基地が3ヶ所あり、その一つが菊間国家石油備蓄基地となります。地下岩盤タンク方式で150万kl、日本の消費量の約3日分の原油を備蓄しています。

2.見学内容

(1) 机上説明  

総合管理事務所の視聴覚室で、ビデオ上映等による地下岩盤タンク方式の解説および建設工事の竣工までの経過について説明を受けました。
  地下岩盤タンク方式について、これまでは不透水の岩盤でタンクを作って原油を保持しているという誤ったイメージを持っておりました。実際には、岩盤は花崗岩で節理を持った構造体のため、その周りに地下水で水圧をかけることにより、原油は流れ出ずに保持されるということがわかりました。地下岩盤タンク方式のモデル実験では、模型地下岩盤タンクの内面に沿って水が流れ込み(湧水という)、タンクの下部にたまっていく様子は、非常に印象的な映像でした。
  地下岩盤タンクの下部ピットには30cmの堰が設けられおり、これを超えてピットに溜まった湧水は、底水排水ポンプで汲み出して排水処理設備へ送られ、底水排水ポンプはレベルコントロールで自動運転を行っているそうです。 湧水を排出することは、非常に重要で予備ポンプも設置されていました。
  日本地下石油備蓄㈱は菊間基地のほか岩手の久慈基地と鹿児島の串木野基地の2ヶ所の国家石油備蓄基地の操業管理をしていますが、菊間基地は、民家や隣接する太陽石油のタンク群などに近いため、それらを避けて建設されたために、7本ある地下岩盤タンクの長さは、同一の長さではありません。(ちなみに他の2か所の基地の地下岩盤タンクは支障のない山の中に作られたため、すべて同じ長さで、全体が幾何学的に長方形の整った形状です。)
  菊間基地は、地域の理解と共生をはかるため、地域住民等を対象とした計画の説明会や工事中の現場見学会、地下岩盤タンク完成時の竣工式やコンサートなど、各種イベントを開催して地域との共生に努力をしています。
  1995年2月にオイルインが終了して21年が経過しますが、国内の石油エネルギーの供給が不足するような事態が生じたことがないため、これまで、国内で一度も備蓄原油の緊急放出をしたことはないそうです。
  原油は、元々地下深くで作られた化石燃料で、掘り出して溜め込んだものであるから性状は安定しており、原油の性状を分析して長期間貯蔵していても問題ないことを確認しているとのことです。

机上説明

(2) 施設見学(写真撮影は不可)

  現場の施設見学は、バスに乗り、地下岩盤タンク下部に生成するワックスやスラッジを溶かすための蒸気を作るボイラ設備や、地下岩盤タンク底部からくみ上げた微量油分を含む湧水を処理する環境保全設備、不燃性ガス製造設備、地上シフトタンク(3.4万kl×4基、タンカー又は地下岩盤タンクからの油を一次受け入れて計量するタンク)などを見学しました。
  その後、バスを降り、地下部のサービストンネルに入り、地下岩盤タンクの受け入れ・払い出し設備および各種測定を行う設備がある受払竪坑上部室を見学しました。
  この竪抗上部室では、実際に地下岩盤タンク部と同じ岩盤(花崗岩)に触れることができる箇所があり、地下水が滲み出している様子を確認することができました。
  また、サービストンネルや竪抗上部室などの形状の変位や定点距離の測定を行っており、建設後からの変化を観察して、地下岩盤タンクの安全性・安定性が継続していることを確認しているそうです。

地下岩盤タンク入口に設置の碑
見学者集合写真 (総合管理事務所前)
おわりに

 四国地区の見学会は毎年2月頃と寒い時期の開催ですが、今回は、気温が低いものの天候に恵まれ、まあまあの見学日和でした。ご参加いただきました皆様には、本会運営へのご協力に感謝しております。
 今回は、四国地区内にある石油の国家備蓄基地の見学ということで、どんな設備を見学できるのか楽しみにしておりました。
 地上にある設備は、他でも見慣れた設備でしたが、地下エリアのサービストンネル内は、まさに秘密基地のような雰囲気で設置されている設備はすべて防爆仕様、例えば有線電話は昔ながらのダイヤル式など、この作業環境下では、作業を行う際に独特の作法を求められると感じました。
 参加者の皆様におかれましては、自社にない自分自身が知らない文化で動いている現場を見学する機会を得て、皆様の今後に、直接的、間接的にお役立て頂ける何かを一つでも見つけて頂ければ幸いです。また、次回の見学会も楽しみにお待ち頂ければと思います。
 最後に今回の見学会にご多忙な中ご協力いただいた日本地下石油備蓄株式会社菊間事業所の皆さまをはじめ、関係各位に厚く御礼申し上げます。高い技術力と強い基盤をもった企業として益々発展されますことをお祈りいたします。

以 上

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活動報告(四国)

『計装士のためのビジネス&パブリックポリシー』

活動名『計装士のためのビジネス&パブリックポリシー』
講師
福田 一成 講師
   アズビル㈱ ビルシステムカンパニー マーケティング本部 部長
実施日平成27年(2015年)7月23日(木)14:00~17:00
場所サンポートホール高松 64会議室
  香川県高松市サンポート2-1
参加者19名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者四国地区担当幹事 佐藤 和宏
はじめに

 四国地区では、平成27年度上期の地区活動として、7月23日に勉強会を開催いたしました。以下に概要を報告いたします。

テーマ内容

  ① パブリックポリシーとは
     ・戦後の経済政策俯瞰
     ・エネルギー政策の変遷と計装のビジネス
     ・環境政策と計装のかかわり
  ② 震災後のパブリックポリシー~省エネ・低炭素化・節電・事業継続政策と計装技術
     ・震災前後のエネルギー政策の変化と省エネBEMS
     ・BASのエネルギーBCP対応
     ・東日本大震災時のクラウドデータによる電力需要分析と節電効果調査事例
  ③ 最新政策と計装~省インフラという技術
     ・省インフラとは
  ④ 動き始めた省インフラ政策
     ・省インフラを取り入れた公共施設総合管理計画
     ・国土強靭化と地方創生
     ・省インフラに求められる技術と人材
  ⑤ 次世代計装技術の展望
     ・BASおよびCEMS
     ・EV充電に対応するビル管理システム

福田講師
勉強会の様子
所 感

 講師の福田様が経済産業省等の省エネルギーなどに関する各種検討委員を歴任した際の、エネルギー管理システム等の計装ビジネスでは政策の影響が大きいとの経験に基づき、震災前後のエネルギー政策および環境政策の変化、国土強靭化、地方創生への取り組みなどを受け、今後展開が期待されるエネルギー管理ビジネスや省インフラへの対応などの計装ビジネスについてご講演頂きました。
 震災後の節電において施設内のエネルギー使用状況を見張るBEMSが節電ツールとして政策的に広まりましたが、これをBAS(ビル・オートメーション・システム)の一部として、停電発生時の復旧完了までの自動システムとしてエネルギー事業継続を実現できている事例を紹介頂きました。
 また、日本では、今後人口が減少し、モノもサービスも市場が縮小していくことになるが、行政は、減少する予算でインフラを維持するため、機能維持を最優先とし、施設を大幅に減らして維持費を削減する省インフラによりインフラ長寿命化を政策的に進めることになるという見解を紹介いただきました。
   省インフラの実現には、
    ・いろんな課題を知って繋ぐ人材
    ・異なる機能をシステム化していく人材
    ・モノではなく機能を中心に考える人材
 が求められており、計装屋には、そういう人が結構いるとの話を頂きました。
  今後、省インフラという新しい取り組みが普及すると、計装ビジネスの業務範囲が広がるとのお話で、計装ビジネスの更なる発展に期待が持てるご講演でした。
 最後に、ご多忙中にもかかわらず講師をお引き受けいただいた福田様に厚くお礼申し上げるとともに、講師ならびにご参加いただいた皆様の今後とも益々のご活躍をご祈念致します。

以 上

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活動報告(四国)

1. 株式会社技研製作所 高知本社工場  2. 高木酒造株式会社

活動名1. 株式会社技研製作所 高知本社工場
2. 高木酒造株式会社
実施日平成27年(2015年)2月4日(水) 8:00~17:00
場所1. 株式会社技研製作所 高知本社工場
   高知県高知市布師田
2. 高木酒造株式会社
   高知県香南市赤岡町
参加者18名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者四国地区担当幹事 土田 雅彦
1.はじめに

 高知県高知市にある㈱技研製作所の高知本社工場と、香南市にある高木酒造㈱を訪問しました。
 ㈱技研製作所は建設工事の無公害工法・機械の開発・販売を手掛けており、土木基礎工事の杭打込みでは世界トップクラスのシェアを占めています。
 高木酒造㈱は小さな蔵元ではありますが、米、水等素材を活かし地域性豊かな魅力ある日本酒造りを行い、これまで鑑評会で優秀な成績を多く収めています。

2.見学内容

(1) 株式会社技研製作所 高知本社度工場

  建設工事の無公害工法として「インプラント工法」を、無公害機械として「サイレントパイラー」を開発、販売しています。
  インプラント工法は、地盤の深い位置まで構造部材を差込む構造で、従来主流であったフーチング構造(堤防、擁壁などの構造物において、安定させる目的で基礎の部分を大きくする構造で地盤浅くに据付)よりも津波などの外力に対して高い耐力性を発揮します。フーチング構造は、常に最大容積を持つフーチング部が構造物の最下端に位置するために、仮設工事、施工面積共に膨大になりますが、一方、インプラント構造は、後述サイレントパイラーを適用した施工により、仮設工事不要で施工面積も大幅に縮小できるため、環境性、安全性、経済性にも優れて
 います。
  サイレントパイラーは、公害を発生しない圧入工法の杭打機械で、土木基礎工事での杭打込みにおいて、従来の打撃や振動で打込む工法で発生する騒音、振動等公害に対処するために世界に先駆けて開発されました。
 機械は、杭の搬送・建込み・圧入などの全作業を杭上で連続施工するのが特長です。原理は、杭を引抜く際に必要な大きな力(引抜き反力を利用て油圧で杭を押込むもので、機械下部の爪で複数の杭を掴んで反力とし、杭を押込んだり引抜いたりします。
  無公害のうえに機械は杭上を移動するため、従来工法に比べ、仮設工事や作業用地が不要となり工期短縮も図れるとともに、狭隘地等制約条件下でも施工可能で画期的な機械です。
 これら概要について、ビデオ等により机上説明していただいた後に工場内を見学しました。
 建屋内には、サイレントパイラーや他の開発した建設工事機械も実物展示されていました。
 各機械はビデオ、パネルで施工事例等が詳しく説明され見学者向けにわかりやすく工夫されていました。
 機械製造は社外委託しているので、ここには製造工場はないとのことでした。
  建設工事機械以外に、インプラント工法、サイレントパイラーで培った技術を応用した環境、景観対策となる地下開発事業にも取り組んでいました。円柱状の地下空間を利用した立体駐車場「エコパーク」や立体駐輪場「エコサイクル」です。自動で迅速な車両出し入れを可能とする入出庫システムも独自開発していました。自動車、自転車の搬送される様子を間近に見ることができ、システムの各部動き、制御に感動しました。
 どの機械、設備も独創的、画期的な発想技術であることに感銘を受けました。

机上説明
サイレントパイラー外観
サイレントパイラー施工イメージ
エコパーク外観 (地上入出庫エリア)
エコパーク (車両入出庫状況)
見学者集合写真 (エコサイクル前)

(2) 高木酒造株式会社

  高知市から東へ25km、県のほぼ中央に位置する赤岡町にある創業120余年の会社です。
  赤岡町では、毎年4月、浜辺で、地曳網でとれたての どろめ(いわしの稚魚)を味わう「どろめ祭り」と、7月に、幕末の町絵師「金蔵」の描いた屏風絵を夏祭りの夜に飾る「絵金祭り」が二大祭りとなっています。
 どろめ祭りのメインイベントでは、男女の酒豪たちが飲みっぷりを競う「大杯飲み干し大会」があり、その大杯に注がれる酒が高木酒造のお酒です。この地で代々酒造りの伝統を受け継ぎ、現在の社長は5代目となります。
  蔵内は、黒光りした丸太梁あらわしの木造造りで昔ながらの味わいを醸し出していました。
 最初に見学したタンク倉庫の扉を開けるとフルーティーな香りが一面に広がり、上等品の酒の香りを体感しました。酒造工程をわかりやすく説明していただきましたが、その中で、日本酒は、糖化と発酵を同時に行うのが特徴で、両者をバランスよく同時に進めていくのが難しいことや、独特の香りの源は酵母の作り出す香気成分に由来していることがわかりました。
 また、日本酒ベースの梅酒や梨リキュールの酒造りにも取り組まれていました。
  酒造りに掛ける情熱に感動するとともに、日本酒造りの基礎知識と奥深い魅力にほんの少しですが触れることができました。

見学者集合写真(事務所前)
おわりに

 四国地区の見学会は毎年厳冬期開催ですが、今回はそこまでの寒さはなく見学日和でした。ご参加いただきました皆様には、本会運営へのご協力に感謝しております。
今回も地元、四国地区内にある会社を見学しました。
 見学した二社は、建設機械と酒の「ものづくり」に取り組んでいました。異業種ですが、新しいことを創造し挑戦する風土があること、見学対応していただいた方のご様子から、自社に対する誇りと愛情を感じたことは両社共通でとても印象的でした。
 参加者は、地元の身近なところにもそんな優良な会社があると知ることで、刺激を受けるとともに自社、自分自身を見つめ直すきっかけになったことと思います。
 また、次回の見学会もお楽しみにお待ちください。
 最後に今回の見学会にご多忙な中ご協力いただいた㈱技研製作所の高知本社工場、高木酒造㈱の皆さまをはじめ、関係各位に厚く御礼申し上げます。
 高い技術力と強い基盤をもった企業として益々発展されますことをお祈りいたします。

以 上

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活動報告(四国)

① 『空調自動制御のチェックポイント』 ② 『ITの基礎とビルオートメーションの通信バス』

活動名① 『空調自動制御のチェックポイント』
② 『ITの基礎とビルオートメーションの通信バス』
講師
① 助飛羅 力 講師
   三機工業㈱ 建築設備事業本部 技術統括本部 技師長室 技術エキスパート
② 桧山 達哉 講師
   ジョンソンコントロールズ㈱ プロダクトマーケティング部
実施日平成26年(2014年)7月24日(木)13:30~17:00
場所サンポートホール高松 63会議室
  香川県高松市サンポート2-1
参加者21名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者四国地区担当幹事 土田 雅彦
はじめに

 四国地区では、平成26年度上期の地区活動として、7月24日に勉強会を開催いたしました。以下に概要を報告いたします。

テーマ内容

 1.空調自動制御のチェックポイント

   ① 全体
     ・設計仕様、客先仕様の有無の確認
     ・2管式と4管式
     ・計装設計図の表示
   ② 機器周り
     ・機器構成の確認
     ・冷凍機、冷却塔、ポンプ、水槽、油タンク、外気調和機、空調機まわり
     ・ファンコイルユニット ・ビルマルチエアコン
   ③ 制御弁・VAV
   ④ センサー
     ・センサーの仕様
     ・温度センサー、流量計の設置は
   ⑤ 盤・配線
     ・自動制御盤の構成は
     ・停電・瞬停時の動作は
     ・インバータのオプション設定は
     ・配線ルートは
   ⑥保守

 2.ITの基礎とビルオートメーションの通信バス

   ①IT(Information Technology)の基礎
     ・コンピュータ通信における基礎、用語
     ・プロトコル
     ・OSI参照モデル
   ②ビルの中で使われるプロトコルについて
     ・代表的なプロトコルの比較
     ・ビルオートメーション(BA)システムの概念
     ・ビルオートメーション(BA)で構成されるシステム
     ・BACnetの変遷、LonWorksの特徴・変遷
     ・ジョンソンコントロールズ・フィールドバスの比較
     ・新たな時代のオープンシステム
   ③BACnetについて
     ・BACnetの特徴、BTL(BACnet Testing Laboratories)認証のカテゴリー
     ・BACnetデバイス
   ④オープン化について
     ・市場環境・動向 スマートコミュニティの必要性
     ・市場環境・動向 次世代の社会システム構築
     ・市場環境・動向 ZBW(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)
     ・なぜオープンシステムか

助飛羅 講師
桧山 講師
勉強会の様子
所 感

 ビル空調自動制御について、各種構成機器(空調機、冷凍機、冷却塔、ポンプ、油タンク、制御弁等)の設計・施工・保守に関して留意するポイント、ならびに自動制御用ネットワークシステムのプロトコル(コンピューター言語)概要とプロトコル標準化によるオープンシステムの必要性、次世代スマート・コミュニティ(電力、再生可能エネルギー、ビル省エネ等各種ネットワークのシームレス連係)への展望をご講演いただきました。
 お二人の講師には2年前にも関連テーマでご講演いただきました。
 設計・施工・保守に関しては、トラブル事例が盛り込まれ設備施工者の視点で充実が図られました。
 最適な自動制御とするには、客先要求仕様と現場状況の正確な把握が必要であること、既存設備仕様の制約上、自動制御対応が困難な場合があることなどがわかりました。
 また、ネットワークシステムに関しては、ソフトウェアの新しい知見でした。メーカの独自仕様(クローズドシステム)からメーカ間のシームレス通信を可能とするオープン仕様に変わることで、マルチベンダ化や汎用化によるシステムコストの低減や、さらに各種ネットワークシステムがシームレスに連係することで将来のスマートコミュニティ実現への環境整備に寄与できる可能性があることがわかりました。
 最後に、ご多忙中にもかかわらず講師をお引き受けいただいた助飛羅様、桧山様に厚くお礼申し上げるとともに、講師ならびにご参加いただいた皆様の今後とも益々のご活躍をご祈念致します。

以 上

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活動報告(四国)

『プラント計装工事における設計の現状と今後』

活動名『プラント計装工事における設計の現状と今後』
講師
村重 宜宏 講師
  千代田システムテクノロジーズ㈱ 経営企画室長
実施日平成25年(2013年)7月18日(木)14:00~17:00
場所サンポートホール高松 62会議室
  香川県高松市サンポート2-1
参加者18名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者四国地区担当幹事 土田 雅彦
はじめに

 四国地区では、平成25年度上期の地区活動として、7月18日に勉強会を開催いたしました。
以下に概要を報告いたします。

講習内容

 ①プラント計装工事設計の現状(国内プロジェクトと海外プロジェクトの違い)
    ・計装工事の種類
    ・計装工事設計
    ・作成する図面とその内容
    ・計装工事設計の課題

  ②プラント計装工事設計の今後
    ・計装工事設計の体制
    ・標準化の推進
    ・eICL(Instrument Construction List)
    ・eMTO(Material Take Off)
    ・eBOA(Bulk Order Assistance)
    ・計装工事設計ガイド

  ③2D-CADの現状と今後
    ・計装設計における2D-CADの位置付け
    ・CADの歴史
    ・CADのシステム概要
    ・AutoCADとMicrostationの互換性
    ・3Dから2Dへの変換
    ・エンジニアとして知っておく事

  ④3D-CADの現状と今後
    ・3D設計の背景と今後
    ・3D事例説明
    ・3D設計のWork Flow、Activity
    ・3D設計のメリット
    ・3D設計 現状の問題点と改善案

村重講師
勉強会の様子
勉強会の様子
所 感

 プラント計装工事設計について、各種計装工事(計器室内工事、現場計器取付工事、導圧配管工事、空気配管工事、計装配線工事、ケーブル布設工事)の国内と海外の違い、ならびに今後工事設計を効率的実施かつ品質確保するための解決策(IT化、標準化等)、標準化策としてCAD活用の有効性を、カタールやサハリンでの海外LNGプロジェクト等に従事された経験に基づきご講演いただきました。
 海外での計装工事設計では、計装工事材料(安価な船輸送)の工事工程に支障ない納入および埋設ケーブルルート工事図面の早期作成(埋設ルート掘削は初期の土木工事で施工)、海外規格の理解・反映、作業員(多国籍多人数)の技量に合わせた内容がキーポイントであるが、これらが国内と随分違うことがわかりました。また、工事設計の標準化にはCADの活用が有効であること、加えて従来の2D-CADと3D-CADの双方活用により現場設備の干渉有無チェックやケーブルトレイ等計装工事の早期着手による工事量平準化にも可能性があることがわかりました。
 さらに、3D-CADはプラント建設完了後も、設備改修工事の設計だけでなくプラント運転訓練等への活用可能性が期待できることもわかりました。
 本テーマは、私達参加者が知らない海外事情やCAD活用の情報であり、興味深く、新しい知見を得られ有意義でした。
 最後に、ご多忙中にもかかわらず講師をお引き受けいただいた村重様に厚くお礼申し上げるとともに、講師ならびにご参加いただいた皆様の今後とも益々のご活躍をご祈念致します。

以 上