カテゴリー
活動報告(四国)

1. 株式会社技研製作所 高知本社工場  2. 高木酒造株式会社

活動名1. 株式会社技研製作所 高知本社工場
2. 高木酒造株式会社
実施日平成27年(2015年)2月4日(水) 8:00~17:00
場所1. 株式会社技研製作所 高知本社工場
   高知県高知市布師田
2. 高木酒造株式会社
   高知県香南市赤岡町
参加者18名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者四国地区担当幹事 土田 雅彦
1.はじめに

 高知県高知市にある㈱技研製作所の高知本社工場と、香南市にある高木酒造㈱を訪問しました。
 ㈱技研製作所は建設工事の無公害工法・機械の開発・販売を手掛けており、土木基礎工事の杭打込みでは世界トップクラスのシェアを占めています。
 高木酒造㈱は小さな蔵元ではありますが、米、水等素材を活かし地域性豊かな魅力ある日本酒造りを行い、これまで鑑評会で優秀な成績を多く収めています。

2.見学内容

(1) 株式会社技研製作所 高知本社度工場

  建設工事の無公害工法として「インプラント工法」を、無公害機械として「サイレントパイラー」を開発、販売しています。
  インプラント工法は、地盤の深い位置まで構造部材を差込む構造で、従来主流であったフーチング構造(堤防、擁壁などの構造物において、安定させる目的で基礎の部分を大きくする構造で地盤浅くに据付)よりも津波などの外力に対して高い耐力性を発揮します。フーチング構造は、常に最大容積を持つフーチング部が構造物の最下端に位置するために、仮設工事、施工面積共に膨大になりますが、一方、インプラント構造は、後述サイレントパイラーを適用した施工により、仮設工事不要で施工面積も大幅に縮小できるため、環境性、安全性、経済性にも優れて
 います。
  サイレントパイラーは、公害を発生しない圧入工法の杭打機械で、土木基礎工事での杭打込みにおいて、従来の打撃や振動で打込む工法で発生する騒音、振動等公害に対処するために世界に先駆けて開発されました。
 機械は、杭の搬送・建込み・圧入などの全作業を杭上で連続施工するのが特長です。原理は、杭を引抜く際に必要な大きな力(引抜き反力を利用て油圧で杭を押込むもので、機械下部の爪で複数の杭を掴んで反力とし、杭を押込んだり引抜いたりします。
  無公害のうえに機械は杭上を移動するため、従来工法に比べ、仮設工事や作業用地が不要となり工期短縮も図れるとともに、狭隘地等制約条件下でも施工可能で画期的な機械です。
 これら概要について、ビデオ等により机上説明していただいた後に工場内を見学しました。
 建屋内には、サイレントパイラーや他の開発した建設工事機械も実物展示されていました。
 各機械はビデオ、パネルで施工事例等が詳しく説明され見学者向けにわかりやすく工夫されていました。
 機械製造は社外委託しているので、ここには製造工場はないとのことでした。
  建設工事機械以外に、インプラント工法、サイレントパイラーで培った技術を応用した環境、景観対策となる地下開発事業にも取り組んでいました。円柱状の地下空間を利用した立体駐車場「エコパーク」や立体駐輪場「エコサイクル」です。自動で迅速な車両出し入れを可能とする入出庫システムも独自開発していました。自動車、自転車の搬送される様子を間近に見ることができ、システムの各部動き、制御に感動しました。
 どの機械、設備も独創的、画期的な発想技術であることに感銘を受けました。

机上説明
サイレントパイラー外観
サイレントパイラー施工イメージ
エコパーク外観 (地上入出庫エリア)
エコパーク (車両入出庫状況)
見学者集合写真 (エコサイクル前)

(2) 高木酒造株式会社

  高知市から東へ25km、県のほぼ中央に位置する赤岡町にある創業120余年の会社です。
  赤岡町では、毎年4月、浜辺で、地曳網でとれたての どろめ(いわしの稚魚)を味わう「どろめ祭り」と、7月に、幕末の町絵師「金蔵」の描いた屏風絵を夏祭りの夜に飾る「絵金祭り」が二大祭りとなっています。
 どろめ祭りのメインイベントでは、男女の酒豪たちが飲みっぷりを競う「大杯飲み干し大会」があり、その大杯に注がれる酒が高木酒造のお酒です。この地で代々酒造りの伝統を受け継ぎ、現在の社長は5代目となります。
  蔵内は、黒光りした丸太梁あらわしの木造造りで昔ながらの味わいを醸し出していました。
 最初に見学したタンク倉庫の扉を開けるとフルーティーな香りが一面に広がり、上等品の酒の香りを体感しました。酒造工程をわかりやすく説明していただきましたが、その中で、日本酒は、糖化と発酵を同時に行うのが特徴で、両者をバランスよく同時に進めていくのが難しいことや、独特の香りの源は酵母の作り出す香気成分に由来していることがわかりました。
 また、日本酒ベースの梅酒や梨リキュールの酒造りにも取り組まれていました。
  酒造りに掛ける情熱に感動するとともに、日本酒造りの基礎知識と奥深い魅力にほんの少しですが触れることができました。

見学者集合写真(事務所前)
おわりに

 四国地区の見学会は毎年厳冬期開催ですが、今回はそこまでの寒さはなく見学日和でした。ご参加いただきました皆様には、本会運営へのご協力に感謝しております。
今回も地元、四国地区内にある会社を見学しました。
 見学した二社は、建設機械と酒の「ものづくり」に取り組んでいました。異業種ですが、新しいことを創造し挑戦する風土があること、見学対応していただいた方のご様子から、自社に対する誇りと愛情を感じたことは両社共通でとても印象的でした。
 参加者は、地元の身近なところにもそんな優良な会社があると知ることで、刺激を受けるとともに自社、自分自身を見つめ直すきっかけになったことと思います。
 また、次回の見学会もお楽しみにお待ちください。
 最後に今回の見学会にご多忙な中ご協力いただいた㈱技研製作所の高知本社工場、高木酒造㈱の皆さまをはじめ、関係各位に厚く御礼申し上げます。
 高い技術力と強い基盤をもった企業として益々発展されますことをお祈りいたします。

以 上

カテゴリー
活動報告(四国)

① 『空調自動制御のチェックポイント』 ② 『ITの基礎とビルオートメーションの通信バス』

活動名① 『空調自動制御のチェックポイント』
② 『ITの基礎とビルオートメーションの通信バス』
講師
① 助飛羅 力 講師
   三機工業㈱ 建築設備事業本部 技術統括本部 技師長室 技術エキスパート
② 桧山 達哉 講師
   ジョンソンコントロールズ㈱ プロダクトマーケティング部
実施日平成26年(2014年)7月24日(木)13:30~17:00
場所サンポートホール高松 63会議室
  香川県高松市サンポート2-1
参加者21名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者四国地区担当幹事 土田 雅彦
はじめに

 四国地区では、平成26年度上期の地区活動として、7月24日に勉強会を開催いたしました。以下に概要を報告いたします。

テーマ内容

 1.空調自動制御のチェックポイント

   ① 全体
     ・設計仕様、客先仕様の有無の確認
     ・2管式と4管式
     ・計装設計図の表示
   ② 機器周り
     ・機器構成の確認
     ・冷凍機、冷却塔、ポンプ、水槽、油タンク、外気調和機、空調機まわり
     ・ファンコイルユニット ・ビルマルチエアコン
   ③ 制御弁・VAV
   ④ センサー
     ・センサーの仕様
     ・温度センサー、流量計の設置は
   ⑤ 盤・配線
     ・自動制御盤の構成は
     ・停電・瞬停時の動作は
     ・インバータのオプション設定は
     ・配線ルートは
   ⑥保守

 2.ITの基礎とビルオートメーションの通信バス

   ①IT(Information Technology)の基礎
     ・コンピュータ通信における基礎、用語
     ・プロトコル
     ・OSI参照モデル
   ②ビルの中で使われるプロトコルについて
     ・代表的なプロトコルの比較
     ・ビルオートメーション(BA)システムの概念
     ・ビルオートメーション(BA)で構成されるシステム
     ・BACnetの変遷、LonWorksの特徴・変遷
     ・ジョンソンコントロールズ・フィールドバスの比較
     ・新たな時代のオープンシステム
   ③BACnetについて
     ・BACnetの特徴、BTL(BACnet Testing Laboratories)認証のカテゴリー
     ・BACnetデバイス
   ④オープン化について
     ・市場環境・動向 スマートコミュニティの必要性
     ・市場環境・動向 次世代の社会システム構築
     ・市場環境・動向 ZBW(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)
     ・なぜオープンシステムか

助飛羅 講師
桧山 講師
勉強会の様子
所 感

 ビル空調自動制御について、各種構成機器(空調機、冷凍機、冷却塔、ポンプ、油タンク、制御弁等)の設計・施工・保守に関して留意するポイント、ならびに自動制御用ネットワークシステムのプロトコル(コンピューター言語)概要とプロトコル標準化によるオープンシステムの必要性、次世代スマート・コミュニティ(電力、再生可能エネルギー、ビル省エネ等各種ネットワークのシームレス連係)への展望をご講演いただきました。
 お二人の講師には2年前にも関連テーマでご講演いただきました。
 設計・施工・保守に関しては、トラブル事例が盛り込まれ設備施工者の視点で充実が図られました。
 最適な自動制御とするには、客先要求仕様と現場状況の正確な把握が必要であること、既存設備仕様の制約上、自動制御対応が困難な場合があることなどがわかりました。
 また、ネットワークシステムに関しては、ソフトウェアの新しい知見でした。メーカの独自仕様(クローズドシステム)からメーカ間のシームレス通信を可能とするオープン仕様に変わることで、マルチベンダ化や汎用化によるシステムコストの低減や、さらに各種ネットワークシステムがシームレスに連係することで将来のスマートコミュニティ実現への環境整備に寄与できる可能性があることがわかりました。
 最後に、ご多忙中にもかかわらず講師をお引き受けいただいた助飛羅様、桧山様に厚くお礼申し上げるとともに、講師ならびにご参加いただいた皆様の今後とも益々のご活躍をご祈念致します。

以 上

カテゴリー
活動報告(四国)

『プラント計装工事における設計の現状と今後』

活動名『プラント計装工事における設計の現状と今後』
講師
村重 宜宏 講師
  千代田システムテクノロジーズ㈱ 経営企画室長
実施日平成25年(2013年)7月18日(木)14:00~17:00
場所サンポートホール高松 62会議室
  香川県高松市サンポート2-1
参加者18名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者四国地区担当幹事 土田 雅彦
はじめに

 四国地区では、平成25年度上期の地区活動として、7月18日に勉強会を開催いたしました。
以下に概要を報告いたします。

講習内容

 ①プラント計装工事設計の現状(国内プロジェクトと海外プロジェクトの違い)
    ・計装工事の種類
    ・計装工事設計
    ・作成する図面とその内容
    ・計装工事設計の課題

  ②プラント計装工事設計の今後
    ・計装工事設計の体制
    ・標準化の推進
    ・eICL(Instrument Construction List)
    ・eMTO(Material Take Off)
    ・eBOA(Bulk Order Assistance)
    ・計装工事設計ガイド

  ③2D-CADの現状と今後
    ・計装設計における2D-CADの位置付け
    ・CADの歴史
    ・CADのシステム概要
    ・AutoCADとMicrostationの互換性
    ・3Dから2Dへの変換
    ・エンジニアとして知っておく事

  ④3D-CADの現状と今後
    ・3D設計の背景と今後
    ・3D事例説明
    ・3D設計のWork Flow、Activity
    ・3D設計のメリット
    ・3D設計 現状の問題点と改善案

村重講師
勉強会の様子
勉強会の様子
所 感

 プラント計装工事設計について、各種計装工事(計器室内工事、現場計器取付工事、導圧配管工事、空気配管工事、計装配線工事、ケーブル布設工事)の国内と海外の違い、ならびに今後工事設計を効率的実施かつ品質確保するための解決策(IT化、標準化等)、標準化策としてCAD活用の有効性を、カタールやサハリンでの海外LNGプロジェクト等に従事された経験に基づきご講演いただきました。
 海外での計装工事設計では、計装工事材料(安価な船輸送)の工事工程に支障ない納入および埋設ケーブルルート工事図面の早期作成(埋設ルート掘削は初期の土木工事で施工)、海外規格の理解・反映、作業員(多国籍多人数)の技量に合わせた内容がキーポイントであるが、これらが国内と随分違うことがわかりました。また、工事設計の標準化にはCADの活用が有効であること、加えて従来の2D-CADと3D-CADの双方活用により現場設備の干渉有無チェックやケーブルトレイ等計装工事の早期着手による工事量平準化にも可能性があることがわかりました。
 さらに、3D-CADはプラント建設完了後も、設備改修工事の設計だけでなくプラント運転訓練等への活用可能性が期待できることもわかりました。
 本テーマは、私達参加者が知らない海外事情やCAD活用の情報であり、興味深く、新しい知見を得られ有意義でした。
 最後に、ご多忙中にもかかわらず講師をお引き受けいただいた村重様に厚くお礼申し上げるとともに、講師ならびにご参加いただいた皆様の今後とも益々のご活躍をご祈念致します。

以 上