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活動報告(中部・北陸)

アサヒビール 名古屋工場

活動名アサヒビール 名古屋工場
実施日平成27年(2015年)2月9日(月) 15:00~17:00
場所アサヒビール 名古屋工場
  愛知県名古屋市守山区西川原町318
参加者23名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者中部・北陸地区担当幹事 加藤 順一
はじめに

 平成26年度の中部・北陸地区計装士会見学会では、アサヒビール名古屋工場を見学しました。当日は、朝から雪が舞い一旦は止みましたが、開催時刻の少し前にまた降り出し、降雪の中での開催となりました。
 今回の見学は、本工場のエンジニアリング部が管理されているユーティリティ部分を一般のコースと併せ見学させていただけました。しかし、工場内はほとんどの部分が撮影禁止のため、本報告では限定的な写真しか添付できず残念です。
 見学の後はレセプションルームで、エンジニアリング部の部長様をはじめとした、今回お世話いただいた方々との懇親会がセットされました。懇親会ではビールに関する興味深いお話も聴くことができ大変有意義でした。もちろん出来立ての生ビールもたっぷり堪能させていただきました。今回の見学は、さすがに皆さん公共交通機関での参加でした

見学会概略

  アサヒビール 名古屋工場
    1) 見学の概要説明(レセプションルーム)
    2) 一般工場見学(ビール製造ライン等)
    3) ユーティリティ設備見学(今回特別見学)
    4) エンジニアリング部の方との懇親会(レセプションルーム)
   工場見学URL
      http://www.asahibeer.co.jp/brewery/nagoya/tour/

見学報告

 (1)一般工場見学:
    案内係りの女性にビールの製造工程やミニ知識を紹介していただきました。
    この見学では、屋外にずらりと並ぶ巨大な発酵・熟成タンクと陶壁で飾られたモニュメントホール以外の設備は残念ながら写真撮影は禁止でした。
    コースでは、製造工程を順次見ながら、分かりやすい説明をしていただきました。
    ほとんどの工程が自動化され、効率的な生産がされている工場でした。品質にも気を遣い、検査の部分だけは機械任せでなく、人が目で確認する過程が存在していました。

さらに、環境にも配慮された工場で、全設備をノンフロン化した国内初の工場だそうです。

主なノンフロン化設備は冷凍機、冷蔵庫、エアコン、自動販売機です。我々の見学日は平日なので製造ラインが稼働していましたが、休日の見学では停止した設備しか見られない為、映像で製造過程が見られるような準備もされており、見学者への気遣いも感じられました。

陶壁で飾られたモニュメントホール

 (2)ユーティリティ設備見学:
    工場を運用するためのユーティリティ的設備をエンジニアリング部の方に案内していただきました。
    ここでも環境配慮に於いて、感心させられました。ビールには欠かせない二酸化炭素を大気へ無駄に発散させないよう、回収し、液化して再利用する設備が運用されていました。
   さらに。排水から発生するメタンガスを排水設備で回収し、メタンガスで燃焼するボイラーの燃料に利用されていました。
    防犯面でも管理はしっかりしており、部外者が外部から侵入できないよう、キーボックスなどのセキュリティ設備が導入され、電子化による管理がされていました。
    ビールの原料は、麦とホップと水ですが、この水には水道水と井戸水を使用するため、活性炭濾過及び、除鉄、除マンガンを行う設備も運用されていました。この処理後に薬品などの処理がされ、ビールに適した水が作られていくそうです。

おわりに

 本工場では、健康管理のために企業向けに「お酒の正しい飲み方講座」が用意されており、新入社員のマナー研修にも生かせるとのことでした。
 最後に、見学のお世話をして頂きましたアサヒビール名古屋工場のエンジニアリング部の方々に感謝申し上げます。
 尚、今回お世話していただいたアサヒビールの方が、計装士に興味を持たれ資格取得を目指されるそうです。取得できること祈願いたします。

以 上

見学参加者集合写真 (外は雪)
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活動報告(中部・北陸)

「計装士のためのビジネス&パブリックポリシー」

活動名「計装士のためのビジネス&パブリックポリシー」
講師
福田 一成 講師
アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー マーケティング本部 部長
実施日平成26年(2014年)9月26日(金)14:00~17:00
場所愛知県産業労働センター(ウインクあいち)
参加者26名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者中部・北陸地区幹事 柏原 達司
はじめに

 中部・北陸地区では平成26年度の上期活動として、上記の勉強会を開催しました。
以下、概要をご報告いたします。

概 要(項目)

 ① パブリックポリシーとは
    ・戦後の経済政策俯瞰
    ・エネルギー政策の変遷と計装のビジネス
    ・環境政策と計装のかかわり

 ② 震災後のパブリックポリシー~省エネ
    ・低炭素化
    ・節電
    ・事業継続政策と計装技術

 ③. これからの政策~省インフラとは

 ④. 動き始めた省インフラ政策

 ⑤. 次世代計装技術の展望

講習風景

所 感

 講演のタイトルは、聴講する人達に、その講演で何を伝えたいかを表す最初の短い発信文であり、講師の意とする部分を端的に表していると思います。ビル、又はプラントのどちらを担当しているか、何の職種を担っているかによって、今回の講演から受けたものは違うと思いますが、タイトルの「計装士のためのビジネス&パブリックポリシー」を一見して“何?”と思われた方も、講演後にはなるほどと思わせる中身の非常に濃いものでありました。
 我々の業務は、単に装置(システム)をコントロールし、その計測により状況を的確に捉え更に最適な環境、システムを作り上げることから、常にパブリックポリシー(政策)を意識した「計装」へと進んでおり、BASとして快適環境への制御を主体とした時代からエネルギー政策や環境を支えるBEMSへと、又、BCP(事業継続計画)を構成するに当たり欠かせない機能を提供するための制御へと進化していると解説されました。
 インフラに対する考え方も、システムが広範囲に肥大化していくものへの対応から、長期にわたる維持・継続を見据えたコンパクト、多機能化、長寿命化などによる省インフラ、公共施設の適正配置、コンパクトシティに向けた都市再生型の対応へと転換が今後進められていきます。又、EV充(放)電システムの設置方法についての解説は、我々の身近に有る電気自動車がスマートグリッドにおける機能であり、パブリックポリシーに関連し繋がっているということで、BASが自分の生活環境の一部にもあるのだということを認識させてくれました。
 今回は、BASがいかにパブリックポリシーの一翼を担っていくか、プラント技術者には少々難しかったかも知れませんが、“次回も是非参加したい!“との意見もあり、視野を広く大枠として「計装」をとらえた場合の知識習得には大変に有意義でありました。
 最後になりましたが、講師の福田様にはご多忙中にもかかわらず、幅広いご活躍の中から貴重な講演を頂き大変にありがとう御座いました。今後とも更なるご活躍をご祈念いたします。

以 上

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中部電力株式会社「へきなんたんトピア」

活動名中部電力株式会社「へきなんたんトピア」
実施日平成26年(2014年)1月24日(金) 12:30~17:00
場所中部電力株式会社「へきなんたんトピア」
  愛知県碧南市港南町2-8-2
参加者16名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者中部・北陸地区担当幹事 池上 幸男
1.はじめに

 中部・北陸地区の平成25年度の見学会は,石炭火力としては国内最大,世界でも最大級の発電出力を誇る発電所の「へきなんたんトピア」の発電所内ツアーを行いました。
 「へきなんたんトピア」は,電力館,ヒーリングガーデン,エコパークからなる複合施設です。
 発電所ツアーでは,ボイラ最上階および石炭ミル近傍・中央制御室から貯炭場を見学しました。

2.見学内容

  碧南火力発電所は,名古屋市の南,矢作川の河口付近の衣浦湾に面する碧南市に位置し,三河湾の青い海に浮かぶヨットを建屋にモチーフとしてデザインされた建物がたくさん並ぶ大きな発電所です。
 電力館の館長より発電所の概要や環境対策等の説明を受けました。

 中部電力管内で現在唯一の石炭焚き発電所として石炭燃焼ボイラ等の発電設備5ユニットから構成されています。1号から3号までは70万kw 4号・5号が3,600回転機として世界初の一軸型100万kwを採用しています。

たんトピアホールでの発電所概要説明

 石炭火力といっても最近は石炭だけでなく「バイオマス混焼」として間伐材を利用した「木質バイオマス燃料」と下水汚泥を炭化した「下水汚泥炭化燃料」を一定割合混合して燃焼させる,低炭素社会の実現に向けた取り組みも行っているそうです。
 また,発電所設備の大きなエリアに設置された環境保全設備としての,「排煙脱硝装置」,「乾式・湿式集塵器」,「排煙脱硫装置」の役割や副生物の有効活用方法等環境への負荷を少なくする取り組みについても説明を受けました。
 世界では,石炭を燃料とする発電量比率がかなり高く,日本発の環境保全機能を広く活用することでまだまだ石炭火力発電所の役割は大きなものだと思われます。

 発電所設備見学ツアーは,まず4号ボイラ最上階です。
 地上からの高さ80メートルの屋上から目につくのは,広大な三河湾と緑の多い周辺の景色です。
 高さ200メートルの3本集合と4本集合の煙突,それに向かって右の奥の方にきれいな青い遮風フェンスに囲まれた「貯炭場」とそこから延びる白い長い帯状の「ベルトコンベア室」。
 これはベルトコンベアで運ばれる石炭の粉末の飛散防止のために密閉された部屋で,全長数数百メートルになります。
 1号~3号用のベルトコンベアは地上からボイラトップに近い位置までスロープで繋がっています。4・5号用はユニット近傍で垂直に運ばれるそうです。   

4号ボイラ最上階から付帯施設を見る

対岸には,中部電力武豊火力発電所の煙突もうかがえます。武豊火力発電所は老朽石油焚き火力であるが昨今の電力事情により稼働しているようです。
 反対側には,電力館の建物やヒーリングガーデン・エコパークが眼下に見学出来ます。
 貯炭場と反対側に位置する大きなエリアには「灰捨地」があり,トラックが忙しそうに行き来しています。
 ボイラ屋上に設置されている太い配管を横目に見ながらボイラ建屋3階の石炭粉砕機である「微粉炭機=ミル]の見学が出来るエリアへ移動します。

 「ミル」は,大きなロータにより石臼で石炭を小麦粉位の細かさに砕きます。
 ベルトコンベアで運ばれバイオマス燃料と混ぜられた石炭は,「バンカ」に溜められ「給炭機」で石炭量を制御され「微粉炭機」の中央部分から配管で石臼の中に供給されます。
 細かくされた石炭は,燃焼用空気でバーナーに送られ燃やされます。

中央制御室は,3号(平成5年営業運転開始)と4・5号の増設に伴い平成13年・14年に拡張され,3方向に向けて制御盤が並んでいます。 

設置された年代が違うためにユニットの制御方法が大きく変化したのが,主盤と副盤の大きさの比で如実にわかります。

 3号は,副盤が3面になっていますが,4号・5号は,1面になっています。また,3号の副盤は横から内部に入り作業が出来るように扉が設けられていますが,4号・5号はそうなっていません。密閉された箱です。
 主盤も4号・5号は,モニタが5台設置され1名で監視・操作していますが,3号は,モニタと思われるものは1台で,運転監視端末として液晶モニタが3台を2名の運転操作者で対応していました。

 バスに乗車し貯炭場の見学に出発です。エリアが離れているので一般道で変電所設備やバイオマス燃料の混入設備を眺めながら貯炭場のゲートへ向かいます。
 管理のために入所手続きを行い,遮風フェンスの中の高台(津波避難場所の説明あり)の見学場所へ階段を上がります。

 ほとんど風を感じない中で説明を受けます。

石炭の大きな畝が5本と若干高さが違う畝1本が,面積約300,000平方メートルの中にあり,最大貯炭量として880,000トンを蓄えることが出来るそうです。
 5本の畝は,平地に山状に積み上げて貯炭しますが,1本は4号・5号用として利用されますがエリアの関係で貯炭量を確保するために半地下式になっているそうです。

 専用船の三州丸が着 岸して「アンローダ(揚炭機)」で石炭の陸揚げを行っていました。
 受入コンベアでそれぞれの畝に運ばれ「スタッカ(積付機)」で山状に積み付けています。
 また,一番手前の4号・5号用では,「門型リクレーマ(払出機)」が大きなシャベルを回転させながら石炭をベルトコン ベアに落とし込んでいます。
 足元を流れるベルトコンベア1条には,シャベル一杯分と思われる小型車位の山が連続して流れていきます。

貯炭場
3.おわりに

 今回は,午後から半日と短い時間での見学会として1箇所のみとしました。
 石炭火力発電所は近年ベース火力として活躍しているので計装士会の皆さんに見ていただくことで,近い将来設置されるかも知れない石炭焚き発電所の工事に携わる時の知識として頂ければ,会の活動に協力していただけるのではないかとも考えて計画しました。
 また,今回の見学会にご協力いただいた関係各位に感謝し御礼を申し上げます。

以 上

ヨットイメージの発電所前で見学参加者集合写真
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活動報告(中部・北陸)

①「空調自動制御のチェックポイント」 ②「ITの基礎とビルオートメーションの通信バス」

活動名①「空調自動制御のチェックポイント」
②「ITの基礎とビルオートメーションの通信バス」
講 師
① 三機工業株式会社 建築設備技術本部
   副本部長 助飛羅 力(すけひらちから)講師
② ジョンソンコントロールズ株式会社
  プロダクトマーケティング部 桧山 達哉(ひやまたつや)講師
実施日平成25年(2013年)9月26日(木)13:30~17:00
場所名古屋国際会議場 3F
愛知県名古屋市熱田区熱田西町1-1
参加者26名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者中部・北陸地区幹事 杉村 拓史
はじめに

 計装士会中部・北陸地区では平成25年度上期の活動として、平成25年9月26(木)上記の勉強会を開催しました。
 以下、概要をご報告いたします。

概 要

  1) 挨拶ならびに講師紹介
  2) 前半  ・空調自動制御のチェックポイント
  3) 後半   ・ITの基礎とビルオートメーションの通信バス
  4) 質疑応答

講義内容

 前半は空調自動制御における設計仕様書の作成ポイント、現場でのトラブル対応のチェックポイントなど具体例を挙げ現場担当者向けのわかりやすい講義をしていただきました。
後半はITの基礎とビルオートメーションの通信バス、通信の用語、BAC netの概要などをわかりやすく説明していただきました。
 ITの用語はやたらとカタカナ文字が多く使われており意味も分からず使用している方も多いが今回の説明でよく理解していただけたと感じています。
 技術革新は日進月歩でされており、我々の業界にも少なからず影響を与えてきました。
 製品が次から次へと改良されてきており設備環境も変化してきております。

まとめ

 今後もこうした勉強会を開催し、新しい情報を提供して計装士会の皆様の技術向上にお役に立ちたいと思います。
 日本の産業は明治以降海外から技術を導入し、発展してきました。その時代を創ってきた技術者が言っています。設計も大事だが、施工能力も必要な技術だ。施工技術者は施工時間、施工日数をいかに短縮させるかは施工担当者の重要な仕事だと。
 安全に作業をして作業者を守り、余った時間を自分の人生のために使う。
 そうすればみんなが豊かになれると、私たち、技術者は技術を通してその国の文化を創るんだとも言っていました。
 会社の利益を追求するだけが目的ではありません。人々を幸せにするために技術はあると思います。

講習風景
おわりに

 今回の勉強会にあたって貴重な資料をご提供していただきまして、講師の方には深く感謝いたします。

以 上