活動名 | 『在室者の気持ちに寄り添う新しい空調計装の世界』 講師 アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー マーケティング本部 シニアアドバイザー 福田 一成 講師 |
実施日 | 令和元年(2019年)11月15日(金)14:00~17:00 |
場所 | ㈱九電工 福岡支店 1F 多目的ホール |
参加者 | 28名 |
主催 | 計装士会 |
協賛 | (一社)日本計装工業会 |
報告者 | 九州・沖縄地区担当幹事 今吉 俊博 |
はじめに
九州・沖縄地区では令和元年度の活動として、11月15日(金)に上記内容にて勉強会を開催致しました。
以下に概要の報告を致します。
講演風景
講演内容
テーマ 『在室者の気持ちに寄り沿う新しい空調計装の世界』
~個々人の温冷感による空調制御や3次元温熱環境可視化の最新動向~
1.ビル空調における温冷感制御の新しい波
オフィス利用者と空調システムのコミュニケーションの基本は温度設定で、この操作そのものが人の温冷感を捉える情報と考えらる。壁のセンサではなく、人を中心に考え、その人がどう感じているかの情報(温冷感申告)で制御する。それは制御により温冷感の「おもてなし」と言える。
2.新しい空調計装のためのBEMS要素技術
クラウドサービスの特徴を生かすことにより、従来のBEMS機能には無かった新しい価値を提供できる。
ビル向けクラウドサービスは、クラウドでエネルギー管理・設備管理・テナントサービス機能を提供する。
3.パーソナル温冷感情報による空調制御
室内温熱制御において温度設定は最重要ファクターである。しかし従来の温度設定方法には、温度設定の開放と壁設置型設定器の課題があった。
そこで、クラウドBEMSなどのプラットホームが整備できたので温冷感申告データより様々な効果的な制御が可能になった。
温冷感申告空調の工夫
・過剰冷暖設定への対応
・過剰冷暖設定への対応
・申告判別
・環境による判別
・時間帯による判別
4.さらに気遣いあふれるおもてなし制御
IT化された空調制御システムでは各VAVの開度情報はすべてBEMSに集約でき、VAVの合計風量が把握でき、VABの全閉制御が可能になる。
1)VAV合計風量による給気温度と全閉・最小開度変更制御
2)VAV全閉に対する温冷感申告への対応
3)冷暖同時要求に単一ダクトVAV方式で対応する制御
4)冷暖フリーVAV制御の実証実験
5.温冷感申告でさらなる快適を提供するこれからの展望
人は「温度一定の環境」よりも「周期的に変動する環境」の方が、満足感を得られる特徴がある。
申告方式では、温度を一定に制御しなければならない制約がないため、周期的に環境を変動させることも可能で、満足感を得られ易い環境を構築できる。
所 感
今回の勉強会では、クラウドBEMSなど最新の空調制御に関する実情や動向について興味深く学ぶことができました。
ご多忙中にもかかわらず、講師をお引き受けいただきました福田講師に厚くお礼申し上げるとともに、今後とも益々のご活躍をお祈り申し上げます。
以 上