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活動報告(九州・沖縄)

玄海エネルギーパーク他見学会

活動地区九州・沖縄地区
活動名   玄海エネルギーパーク&唐津バイオマス発電所見学会
実施日令和7年2月27日(水) 9:00~17:00
参加人数10名
主 催計装士会
報告者計装士会 九州・沖縄地区 
代表幹事 今吉 俊博

1.はじめに

  今年度の九州・沖縄地区の施設見学会では、九州北部の佐賀県唐津市周辺にある2つの発電所を見学させてもらいました。

  一つは原子力発電所(※1)であり、もう一つはバイオマス発電所です。これらの発電所は全く異なる熱源で稼働していますが、いずれも発電時のCO2排出がほとんどない(※2)という特徴を持っています。

  両施設は近年何かと話題に上がることが多い発電所ですが、見学、説明や質疑応答を通して施設の詳細を学び、参加者の皆様の知見がさらに深まったことと思います。

※1:玄海原子力発電所は隣接する展示施設「玄海エネルギーパーク」を見学しました。

※2:建設時、燃料輸送時などは除く。

バイオマス発電所はカーボンニュートラルで実質排出しないという意味で。

2.見学内容

 (1)玄海エネルギーパーク

  玄海エネルギーパークは、玄海原子力発電所に隣接する施設で、原子力のしくみや安全性、放射線などについて楽しみながら学ぶことができる施設です。

この施設には、地下1階、地上4階の吹き抜け空間にそびえる、高さ約13m、内径約4.4mの実物大の原子炉模型があります。内部には、大型モニタが組み込まれており、原子炉の働きや原子力発電のしくみを分かり易く紹介していました。

  さらに、玄海原子力発電所では、福島第1原発の事故以降、従来の安全対策に加え新たな安全対策を導入し、緊急時対応能力を強化しています。この安全対策について、多くの時間を割いてご説明頂きました。

新たな安全対策:防火帯の新設、救急時対策棟の建設、可搬型設備の導入(大容量空冷式発電機・可搬型ポンプなど)、電気式水素燃焼装置など

 玄海原子力発電所の概要

 1号機 (廃炉中)2号機 (廃炉中)3号機4号機
電気出力55万9千kW55万9千kW118万kW118万kW
原子炉方式加圧水型軽水炉(PWR)
出力165万kW165万kW342万3千kW342万3千kW
燃料低濃縮ウラン燃料、 MOX燃料低濃縮ウラン燃料
運転開始1975年1981年1994年1997年
エネルギーパーク全景(九州電力㈱HPより)

玄海原発の全景を眺めながら安全対策の説明

燃料棒の説明状況
原子炉の実物大模型

(2)唐津バイオマス発電所

  1)概 要

   唐津バイオマス発電所は、唐津市西部の市街地にある丘陵地に2021年1月より建設されており、見学当日は2025年3月の運転開始を目指して試運転の真最中でした。

        

    設 備 容 量:49.9MW

    想定年間発電量:約35,000万kWh

           (一般家庭約11万世帯の年間使用電力量に相当※施設HPより)

    発 電 効 率:約40%

    燃     料:木質ペレット、パーム椰子殻(PKS)

    ボ  イ  ラ:循環流動層ボイラ

    復  水  器:空冷式復水器

    発 電 事 業 者:合同会社唐津バイオマスエナジー

    連 携 電 圧:66kV

    系 統 接 続 点:九州電力送配電株式会社 唐津変電所

            ※約1.7kmの自営線により接続

   

発電所の概要説明
中央制御室
空気式復水器の下部
ボイラー架構より復水器方面

2)燃 料

  唐津バイオマス発電所の燃料は、木質ペレット、パーム椰子殻(PKS)の2種類で、バイオマス燃料100%で運転しています。

  燃料は、唐津港に陸揚げされ、発電所までの約5kmの道のりを専用コンテナに詰められて運搬されます。

  一日の燃料消費量は約600~700tで、運搬されるコンテナは約20t入ることから、1日に30~35箱を消費します。

燃料コンテナより投入ホッパーへの投入状況

 

3)安全対策

  燃料の木質ペレットは、単体で使用するとコンベア移送中などに一部が粉化し、それが舞い上がることで粉塵爆発が起こった事例があるとのことです。そこで、粉塵爆発を防止する目的で粉化し難いPKSを混ぜて、混焼運転が行われています。

  燃料サイロは、木質ペレット用とPKS用の2基あり、下部の払出部にはインバータ制御の排出装置が設置されています。この装置により、木質ペレットとPKSの排出量を任意に設定でき、目的に割合で混合できるよう制御されています。

  また、燃料サイロの火災対策として、酸素を遮断するための窒素発生装置が備えられています。この装置は、空気中より窒素を連続的に取り出し、鎮火するまで連続的に注入し続けることができます。

  さらに、燃料の発酵などによる自然発火を防止する目的で、燃料バンカ内に複数の温度計を設置し、燃料の温度を常に監視しています。

4)用 水   

  発電所は唐津市の住宅地に隣接しており、周辺に工業用水源がないため、大量の取水が地域の給水に影響を及ぼさないよう、用水のほとんどを循環処理して使用しています。

このため、発電所の規模に対して純水装置は比較的小さく見えました。また、見学時の試運転期間中は、必要な用水を給水車での給水で対応し、排水についても試運転中に発生した排水は仮設プールを設置して処理を行っていました。

燃料バンカーに取付けられた窒素発生装置

5)地域密着と周辺環境への配慮

  先に述べた通り、発電所は住宅街が近くに位置しており、周辺住民の方からのご理解を頂くため、周辺環境への配慮と地域住民の方との交流活動を重視していました。

  周辺環境の配慮の具体例として、復水器ファンからの騒音を抑えるために制限を設け、それを超えないよう設備の改修を実施。また、燃料運搬についても、最短ルートではなく、遠回りでも最も安全と考えられるルートを選定していました。

  さらに、地域交流活動にも積極的で、建設中の段階から地元の高校で再生可能エネルギーとバイオマス発電所について講義を行うなどの取り組みを進めていました。また、地域とのつながりを深めるため、敷地内で秋祭りを開催するなどの活動も行っていました。この秋祭りは、所長の加藤様が過去に住んでいた地域の工場でこのような地域交流行事があり、それに感銘を受け発案したものだそうです。

唐津バイオマス発電所内にて集合写真

3.おわりに

  今回の施設見学会では、2つの異なる方式の発電所を見学させて頂きました。

  玄海原発では、安全基準を満たすよう対策を着実に実施していることが、目で見て分かるかたちでご説明頂き、報道されているような強固な安全対策が実際に行われいることが実感できました。なお、原発内も見学可能でしたが、時間の制約により今回は取りやめました。今後、機会があれば原発内部の見学にも参加してみたいです。

  唐津バイオマス発電所では、試運転中にもかかわらず施設見学にご対応頂き、深くお礼申し上げます。また、周辺住民の方々にご理解を頂くため、積極的に地域と交流している姿は、他の発電所では見たことが無く、大変印象的でした。

  最後に、今回の見学会にご協力いただいた玄海エネルギーパークの方々、唐津バイオマス発電所にてご説明頂きました加藤所長様及び施設の方々、計装士会をはじめ関係者の方々に感謝し御礼申し上げます。

【余 談】

  玄海エネルギーパークにて、「6Wh(核燃料ペレット1個の100万分の1のエネルギー)を発電するには、自転車を何秒こげば達成できるか」というゲームがありました。施設内を案内してくださったスタッフの方によると、このゲームのこれまでの最高記録は、19秒とのこと。しかし、筆者は見事16秒を達成し、「過去最高」をマークしました! (スタッフの方の記憶内において)

発電体験ゲーム機
発電達成時間記録装置

【執筆者】

今吉 俊博

株式会社九州電力

技術本部 電気技術部 電気技術二課   電気プラントチーム 副長

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活動報告(近畿)

非破壊検査の原理等 勉強会

活動名勉強会「非破壊検査の原理等」
実施日令和7年(2025年)2月20日(木)13:30~15:00
講 師北坂 純一 
非破壊検査株式会社 技術本部 安全工学研究所 副所長
場 所非破壊検査株式会社ビル
大阪市中央区久宝寺町2-3-6
参加者9名
主 催計装士会
報告者近畿地区幹事 大久保 精之
  • はじめに

令和6年度近畿地区の活動として、2月20日に上記勉強会を開催しましたので、以下に概要を報告いたします。

  • 非破壊検査概論について

(1)非破壊検査とは

非破壊検査とは”物を壊すことなく”その欠陥や劣化の状況を調べ出す検査技術のことをいいます。原子力発電所からビル、鉄道、橋、地中埋設物にいたる社会資本すべてが対象です。超音波や放射線、レーダーなど最新の装置と技術を駆使し、予防保全、有効活用へ役立てられます。

非破壊検査には多くの資格が必要で、同社では社員数600名に対して有資格延べ人数が8200名と1名あたりに10種類以上の有資格者となっている。また、検査対象物が現地現物であり検査機器によっては重いものもある。高所作業や体力を必要とする検査があるとのことでした。

(2)非破壊検査の分類

(3)検査の原理と特徴の例

 ①磁気探査試験

強磁性体を磁化した場合に、表層部に磁束を妨げる欠陥が存在するとき、外部空間に漏れ磁束を生ずる。この漏洩磁束によって吸着された磁粉模様から表層部の欠陥を検出する方法である。

特徴としては

  • 磁石に吸引される強磁性材料にだけ適用できる。
  • 表面および表面直下の欠陥を検出できる。
  • すべての方向の欠陥を検出するためには、少なくとも2方向の磁化操作が必要となる。
  • 欠陥深さはわからない。

 

 ②浸透探傷試験

表面に開口している欠陥を、容易に目視できるようにするために、毛管現象及び知覚現象を利用し、より拡大した像にして指示模様を知覚する方法である。

特徴としては

  • 多孔質でなければ、金属でも非金属でも適用できる。
  • 内部が空洞で表面が開口している欠陥が検出できる。
  • 一回の操作であらゆる方向の欠陥を検出できる。
  • 指示模様から欠陥の幅、深さをもとめることは出来ない。

その他の詳細や検査方法は同社のホームページを参照してください。      https://www.hihakaikensa.co.jp/map.html

【執筆者】

大久保 精之

住友電設株式会社    

技術本部 技術部 技術課 主席

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活動報告(関東・甲信越)

東京都多摩市 KDDI MUSEUM 見学会

活動名見学会
実施日令和6年(2024年 12月10日(火) 14:00~16:30
場 所東京都多摩市 KDDI MUSEUM
参加者11名
主 催計装士会
報告者企画・研修委員 稲生 充

1.はじめに

今回は、KDDI株式会社 殿の施設、『KDDI MUSEUM』及び『KDDI ART GALLERY』にて、参加者11名で見学会を開催しました。『KDDI MUSEUM』では、日本の国際通信のはじまりから、5Gが普及している現代まで、通信技術発達の歩みについてご説明いただきました。また、『KDDI ART GALLERY』では、先端技術を融合させた新しい芸術鑑賞を体験する事ができました。

都心近くでの開催という事もあり各参加会員に移動への負担がかかる事もなく、短時間で有意義な見学会を開催する事が出来たと感じております。

2.見学会内容

 KDDI MUSEUM   

  通信技術の歴史

モールス信号から始まり、短波、長波送信技術、同軸通信、衛星放送、光ファイバー通信、現在は6Gと呼ばれる大容量で高速通信が可能な時代まで発展を遂げてきた。日本初の通信は1854年日本に来航したペリーにて献上品として持ち込まれたエンボッシング・モールス電信機である。送信側の電信機上の電鍵でモールス符号を打つと、受信側の電信機の紙テープにエンボス(凹凸の傷がつく)されて、信号を送ることができるようになっている。また、モールス鍵盤鑽孔機により、文字キーをたたくと、その文字に相当するモールス符号の孔を紙テープに開けることができる。それまで杵鑽孔機で一つ一つ孔をあけていたが、文字キー操作により素早く孔を開けれるようになったため、効率が格段と向上した。1969年のKDD長崎国際電報局の閉局まで使用されていた。

モールス信号鍵盤鑚孔機

1888年(明治21年)ドイツの物理学者ヘルツ(Heinrich Rudolf Hertz)が電波の存在とそれが空間を伝わることを実験により確認すると、電信線を使わずに電波によって通信を行う研究が進められるようになった。電波は波長が長い(周波数が低い)ほど遠距離まで届きやすく、かつ障害物の後ろ側にも回り込みやすくなる。一方で波長が短い(周波数が高い)ほど直進性が高くなるが、中波や短波は大気上層にある電離層で反射して、地上の遠いところまで伝わる性質がある。また短波通信を支えたのは真空管の技術発展によるものである。真空管は、電流の制御や増幅を行う事が出来る電子管のことで、限りなく真空状態に近いガラス管のなかに、フィラメントと電極をおさめた構造となっている。フィラメントに電流を流すと熱電子が発生し、電極に向かって移動する。この作用を利用して、整流や電流の増幅・制御を行う事ができる。真空管を使うと電波を効率よく安定的に送受信できるため、送信機では安定した持続性の高い電波を発生するための、また受信機ではより感度の高い検波を行うための要のデバイスとして、短波通信を支えた。

有紐交換台

第二次世界大戦後、限りある周波数を効率的に使用し、高い通信品質で日本の国際社会復帰を支えることが、新しく設立された国際電信電話株式会社(KDD)の使命であった。短波国際電波回線の交換台としては、有紐交換台が使用された。短波通信による電話回線は、フェージングやデリンジャー現象、混信の為に不安定で、自動交換に必要な交換信号を誤りなく相手局に伝えることが難しいため、交換はすべて手動で行われていた。オペレータは、回線が接続された後も会話がスムーズに行われているかどうかを監視し、フェージングや混信などにより会話が進行しないときには、その都度、課金時計をストップしてその時間を料金から除く作業が必要であった。

1990年頃になると、インターネットが世界的に広く使われはじめ、日本でも多くの海底に光ファイバーが引かれ、その重要性は年々増している。海底ケーブルの修理作業は、障害が発生した場所でケーブルを引き上げ、船上で光ケーブルを繋ぎ直して、ケーブルを再び沈めるという工程で行っている。その接続にはユニバーサルジョイント技術により接続されている。製造メーカによって構造が異なる光ファイバーの相互接続が可能となっている。コアの中心軸がずれないように融着を行うため、1本のケーブルを接続するのに準備を含めて12時間以上も要する。海底ケーブル障害位置の算出には電圧測定や光信号測定により、海底ケーブル陸揚局からのおおよその距離を算出している。

4.おわりに

AIの普及やデータセンターの急速的な拡大により、近年における通信技術の重要性は増していることもあり、今回はKDDI殿KDDI MUSEUMでの見学会を企画しました。多くの展示品、パネルと共に、KDDI殿に丁寧にご説明いただいた事で、過去の通信技術から現代の光ケーブルや衛星通信など、これまでの歴史について学ぶことができ非常に有意義な見学会となりました。ご参加いただいた皆様にも、何か得ることがあったのであれば幸甚です。

最後に今回の見学会にご協力いただきましたKDDI MUSEUMの関係者皆様に厚く御礼申し上げます。

【執筆者紹介】

稲生 充(いのう みつる)

太平電業(株)工事本部 

火力管理部 電装課 課長

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活動報告(中国)

中国地区見学会の報告「やまだ屋&オタフクソース」

活動名工場見学会
実施日令和7年(2025年)1月24日(金)9:00~16:00
場 所1) やまだ屋 おおのファクトリー
2) オタフクソース Wood Egg館
参加者16名
主 催計装士会
報告者
計装士会 中国地区代表幹事 本岡 武志

 昨年に引続き、計装士会活動に於いて工場見学を実施しました。午前中はやまだ屋 おおのファクトリーさんを見学、午後はオタフクソース広島本社を訪問しました。

(1)もみじ饅頭のやまだ屋おおのファクトリー見学

やまだ屋の歴史についての説明
もみじ饅頭の生産ライン
やまだ屋 おおのファクトリー玄関前にて

(2)オタフクソース工場の見学

オタフクソースの生産ライン
Wood Egg館
オタフクソースWood Egg館玄関前にて

工場見学

 まず、生餡や生地作りから、焼成、包装、刻印までの工程を映像にて説明され、続いて実際のもみじ饅頭製造工程を見学させて頂きました。

 ソースの詰め込み工程のから出荷までの工程を見学、工場の香りを合わせて体験実際のソースの香りがすごく印象的でした。おこのミュージアムの見学でお好み焼きの歴史を体験することが出来ました。

見学を終えて

 やまだ屋 おおのファクトリー・オタフクソース本社のスタッフ方々には丁寧な説明をして頂き、大変感謝しております。

 もみじ饅頭の歴史、製造方法の工夫を学ぶ事が出来ました。 

 また、オタフクソース本社ではソース製造ラインを見学、Wood Egg館ではお好み焼きの歴史について学ぶ事が出来大変有意義な時間を過ごす事が出来、無事に見学会が終了できました。

【筆跡者紹介】
本岡 武志(もとおか たけし)
株式会社 中電工
技術企画部
工場工事課 課長

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活動報告(四国)

 四国地区勉強会の報告「光ファイバーと計装工事」

活動名   勉強会 光ファイバーと計装工事
実施日令和6年11月13日(水) 14:00~16:30
場 所サンポートホール高松 ホール棟 6階
講 師講師:槇野 泰((株)ネットアルファ 常務取締役)
実演:小西 治彦(全国情報配線技能士会 理事)
参加人数25名
主 催計装士会
報告者計装士会 四国地区代表幹事 土居 一岳

四国地区では、令和6年度下期の地区活動として、11月13日に勉強会を開催いたしました。

以下に概要を報告いたします。

講習内容

テーマ:『光ファイバと計装工事』

現代の社会において光伝送技術による高速情報ネットワークは欠かすことが出ない

状況にあり計装関連の制御・監視システムにおいても同様であります。

今回はシステムの根幹となる光ファイバについて通信概要や光の性質、関連する基礎知識や施工に関する注意事項など多岐にわたり、専門的な見地から丁寧に解説、ご教授頂きました。

・光ファイバの性質、原理、特性、分類

・光ファイバ芯線の呼称と規格

・光ファイバケーブルの表示

・光ファイバの接続<実演含む>

・光ファイバの応用分野、施工、保守、運用

・光ファイバの曲げによる損失変化<実演>

所 感

今回『光ファイバと計装工事』をテーマとして、光伝送理論の歴史から光ファイバの概要、施工・保守など運用に関するポイントや製作メーカー毎の相違点まで細かくご教授頂くとともに、融着や曲げによる損失等興味深い点についても実演頂き大変勉強になりました。また身近な使用例(高松市 光の広場)も紹介頂いたことで今後新たな目線で接するきっかけになったと思います。

ご多忙中にもかかわらず、講師としてご説明・ご解説を頂きました槇野様、小西様両名に厚く御礼申し上げるとともに、ご参加頂いた皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。

以上

勉強会の様子(左)小西講師(右)槇野講師
全体の様子

四国計測工業(株)

エネルギー・環境事業本部 エネ環統括部 

管理課 管理課長 土居 一岳

【執筆者】
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活動報告(九州・沖縄)

九州・沖縄地区勉強会の報告「光ファイバーと計装工事」

九州・沖縄地区担当幹事

今吉 俊博

活動名勉強会「光ファイバーと計装工事」
実施日令和6年(2024年)9月30日(月) 13:30~15:30
場 所(株)九電工 福岡支店 1F 多目的ホール
講 師講演 槇野  泰 
   株式会社ネットアルファ 常務取締役
実演 小西 治彦 
   全国情報配線施工技能士会 理事
参加者会場:23名
Web:22名  計:45名 
主催計装士会
報告者九州・沖縄地区担当幹事 今吉 俊博

1.はじめに

 計装士会 九州・沖縄地区の活動は、新型コロナウィルスのパンデミックにより長く中断していましたが、昨年度(令和5年度)より施設見学会をまず再開し、今年度より勉強会についても再開いたしました。今回の勉強会は、パンデミック直前の令和元年度以来、5年ぶりの開催となりました。

 テーマに関しては、他会場で大変好評いただいている光ファイバに関するものを選定し、ご参加頂いた方々におかれましても、大変ご興味をもってご受講頂けたのではないかと思います。

2.勉強会概要

1)光ファイバの原理、特性、分類

 ①基本構造

  光の通路コアと、光を封じ込めるクラッド  により構成(屈折率 コア>クラッド)

槙野講師による講演風景

②光ファイバの損失

 〇光損失

 ・散乱損失・吸収損失・境界面での散乱と曲 がりによる損失

 〇伝送帯域

  ・モード分散・材料分散・構造分散   ③光ファイバの分類

  ・材料構成による分類

   石英系ファイバなど6種

  ・屈折率分布による分類

   大きく分けてMMとSM

  ・屈折率分布による分類

   SI、GI、SMの3種

講演風景

④光ファイバ芯線の呼称と規格

 ・ISO/IEC 11801 

  MM:OM1~5の5種、

  SM :OS1、OS1a、OS2の3種

 ・JIS C 6820他

 ・Ethernet規格

⑤光ファイバケーブル表示

 メーカーごとに表記が違う。

2)光ファイバの接続と試験(実演)

 ・融着作業の実演

 ・融着器による芯線の判別

 ・異種芯線で融着

3)光ファイバの施工・保守・運用

  ①施工上の注意点

  ・衝撃に弱い                                        

  ・繰り返し曲げで脆性破壊する

  ・急峻な曲げで損失増加

  ・張力により破断する

  ・敷設中 仕上外径の20倍以上

  ・固定時 仕上外径の10倍以上

  ②施工上の確認、試験

  ・外観検査

  ・OTDRによる損失測定(実演)

4)光コネクタ                    SC、FC、MTなど多種多様 

小西講師による実演風景

3.さいごに

 今回の勉強会では、光ファイバに関する講義に加え、融着作業、減衰試験などの実演を交えることで、大変興味深いものになったのではないかと思います。

  この勉強会によりご参加頂いた方々の光ファイバに関する知識が深まり、今後の業務へ少しでもお役立て頂けたら幸いです。

 さいごに、お忙しい中ご講義、ご実演を頂きました槇野 泰様、小西 治彦様に深くお礼申し上げます。

                                    以上

【執筆者紹介】

今吉 俊博(いまよし としひろ)

株式会社 九電工

技術本部 電気技術部 

電気技術二課 電気プラント 

担当課長

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活動報告(中国)

中国地区勉強会の報告「光ファイバーと計装工事」

活動名勉強会「光ファイバーと計装工事」
実施日令和6年(2024年)8月23日(金)14:30~17:00
場 所㈱中電工 本店 
広島市中区小網町 平和大通りビル 11階会議室
講 師講演 槇野  泰 
  株式会社ネットアルファ 常務取締役
実演 小西 治彦 
  全国情報配線施工技能士会 理事
参加者21名
主催計装士会
報告者計装士会 中国地区代表幹事 本岡 武志
中電工㈱ 技術企画部 工場工事 担当課長

講演内容) 

Part 1

・光を用いた通信の今昔

・光の性質

・光ファイバの原理

・光ファイバの特性

・光ファイバの特性

・光ファイバの分類

Part 2

・光ファイバの接続(実演)

・光ファイバの応用分野

Part 3

・光ファイバシステムの施工・保守・運用

・光ファイバの曲げによる損失変化(OTDRデモンストレーション)

・光コネクタ

槙野講師による講演風景
小西講師による実演風景

まとめ

 今回は、光ファイバの接続・システム等ついて色々な観点から、詳しく説明して頂き多くの受講者から大変分り易かったという声がありました。

特に一昔前よりの施工技術・システムの進歩ついては、皆さんが興味を持たれ、これからの提案設計につながると話されていました。

私も光ファイバの成端技術とOTDRの進化に感銘を受けました。施工する上での注意点等も細やかに講義いただき有難いかぎりでした。

最後に、今後とも、槇野先生・小西先生による計装士のための講義継続と、益々お元気で活躍されることを切に願います。

                                    以 上

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活動報告(近畿)

近畿地区勉強会の報告「アズビルの中央監視システムの紹介」

活動名勉強会「アズビルの中央監視システムの紹介」
実施日令和6年(2024年)9月2日(月)14:00~15:30
場所アズビルイノベーションプラザ
大阪市北区角田町8-1 大阪梅田ツインタワーズ・サウス18階
参加者11名
主催計装士会
報告者近畿地区幹事 秋月 成夫

はじめに

計装士会近畿地区では令和6年度上期活動として、上記の勉強会を開催しました。

以下概要を報告します。

概 要

1.挨拶並びに講師紹介

2.中央監視システムsavic-netG5 概要説明

3.中央監視システムsavic-netG5 実機によるデモーション

4.ビル向けクラウドサービス 紹介と実機によるデモーション

5.質疑応答

講義内容

・計測と制御の技術を元に建物に関わる全ての人に快適・安全・安心を提供する。

・日本の建物用途や気候風土に適した製品、アプリケーションを提供。

・建物内の各種設備を監視するビルオートメーション(BA)システムを自社開発・自社製造している。

2.savic-netG5 ポイント

 省エネルギーと快適環境の両立を信頼性の高いシステムで実現させている

①オープンなシステム

 ・BACnetやModbusといったオープン通信で設備、機器を一元管理

 ・各種オープン通信に対応したシンプルなシステム構成

 ・他社機器を取り込んだシステム構築が可能

②シンプルかつ拡張性の高いシステム

 必要に応じて増設、拡張が可能で高い費用対効果でシステムが構築できる

③優れた操作性

 ・視認性に優れた画面

 ・知りたい情報に素早くアクセスできる

 ・アプリケーションウィンドウの複数表示

④省エネルギー

 ・建物のエネルギー消費を最適化し、ランニングコスト低減に貢献

⑤長期安定稼働に向けて

 ・販売終了後10年間は保守用交換部品を確実に供給できる体制を整えている

 ・BAシステムメンテナンスサービス

 ・ビル支援サービス

 ・サポート体制

3.ビル向けクラウドサービス

  エネルギー管理、設備保守管理、テナントサービスなどの機 能を従来の現場に設置していた専用システムに代わりクラウドサービスとして提供

メリット①柔軟な利用形態が取れる

    ②タイムリーなアップデートと外部情報の活用ができる

    ③導入コストと、サービス料金が安価

4.所 感

  本勉強会を通じて、顧客に最新の機器を提供するためには、 常に最新の情報を集める継続的な努力が必要であると改めて認識いたしました。

新しい技術を採用することは、現場の施工効率化にも大いに役立つと考えます。

今後も計装士会の会員の皆様の技術向上に寄与できるような、新技術、新製品紹介に関する勉強会、講習会、見学会を企画してまいります。

最後に、今回の勉強会開催のため、多大なご尽力をしていただいたアズビル株式会社関係者および計装士会の関係者の皆様には深く感謝すると共に、厚くお礼申し上げます。

以 上

林田 憲幸 講師
飯嶋 貴 講師
杉村 友里絵 講師
講演風景

執筆者 秋月 成夫

ダイダン株式会社 大阪本社    

技術管理部品質課 参与

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活動報告(東北・北海道)

東北・北海道地区勉強会「光ファイバーと計装工事」

実施日令和6年(2024年)9月26日(木)13:30~16:00
場 所ハーネス仙台(5階 いちょうの間)
講 師槇野  泰 講師
  株式会社ネットアルファ 常務取締役
小西 治彦 講師
  全国情報配線施工技能士会 理事
参加者15名
主 催計装士会
報告者株式会社ユアテック エンジニアリング本部 電気設備部
鈴木 和彦
  • はじめに

 東北・北海道地区では、2024年度上期の地区活動として、約4年ぶりとなる勉強会を開催いたしました。

今回は、「光ファイバと計装工事」について槇野先生と小西先生のお二方にご講義いただき、今までの知識を再確認するとともに、認識をさらに深く掘り下げて皆さんと共有することにより業界全体の技術力向上を目的として実施いたしました。以下に概要を報告いたします。

  • 講習内容

【テーマ】:「光ファイバと計装工事」

  1.光を用いた通信の今昔

  2.光の性質

  3.光ファイバの原理

  4.光ファイバの特性

  5.光ファイバの分類

  6.光ファイバ心線の呼称と規格

  7. 光ファイバケーブルの表示

  8.光ファイバの接続

  9.光ファイバの接続<実演>

 10.光ファイバの応用分野

  11.光ファイバの施工・保守・運用

 12.光ファイバの曲げによる損失の変化<実演>

 13.光コネクタ

 14.まとめ

勉強会風景

【概要】

  • 光ファイバの原理・特性について

光ファイバの基本的構造、光ファイバの伝搬原理、光ファイバの化学的パラメータについて説明を頂いた。

光ファイバの特性では、光損失と伝送帯域についての説明があり、光損失には、散乱損失、吸収損失、境界面での散乱と曲がりによる損失の3つがあることを理解できた。

  • 光ファイバの分類や規格・表示について

光ファイバの種類は、材料構成によるものと屈折率分布によるものがあることを学んだ。そこにはマルチモードのステップインデックス、グレーテッドインデックスとシングルモードが3種存在するとの説明があった。光ファイバ心線の呼称と規格は、ISO/IEC 11801、JIS C 6820他様々な規格があること、また、光ファイバケーブルの規格表示についてはベンダーごとに記載方法が違うため、注文した規格のケーブルが間違いなく現場に納入されたかの確認も重要であることもご教示いただいた。

  • 光ファイバの接続について

光ファイバの接続の方法と注意事項について詳細な説明があり、融着については実演を交えてご説明いただき、実際の進捗状況をスクリーンで見ながら融着作業について学ぶことができた。

光ファイバ清掃に使用する無水エタノールは使用期限順守が重要との説明は印象に残った。

  • 光ファイバの施工およびコネクタについて

公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)令和4年版の第6編 第2章 第8節 光ファイバケーブル配線において、「光ファイバケーブルの敷設作業中は、光ファイバケーブルが損傷しないように行い、その曲げ半径(内側半径)は、仕上り外径の20倍以上とする。また、固定時の曲げ半径(内側半径)は、仕上り外径の10倍以上とする。」と規定されている。布設の際にはテンションメンバの曲げ半径との兼ね合いがあることについてご説明頂いた。なお、本規定は平成5年に制定されたものであり、現在では曲げ半径の性能は上がっている。

最後には光コネクタにも多くの種類があり、何をどのように選定すべきかについて説明があり、今後の施工に向けて大変参考になった。

槙野講師による講演
小西講師による実技風景

3.おわりに

今回のテーマは、私たちの業界においても社会全体においても非常に重要な項目であり、また、皆さんの日々の業務にも直結し、大いに参考となる内容であったと感じております。

光ファイバ工事における仕様の決定、施工方法、試験に関する一連の流れについて実演を交えた説明により多くの貴重な知識を共有することができ、大変有意義な時間とすることができました。

最後に、ご多用中にもかかわらず、ご講義頂きました槇野先生、小西先生には厚く御礼を申し上げるとともに、ご参加いただきました皆さんのご協力に心から感謝申し上げます。

                 

【執筆者紹介】

鈴木 和彦(すずき かずひこ)

株式会社ユアテック

エンジニアリング本部 電気設備部

プラントグループリーダー

カテゴリー
会報(会員限定)

会報55号

計装コミュニケーション

2024年8月発行

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