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活動報告(東北・北海道)

東北・北海道地区 見学会「浅野撚糸フタバスーパーゼロミル」

実施日令和7年(2025年)10月30日(木)10:00~17:00
場所浅野撚糸フタバスーパーゼロミル
参加者16名(内計装士会5名 )
主催一般社団法人  電気設備学会東北支部
協賛なし
共催・公益社団法人 日本技術士会 東北本部電気電子部会
・計装士会
報告者三機工業株式会社 東北支店 建築設備技術副部長兼設備技術1課長
宮坂 守彦

1.はじめに

 今回の見学会は、浅野撚糸フタバスーパーゼロミル様のご厚意により一般社団法人電気設備学会東北支部主催、公益社団法人日本技術士会東北本部電気電子部会及び計装士会の共催で実施しました。施設では現在、世界初「超無撚糸」の量産に成功しており、会社の創立から現在までの経緯や、撚糸の生産工程などを見学させていただきました。

2.見学内容

(1)施設概要

 施設は福島県双葉郡双葉町に2023年4月開業。タオル等に使用する特殊な撚糸の生産を行っており、岐阜県に本社を構える浅野撚糸株式会社の事業所の一つです。

 社長は福島大学出身ということもあり、東日本大震災で被災した福島に「何か手助けを」という事で福島第一原発事故による避難命令が出されていた地域である福島県双葉郡双葉町の復興を目的に作られました。

 会社としては1967年に創業しましたが、2000年頃から仕事量が激減、一時は倒産の危機にありましたが、事業継続のために「ナンバーワンではなくオンリーワンを目指す」ことを掲げ、開発に5年を懸け、特殊な製法にて超無撚糸「SUPER ZERO」を完成。本施設を生産拠点とし量産に至ったとのことです。また、双葉町の復興の在り方の一つとして、町とのコラボ商品の販売や地元の高卒者の採用、特徴ある建物の形状により発生する反響音を利用したコンサートを開催するなど、非常に前向きさを感じました。

施設正面
会社の歴史などの説明

(2)撚糸の生産工場

 撚糸加工とは、紡績メーカーから供給される糸(原材料)を複数ねじり合わせることで強度を高め、太さを均等にするなど、糸を安定させて繊維生地を加工しやすくする工程のことで、原材料加工から撚糸加工まで、工程を一通り見学しました。

 撚糸工程については全く素人でしたが、わかりやすく説明いただき細くても強い糸にできる理由について理解を深めることができました。

原材料の加工
撚糸加工

3.おわりに

 ご協力いただきました浅野撚糸フタバスーパーゼロミルの皆様、お忙しい中、説明をいただきましてありがとうございました。心より御礼申し上げます。

 タオルに使用する撚糸の製造工程の見学は初めての体験でした。特殊な製法という事もあると思いますが、非常にいろいろな加工を経て高品質な製品になっているのだと感心しました。

 製造技術、製品品質はまさにオンリーワンであり、世界に向けて発信していけるのも頷けました。

 また、施設を作るきっかけや双葉町との復興との在り方についてもご説明いただきましたが、社長の熱い思いが強く伝わってきて非常に感慨深く思いました。

 私事で恐縮ですが、施設見学時に「超無撚糸」を使用して製造されたタオルを購入させていただきました。帰宅して妻に渡したところ、タオルのことは知っており使ってみたかったとの事で非常に喜ばれました。

以上

参加者集合写真

【執筆者紹介】

宮坂 守彦

三機工業株式会社      東北支店

建築設備技術副部長兼設備技術1課長

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活動報告(中部・北陸)

中部・北陸地区勉強会 「計測のトレーサビリティ」

活動名中部・北陸地区勉強会
内 容計測のトレーサビリティ
講 師立川 聡朗
アズビル株式会社 サービス本部 サービス企画部
サービス技術教育グループ
実施日令和7年(2025年)12月5日(金)14:00~16:15 
参加者16名
主 催計装士会

報告者
アズビル(株) 中部支社 サービス本部 中部サービス1部
新山 武弥         

 計装士会中部・北陸地区では、令和7年度上期の地区活動として、12月5日に勉強会を開催いたしました。以下に概要を報告いたします。

講習内容

 計測された値の信頼性・妥当性評価のポイントを解説・ご教授頂きました。

  • 計測の信頼性は「トレーサビリティ」「不確かさ評価」「精度比」の3要素で成り立つ。
  • 国際規格(ISO/IEC17025、IATF16949)に適合するためには、校正の正当性と証明書管理が重要。
  • 許容外れ時の妥当性評価や再測定の重要性を理解。
  • 正しい計測は品質保証の根幹であり、顧客信頼維持に直結する。

所 感

 今回の講義を通じて、計測に関する基本的な考え方から国際規格まで、幅広い知識を得ることができました。

 まず「計測のトレーサビリティ」では、校正の連鎖を国家標準や国際標準までたどる仕組みの重要性を理解しました。普段何気なく使っている計測器が、実は国際的な標準に結びついているという事実は、品質保証の根幹を支えていることを実感しました。また、不確かさの概念や算出方法を学び、測定値には必ず誤差が存在すること、その誤差を定量的に評価することが信頼性確保に不可欠であると感じました。

 次に「正しい計測」では、誤判定がもたらすリスクの大きさに驚きました。不良品の製造や損害賠償だけでなく、企業の信頼を失うことにもつながるため、正しい計測を行う責任の重さを再認識しました。精度比や定期校正の重要性、許容外れ時の妥当性評価など、現場で実践すべき具体的なポイントを学べたことは非常に有意義でした。

 最後に「IATF16949」では、自動車産業における品質マネジメントの厳しさを知りました。ISO9001に加えて、IATF16949では外部試験所のISO/IEC17025認定が求められるなど、国際規格への適合が必須であることを理解しました。認定証の不正使用が重大なコンプライアンス違反となる事例は、規格遵守の重要性を強く印象づけました。

 今回の学びを通じて、計測は単なる数値の確認ではなく、品質保証と顧客信頼を守るための重要なプロセスであることを改めて認識しました。今後は、トレーサビリティや不確かさ評価を意識し、正しい計測を実践することで、より高い品質を提供できるよう努めたいと思います。

 ご多忙中にもかかわらず、講師としてご説明・ご解説を頂きました立田様に厚く御礼申し上げるとともに、ご参加頂いた皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。

勉強会の様子 立川 聡朗 講師

著者:新山 武弥
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活動報告(関東・甲信越)

関東・甲信越地区勉強会 「無線計装」

活動名関東・甲信越地区 勉強会
内 容計装無線
講 師槇野 泰
実施日令和7年 10月8日(水) 14:00~16:00
場 所電業会館 3F 第1会議室
参加者23名
主 催計装士会
報告者太平電業株式会社
技術本部 技術部 電気計装課 主査 杉田 修

1.はじめに

今回の勉強会では、株式会社ネットアルファの槇野 泰 常務取締役殿を講師としてお招きし、工場やプラントにおけるデジタルトランスフォーメーション (DX) の推進に不可欠な無線計装技術について、その概念から最新の通信規格、および具体的な導入事例まで、包括的なご説明をいただきました。有線では設置が困難な箇所や、広大な敷地を持つプラントにおけるデータ収集において、無線技術が果たす役割はますます重要となっています。

2.勉強会内容

1)無線計装の概念と求められる要件

本勉強会は、無線計装の概念、工場・プラントで用いられる主要規格、システムコンポーネント事例、無線計装の利点と今後の展望について、多岐にわたる項目で講義が行われました。

  • 求められる事項:
    • 信頼性: 構造物や配管などの設備が無線通信にとって障害となるため、高い信頼性が必須となる。
    • 低遅延: プロセス制御・監視においては、リアルタイム性が求められる。
    • 省電力: 無線化によるコスト増加や運転エネルギーの増加は望ましくなく、省エネルギー性能が求められる。
    • 広範囲・長距離通信: 広大な敷地を持つ工場・プラントに対応するため、長距離通信機能を備えた無線機器が求められる。
  • 導入のポイントと利点:
    • 省資源:有線の配線材料や施工コストの削減が可能となる。
    • 設置の容易性: 有線が困難な回転体(ロータリキルンなど)や高所(反応塔、タンクなど)にセンサーを設置できる点が大きな利点となる。
    • フィールドメンテナンスの効率化: ハンディターミナルを携帯し、機器の校正や運転診断情報を効率的に収集できる。
  • テンポラリー利用: 仮設等に低コストで対応できること

具体的には、異常兆候監視、作業時のみの使用、定修時、ループチェック時、事故復旧時、工事期間中などに一時的な設置が可能です。

2)工場・プラントで用いられる主要無線規格と技術

工場内のフィールド機器向け無線ネットワークとしては、WirelessHARTとISA 100.11a (ISA100)が市場に存在し、いずれも国際規格として標準化されている。

項目Wireless HARTISA100.11s(ISA100)
補足
国際規格ICE62591:2010:2016ISA100.11a:2011,IEC62734:2014IEC(国際電気標準会議)により国際標準規格化されている。
物理層IEEE 802.15.4-2006 2.4GHz DSSIEEE 802.15.4-2006 2.4GHz DSS2.4GHz ISM帯(免許不要)を使用。データー伝送速度は250kbps。

高信頼性技術メッシュ・トポロジー、チャンネル・ホッピング(slot)
メッシュ/Starトポロジー、チャンネル・ホッピング(slot/slow)
メッシュにより経路遮断時でも確実にデーター伝送が可能。チャンネル・ホッピングにより干渉電波への耐障害性を高める。

データリンク層TDMA(10ms固定)
TDMA及びCSMA/CAISA100はCSMA/CAをサポートすることで大量データの伝送効率を向上。
ネットワーク層IETFIPv6/6LoWPANISA100はIPv6をIEEE802.15.4無線上で実現する6LoWPANをサポート。
ISA100はIPv6をIEEE802.15.4無線上で実現する6LoWPANをサポート。
アプリケーション層HART7(WiredHARTの拡張)
ISA100.11aNative&LegacyマルチプロトコルISA100はトンネリング技術により既存の各種プロトコル(PROFIBUS,Modbus,HARTなど)をサポート可能。

3)その他の無線方式とメーカー事例

LPWA (Low Power Wide Area)IoT/M2Mに最適な通信方式。特徴は、従来の通信方式に比べ、広範囲・遠距離通信(10km以上も可能)、低消費電力、低コスト、複数デバイスの同時接続性に優れている。(LoRaWANはLPWAの一種で、「Long Range Wide Area Network」)

DIC株式会社は、測定にLoRaWAN®(920MHz帯)を用い、設定にBluetooth® Low Energy(BLE)を用いたセンサーを提供している。

高周波数帯の活用 (Wi-Fi, Bluetooth): Wi-Fi(2.4GHz, 5.0GHz, 6GHz)は、監視カメラ映像伝送や現場作業支援用タブレットなどのデータ伝送に用いられる。

Bluetooth Low Energy (BLE) は、近距離通信用のデータ伝送に用いられ、通信距離は1000m以上、通信速度は3Mbpsが特徴。

4)システムコンポーネント・メーカーの事例

  • 横河電機株式会社: 「ISA100.11a Full Functional」を実現したフィールド無線システムを提供しています。20台のアクセスポイントで500台の無線フィールド機器と接続し、データ更新周期を5秒で実現可能。
  • キーエンス株式会社 (KEYENCE): FA用途において、ユニット間通信に6GHz帯を採用し、既存の2.4GHz/5GHz帯Wi-Fiとの電波干渉を回避しています。また、通信経路が遮断されても自動的に迂回するメッシュ無線に対応し、信頼性を高めている。
  • セイコーインスツル株式会社/株式会社オーバル: 920MHz帯の特定小電力無線センサーネットワーク(ミスター省エネ)を提供し、電力、温度、CO2などの計測・見える化を実現。オーバルの無線ネットワークシステム「Link920」の伝送距離は約100m。
  • Emerson Automation Solutions: WirelessHART®および2.4 GHzを用いたプラントネットワークアーキテクチャを提供し、Rosemountのワイヤレス差圧流量伝送器や温度伝送器などの製品がある。

3.さいごに

本勉強会では、工場・プラントの現場で無線計装を導入する際の具体的なメリットと採用されている国際標準規格(ISA100, WirelessHART)の詳細な技術的差異について広く学ぶことができました。特に、有線ではコストや設置が困難だった回転体や高所、さらに異常監視などのためのテンポラリーな用途において、無線計装が極めて有効なソリューションとなることが理解出来ました。

しかし、現在の無線計装は、426MHz帯、920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯など、使用周波数帯やシステムが製造者や用途によって異なっており、システム相互または機器製造者相互間に互換性のあるものが少ないという課題があります。このため、システム拡張時には、当初の仕様を踏襲せざるを得ないことが多いという現状も理解できました。

講師からは、無線計装の理解を深めるために、まずは小さなループ構成を無線化することから始めてみるのが有効であるとのアドバイスを受けました。

最後に、ご多用中にもかかわらず、講師としてご説明・解説を頂きました 槇野 泰 先生には厚く御礼を申し上げるとともに、ご参加くださった皆様のご活躍をお祈り申し上げます。

槇野 泰 講師による講義
講義風景

【執筆者紹介】

杉田 修(すぎた おさむ)

太平電業(株)技術本部

技術部 電気計装課 主査

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会報(会員限定)

会報57号

計装コミュニケーション

2025年10月発行

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活動報告(四国)

 四国地区 勉強会「無線計装」

四国地区担当幹事 

松本 和幸

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活動報告(中国)

中国地区・勉強会の報告「無線計装」

活動名勉強会「無線計装」
実施日令和7年(2025年)7月25日(金)14:30~17:00
場 所㈱中電工 本店 
広島市中区小網町 平和大通りビル 11階会議室
講 師講演 槇野  泰 
  株式会社ネットアルファ 常務取締役
参加者19名
主催計装士会
報告者・計装士会 中国地区代表幹事 本岡 武志
・中電工㈱ 技術企画部 工場工事 担当課長

内 容 

Ⅰ.無線計装の概念

 ・無線計装で用いられる無線方式

 ・伝送距離により区分される無線計装

 ・無線計装に求められる事項

 ・無線計装に導入のポイント

 ・無線計装の通信規格(IEEE802)

Ⅱ.工場・プラント等で用いられる無線計装

      ・Wi-Fi(2.4GHz,5.0GHz,6GHz)

 ・Bluetooth

 ・ISA Wireless(ISA 100.11a)

 ・Wireless HART

 ・LPWA(Low Power Wide Area)

 ・LoRa WAN

Ⅲ.システムコンポーネント・システム構成

 1.横河電機株式会社

 2.セイコーインスツル株式会社

 3.株式会社オーバル

 4.株式会社ロジカルプロダクト

 5.キーエンス株式会社(KEYENCE)

 6.オムロン株式会社

 7.DIC株式会社(旧大日本インキ化学株式会社)

 8.富士電機機器制御株式会社

 9.竹中エンジニアリング株式会社

10.その他(Emerson Industrial Automation) 

Ⅳ.ワイヤレスセンサー・計器等

Ⅴ.無線計装の利点

Ⅵ.無線計装の今後

   今回は、無線計装についての概念や種類について色々な観点から、詳しく説明して頂き多くの受講者から大変分り易かったという声がありました。特にLPWAの広範囲に通信を提供するという内容に関心を持ち、工場において必要になってくる無線通信技術だと思いました。

色々なメーカーからも無線通信のシステムを提供しており、今後の業務に取り入れていきたい内容もありました。

最後に、今後とも、槇野先生による計装士のための講義継続と、益々お元気で活躍されることを切に願います。

                                                     以 上

【執筆者紹介】

本岡 武志

(株)中電工 技術企画部

工場工事 担当課長

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活動報告(近畿)

近畿地区 国立国会図書館関西館 見学会

活動名計装士会 近畿地区 国立国会図書館 関西館 見学会
実施日令和7年(2025年)9月11日(木)14:00~18:00
場所京都府相楽郡精華町精華台8-1-3
参加者10名
主催計装士会
報告者近畿地区代表幹事 石山 輝英

1.はじめに

令和7年度近畿地区の活動として、9月11日に上記見学会を開催しましたので、以下に概要を報告いたします。

(1)見学施設概要

   本施設は、日本国内で出版されたすべての出版物を収集・保存する日本唯一の法定納本図書館です。「東京本館」「関西館」「国際子ども図書館」の3館で構成されています。

関西館は、本館と書庫棟の二つの建物に分かれており、それぞれ書庫を備えています。

・開 館 日:2002年10月 

・延床面積:約83,000㎡    ・収蔵能力:約1,100万冊  

国立国会図書館(関西館)

(2)ガイド付見学ツアー

 ≪本館外観≫

     地上4階、地下4階の建物は、およそ6万㎡の延床面積があり、閲覧室や書庫など約8割は地下に構成されています。地下2階から地下4階の書庫には約600万冊分の収蔵スペースがあります。

本館外観(国立国会図書館HPより)

鋸屋根(国立国会図書館HPより)

≪鋸 屋根≫

鋸屋根は、中庭の雑木林と共に、周囲の自然との連続性を意識して設計されていま

す。北向きの面には芝を張り、また、南向きの面は光を反射する特殊なガラスを使用し、地下に位置する閲覧室に自然の光を取り込んでいます。

 ≪本館書庫≫ 

   関西本館は地下2階から地下4階が書庫です。書庫の中は、資料を保存するために最適な環境(温度22℃、湿度55%)に保たれており、地下2階、地下3階には固定書架、地下4階には電動集密書架が設置されています。地下4階にはマイクロ資料を効率よく収納する電動回転ファイルが置かれています。さらに、地下3階と地下4階の北側を吹き抜けにし、自動書庫が設けられています。

 ≪自動書庫≫

自動書庫(国立国会図書館HPより)

自動書庫は、資料の収納作業を機械化した書庫です。140万冊を収蔵できる国内最大級の規模で、固定書架で書庫を構成する場合に比べると、およそ4倍の収蔵能力があります。自動倉庫内には、平均50冊の本が入る半透明のコンテナが、約28,000ケース収納されています請求した資料は、コンピュータによってコンテナ単位で呼び出されます。

≪書庫棟外観≫

  2020年2月に竣工した書庫棟は、地上7階、地下1階の建物です。およそ2万5千㎡の延床面積があり、地上1階から6階までが書庫になっています

書庫棟外観(国立国会図書館HPより)
書庫棟書庫(国立国会図書館HPより)

≪書庫棟書庫≫

 書庫棟の収蔵能力は、約500万冊です。

 書庫内の温湿度については、本館書庫と同様、適正な保存環境に配慮した設定としています。書架は、主に手動ハンドル式の集密書架を採用しています。固定棚には感震式の落下防止装置を備えており、震度4以上の揺れを感知すると安全カバーが跳ね上がり資料の落下を防ぐ構造になっています。

参加者集合写真

3.おわりに

 今回の施設見学は、自動書庫設備や電動集密書架などの自動化設備の機能や役割、簡単な利用の流れの紹介がありました。また、「静けさとシンプルさ」をモチーフとした建築物は個性的で周囲との調和がとれて美しいイメージでした。見学会に参加の皆様にも非常に興味を惹くことが出来たとのご意見をいただき、有意義な時間を過ごせたと思います。

 今後は、書庫棟の南側に2棟の書庫棟を段階整備する計画で、関西館の収蔵能力を約2000万冊まで増強される予定とのことです。

 最後に、今回の見学会にご協力いただきました国立国会図書館関西館職員様と計装士会の関係者の皆様には心より感謝とお礼を申し上げます。

以 上

【執筆者紹介】

石山 輝英(いしやま てるひで)

株式会社 きんでん

技術本部 プラント工事部

プラントチーム 次長

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総会

第28回 計装士会通常総会のご報告

計装士会

代表幹事 大脇 剛

第28回計装士会通常総会を開催いたしましたのでご報告いたします。

日 時 令和7年6月23日(月)

場 所:霞ヶ関コモンゲート西館 霞山会館ビル37階
     東京都千代田区霞ケ関3-2-1
     03-3581-0401
総 会:17:15より「牡丹の間」

懇親会:18:00より「松雪+紅梅の間」

以下に記載した次第により議案が審議され全て承認されました。

1.開会の辞

2.代表幹事挨拶

3.議長選出

4.議事録署名人選出

5.議  案

・令和6年度事業報告並びに収支決算の件

・令和6年度会計監査報告

・令和7年度事業計画並びに

 収支予算(案)の件

6.新幹事紹介の件

7.閉会の辞

          通常総会次第

代表幹事挨拶

ただ今ご紹介いただきました、代表幹事の大脇です。

本日はご多忙中にも関わらず、皆様にはご出席頂きまして厚くお礼申し上げます。

 2024年度は計装士会運営において、皆様の多大なご支援とご協力の下、コロナ前の活動状況に戻って来ることができました。

昨年度の総会におきましても懇親会を開催することができ、やや活況を取り戻したことに感謝申し上げましたが、こうして今年度もこのように開催することができますことを改めて感謝申し上げます。

 さて、2024年度は計装士会幹事及び各地区委員のご助力により、後ほど議案の中でもご紹介しますが、全地区において諸行事を計画・立案し、それぞれに実施でき活況を取り戻してきたことは、2024年度活動の成果として皆様にご報告でき幸甚に思います。

また、オンラインによる勉強会等も引き続き実施でき、関係各位様のご協力に改めて感謝申し上げます。

ホームページの是正、会報等のWEB閲覧できるよう省資源化(SDGs)への取組など、2025年度も活発な活動を実施計画に織り込み、計装情報の周知拡大を目指したいと思います。新しい実施事項が一目で分かるように計装士会ホームページも改良致しましたので、ぜひ一読頂きますようお願い致します。

2025年度におきましても「新たな知識や技術の習得」の諸行事を計画し、会員皆様の活発な交流及び技術向上の一助となれるように努めていきたいと思います。

国内におきましてはどの産業分野におきましても人手不足が深刻な状況ですが、世界に目を向けると、トランプ関税問題、ロシアとウクライナそして新たにイスラエルとイランの戦いなど、様々な経済への影響が取りざたされており、日本市場においても設備投資の機運が陰りを見せ始めているように感じます。

そのような社会情勢の中で、計装業界を含め建設業界は、現状は堅調に推移しているようですが、人手不足が深刻で、その余波が品質不良や事故・トラブル発生などに影響として表れ始めている様に思います。

そんな業界における計装士等の技術者の需要は増え、ますます重要な位置づけになる事と思います。

また、「日本計装工業会」におきましても、昨年に制度化されました「計装工事技能者」の登録基幹技能者運用が順調に滑り出しました。計装士会としましても、一般社団法人日本計装工業会様のご支援を仰ぎながら、計装士各員の地位向上を目指し活動してまいります。

最後に2025年度におきまして、ご提案の計画をご承認いただけましたら、計画を推し進めることに注力し、一般社団法人日本計装工業会様及び賛助会員企業様との連携により、尚一層の会活動活性化・会員の技術向上に努めてまいりたいと思いますので、引き続きご支援、ご協力をお願い致します。

会員の皆様・賛助会員等関係者様、そして本日ご出席頂いた皆様のご健勝を祈念し、私の挨拶と致します。

代表幹事
          総会風景
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活動報告(中部・北陸)

中部電力パワーグリッド飛騨変換所見学会

活動名中部電力パワーグリッド飛騨変換所見学会
実施日令和7年(2025年)3月28日(金) 13:00~15:00
場所岐阜県高山市清見町
参加者13名
主催計装士会
報告者中部・北陸地区代表幹事 森本 将之 

1.はじめに

中部電力パワーグリッド飛騨変換所は、東日本大震災によって東日本の太平洋沿岸部にある発電所が甚大な被害を受け、首都圏の電力供給が不足し、計画停電や節電協力依頼などによって、社会生活に多大な影響がでた背景があります。このような事態を未然に防ぎ安定的に電力供給することを目的として、西日本-東日本間の電力融通能力を増強することとなり、飛騨変換所の設置計画(飛騨信濃周波数変換設備)がスタートし、2021年に運用開始されたとのことでした。

2.飛騨変換所の概要

飛騨変換所(60Hz)は、東京電力パワーグリッドが保有する新信濃変電所(50Hz)と直流の送電線で結ばれ「飛騨信濃周波数変換設備」を形成しており、60Hzの交流を直流に変換する(その逆の変換も可能)交直変換設備としての役割を担っています。また、飛騨変換所は、電力の供給力不足時だけでなく、平常時における東日本と西日本をまたいだ電気の市場取引においても重要な設備になっています。

  • 経済産業省 総合資源エネルギー調査会総合部会電力システム改革専門委員会
  • 「重要送電設備等の指定」1号案件

3.見学会内容

(1)越美幹線

中部電力パワーグリッドの越美幹線(交流500kV)から飛騨変換所に分岐接続している様子です。越美幹線から飛騨変換所用の分岐線を立体的に交差するため、既設鉄塔を分岐鉄塔に建替えています(左から2番目)。既設交流500kV鉄塔近傍での建替え鉄塔建設工事は危険度の非常に高い工事のため、安全対策に苦労したことが覗えます。

圧巻の設備です!!

(2)飛騨信濃直流幹線設備

飛騨変換所から東京電力パワーグリッドの新信濃変電所に向け直流送電(200kV)鉄塔です。当たり前ですが直流なので電線が2本しかありません。

(3)通信鉄塔

飛騨変換所は、基本的に無人で運用しています。設備の監視、運転指令などは、光ケーブルやマイクロ波無線で名古屋市にある中部電力パワーグリッドの給電制御所などと通信しています。(直線距離で約95km)無人で設備管理をするには、信頼性の高い通信回線による制御・保護が要求されます。(工事に携わった方々は計装屋冥利に尽きる…)

もし、設備に異常があった場合は、中部電力パワーグリッド高山支社の職員が駆けつけるそうです。

(4)サイリスタモジュール

飛騨変換所のキモになる設備です。機密の関係で実物の写真はありませんが、図のモジュールを積み重ねて直流200kV,2250A(90万kW)の出力を実現しています。

この変換設備で越美幹線(交流500kV)の電力を直流200kVの電力に変換し、東京電力パワーグリッドの新信濃変電所に送電します。

またサイリスタバルブの制御角(点弧角)を変更することにより、逆に新信濃変電所から送られてきた直流電力を交流電力に変換し越美幹線に送ることもできます。

この仕組みを利用し、災害発生時における50Hz↔60Hz変換だけでなく、平常時における西日本と東日本間の電力取引にも使用しているとのことでした。

4.おわりに

普段、一般需要家設備の建設、保守に携わっている私たちからすると今回の飛騨変換所は、機器及び規模が桁違いのスケールで、圧倒されたところであります。

国策とは言え、設置場所が厳しい気象条件の地域(豪雪地帯)に関わらず、設計から運用開始まで約8年間という短工期で作り上げた中部電力様の技術力と建設に携わった方々のご苦労に感服した次第です。

周波数変換設備は生活の中で使用している家電製品の中に組み込まれているインバータの応用であると伺いました。一昔前は周波数の違いにより東京で購入した洗濯機などは大阪など西日本では使えないので注意が必要であると聞いていましたが、現在ではあまり聞かなくなったのは、インバータによる周波数変換の技術が何気なく入っているためであることを改めて認識をしました。

最後に今回の見学会にご協力いただきました中部電力パワーグリッド株式会社高山支社様および関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

見学会参加者一同

【報告者紹介】

(株)トーエネック

営業本部 営業部

技術提案グループ

課長 森本 将之

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会報(会員限定)

会報56号

計装コミュニケーション

2025年5月発行

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