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活動報告(九州・沖縄)

ひびきエル・エヌ・ジー株式会社

活動名ひびきエル・エヌ・ジー株式会社
実施日平成28年(2016年)2月19日(金) 12:15~17:30
場所ひびきエル・エヌ・ジー株式会社
 北九州市若松区向洋町20-1
参加者13名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者九州・沖縄地区幹事 久保 一昭
1.はじめに

 ひびきエル・エヌ・ジー㈱は、2010年4月に資本金60億円、株主(西部ガス㈱90%、九州電力10%)にて会社を設立し、ひびきLNG基地として北九州市若松区向洋町にて、2014年11月1日にLNGの供給運用を開始しました。
 ひびきLNG基地は、日本海や東シナ海に通ずる響灘に面した臨海地区に位置し、 広大な敷地に海外からLNGを運搬してくる大型船舶受け入れの桟橋や、2基の大型LNGタンク、LNGを気化して都市ガスを製造する施設などが整備されています。天然ガスを西部ガス等のパイプライン網を通じ都市ガスとして、また、パイプラインが通じていないエリアには、LNGローリー輸送にて北部九州の各地へ供給している天然ガス広域供給拠点です。

2.概 要

  所在地   福岡県北九州市若松区向洋町 ひびきLNG基地
  主要設備  LNG基地
          敷地面積:32.6万㎡
          LNGタンク:PC地上式 18万KL×2基
                  (一般家庭80万戸分=約1年分)
          LNG気化器:水冷式(海水循環方式)
                  高圧用(55t/h×3基)
                  中圧用(50t/h×2基)
          LPGタンク:球形 950t×4基
          LNG受入桟橋設備:1式
          LPG受入桟橋設備:1式
          LNGローリー出荷設備:12口

ひびきLNG全景(模型)
施設説明
3.供給拠点
北九州地区
4.LNGタンクのエアレイジング概要

   LNGタンクにブロア(送風機)を設置し、タンク底部にある屋根(1,200t)の下に、送風ダクト(送風管)を通じて空気を送込み、空気の圧力で屋根を約34m押し上げる。

5.施設の特徴

  ①「災害対策」 ②「再生可能エネルギー設備」 ③「ひびき基地の緑化活動」等、安全・安心で地球温暖化抑制効果を図る施設となっています。

  ①「災害対策」
    津波対策として、最大津波予想海抜3.0mに対し、海抜7.0mの高さとなる防潮堤、更にその上部に高さ約5mとなる防潮林を基地全周(2,300m)にめぐらしています。電源は、商用電源2回線受電とし、さらにデュアル燃料の非常用発電機を備えるとともに、受電系には電源車の接続が可能な措置を行い、万全を期しています。
  ②「再生可能エネルギー設備」
    事務所で使用する電力に太陽光・風力・水力の再生可能エネルギーを有効利用しています。余剰電力は蓄電池に電気を蓄える等、省エネ・CO2削減に寄与しています。
  ③「ひびき基地の緑化活動」
    人、自然、社会と調和した環境共生基地を目指すべく、『ひびきの森植樹活動』を推進し、基地内へ現在までにどんぐりを主体に約10万本の植樹を行っています。将来的には15万本を越える植樹を目指しています。
    また、基地外のひびきどんぐり公園では、自然とエネルギー基地の調和を身近に感じるエリアとして、四季の彩りを感じる花々、美しい木々、広がる芝生、自然石のアートワークが織り成す憩いの空間を提供しています。
    このように、ひびきLNG基地は天然ガス広域供給拠点として北部九州に安全で安定した天然ガスの供給以外に、地球にやさしく、地域の環境保全に貢献すると共に“癒し憩い”を提供する施設となっています。

基地内中央監視室
4.おわりに

 福島原発事故から5年が過ぎ、地震・津波対策等施設建設に当たって高度な対応策が要求されています。ひびきLNG基地においても中央監視室の免震化や停電時の電源供給、津波発生に対応できる施設として近代的な熱源供給基地となっており、省エネルギー化や地球環境に寄与し、環境問題について考慮した取組もすばらしいと感じました。
 基地のご説明をして頂きました製造部長様始め関係者の皆様に心からお礼を申し上げます。

以 上

集合写真