株式会社九電工
技術本部電気技術部
今吉 俊博
1.はじめに
私は、工場関係の電気計装工事があるところ、全国各地を駆け回っています。趣味は「仕事」と言えれば、出張・転勤の多い私の部署では一番マッチしていると思いますが、残念ながらそうではありません。好きなことを挙げると「釣り」、「ゴルフ」、「自転車」、「土いじり」など多岐に渡りますが、飽きっぽい性格なのでどれも本腰を入れる訳でもなく、特に上手な訳でもありません。なので自信をもって皆様に紹介できるものはないのですが、一番進んで楽しんでいます「釣り」について紹介させていただきます。
2.釣り
もともと釣りは幼少期より父に連れられて行っていました。学生時代は特に進んで行くという訳ではなく、誘われたら行くという程度でした。社会人になり、なぜか地方の沿岸部や離島での業務が多く、その様な場所では特に遊ぶところが多いわけでなく、観光地も早々に回ってしまい、すぐに時間を持て余すようになりました。ただ、自然がいっぱいな環境を逆手に取り、時間を見つけては大自然を相手にできる釣りに行くようになりました。
初めのうちは気が向いたときにエサを買い、現地の方から道具を借りて釣りを楽しんでいましたが、次第にエスカレートしていき、現地で釣り道具を一式購入、仕事関係の方と徒党を組んで釣りに行くようになりました。現在も社内の釣り好きな方を定期的に集め、大海原へ出かけています。
また、忘れてはならないのが、釣りは他の趣味と違い、魚との駆け引き以外の副産物があります。それは「釣果」です。もちろん釣り上げた魚のことです。これらを「食する」ことも楽しみの1つです。鮮度の良い魚を、自分の腕次第(私の場合ほぼ運)でいっぱい食べられるので、何事にも飽きっぽい私でも毎回集中して勝負しています。
私にとって釣りとは、釣り自身を楽しむことは無論のこと、釣り好きな方々と友好を深め、釣果を美味しく食することができる楽・友・食の3拍子の揃った趣味と思います。
3.印象に残る釣果
たいした腕前がある訳ではありませんが、私でも大物が釣れた!大漁だった!という印象に残っている釣りをご紹介します。
私は、防波堤釣り、川釣りなども行いますが、食べることも目的の一つなので、大きく、美味しい魚が釣れる船釣りを好んで行っています。
※以下、魚名などは九州地方の呼び方で記述しています。
1)対馬でタイラバ釣り
「タイラバ」というタコやイカなどに似せたと思われるルアー(疑似餌)で釣る方法です。この時は、対馬での仕事が一息つき、現場の有志で釣りに行きました。対馬という土地柄、対岸に韓国を望み、船をさほど走らせずとも水深が100mを超える漁場と荒波がお迎えしてくれて、本土とは違う環境で大変楽しい釣りでした。釣果は魚群が濃い事もあり、ほぼ入れ食い状態の大漁でした。そのあとは馴染みの居酒屋に釣った魚を持ち込み、釣りメンバーと一緒に堪能しました。特にアラカブはどんな調理でも美味しく、刺身、煮つけ、唐揚げ、最後にみそ汁にしてもらい、余すことなく美味しく頂きました。
2)福岡で泳がせ釣り
アジなどの生きた小魚を仕掛けに付け、そのまま海底まで落とし、根魚を狙う方法です。瀬や根と呼ばれる海底に点在する丘のような場所の上に船を付け、瀬から流されないよう船を操作し、瀬とその周りの魚を狙います。写真はその時に釣った約80cmのヒラメです。この時が初めての釣り方でしたが、まさしくビギナーズラックでした。家に持ち帰り調理しましたが、家で一番大きなまな板からもはみ出し、包丁が身の奥まで届かないなど、捌くのが大変でした。主に刺身にしましたが、身はプリプリ、贅沢に分厚く身を切って、大変美味しく頂きました。
3)福岡でイカの夜焚き
夜中に漁船の照明を煌々と点灯させ、その光に寄ってきたイカをイカスッテというルアーを使って釣る方法です。人によってはルアーを10本ほど数珠繋ぎで釣る人もいて、食い気があると一度の投入で大量の釣果が期待できます。この釣り方で最高120匹も釣れたことがあります。その時の釣果が忘れられられず毎年必ず行っています。イカは何匹釣っても冷凍すれば魚のように味が落ちるという事はなく、むしろ味が良くなると言われています。120匹釣れた時は食べるのに3カ月掛かりましたが、全て美味しく頂きました。また人にお裾分けしても大変喜ばれました。
4)種子島でほろ引き
いわゆるトローリングのような釣り方で、ルアーを漁船で引っ張り、それに食らいついてくる魚を釣る方法です。キハダマグロ、カツオ、シイラなどの回遊魚で、身の締まった魚がよく釣れます。写真は私が釣り上げたキハダマグロです。大きいもので2m程になるそうですが、種子島近海ではこのサイズが標準です。釣果は、一緒に行ったメンバーと刺身にして食べましたが、さすが鮮度抜群で、プリプリの食感、青物とは思えないまろやか味で美味しく頂きました。
4.さいごに
近年、船釣りに行くと様々な方が参加されていると感じます。一昔までは船に乗っているのは常連の男性ばかりで、いかにも素人お断りみたいな雰囲気でしたが、最近は若い人達も多くなりましたし、一家総出や女性だけで参加される方などハードルが低くなったと感じています。また、竿、リール、仕掛け、エサなど全て船で準備してもらえる「手ぶらプラン」なるものやインターネットで簡単に予約ができるなど、素人の方でも簡単に参加できるようになっています。もし興味を持たれた方がいらっしゃったら、是非この機会に、大自然を満喫する開放感!魚との駆け引き!そして食べる喜び!を味わってみてはいかがでしょうか。