活動名 | 富士電機機器制御株式会社 吹上工場 |
実施日 | 平成27年(2015年)11月17日(火) 9:00~18:00 |
場所 | 富士電機機器制御株式会社 吹上工場 埼玉県鴻巣市南1-5-45 |
参加者 | 38名(うち計装士会21名) |
主催 | 計装士会 |
協賛 | (一社)日本計装工業会 |
報告者 | 企画・研修委員 袴田 昭夫 |
1.はじめに
今回は埼玉県鴻巣市にある富士電機機器制御株式会社吹上工場のショールーム「TECHNO WAVE FUKIAGE」と「TECHNO LAB」の見学会及び勉強会を実施しました。
参加者は総勢38名、うち計装士会からは幹事を含め21名が参加しました。
当日は池袋駅西口、東京芸術劇場前を定刻にバスで出発。首都高速及び関越自動車道を経由、途中東武東上線「東松山駅」より乗車される会員と合流し、見学先には予定通り到着しました。
富士電機機器制御株式会社吹上工場の6階にある大ホールで昼食をとり吹上工場内の概要説明・見学及び後半には講師による勉強会を開催しました。
見学等終了後は朝の集合場所池袋駅へ予定時刻に戻り解散となりました。 また、天候にも恵まれ会員の皆様からのアンケート結果も大変良い見学会であったと好評を頂き、盛況に開催することが出来ました。
2.富士電機機器制御株式会社について
大ホールにて富士電機機器制御㈱吹上工場、黒川工場長様より挨拶のあと富士電機㈱北関東東支店飯嶌支店長様、富士電機機器制御㈱中尾課長様より会社概略説明と吹上工場の概要説明がありました。
会社は1923年に富士電機製造㈱として創業し1943年に吹上工場が操業開始されました。
その後、電磁開閉器発売(1954年)・操作表示機器「コマンドスイッチ」発売(1960年)・漏電遮断機発売(1967年)、1984年に商号を「富士電機㈱」に変更。
2008年に富士電機機器制御㈱として開閉機器・制御機器・受配電機器・安全・セキュリティーソリューション・エネルギー管理機器等の事業分野と各主要製品を開発、製造、販売およびサービスを行い現在に至っています。
国内製造拠点として、吹上事業所・大田原事業所・㈱秩父富士及び海外にも中国をはじめ多くの拠点があります。
また、フランスで1963年に創業したシュナイダーエレクトリック㈱と一部事業を分割継承し富士電機機器制御㈱の受配電・制御機器事業における合弁事業も展開しております。
吹上工場は東京ドーム3.3個分の広さを誇る工場で、関係会社を含めると約800名の従業員が働いており、富士電機の中では3番目に操業を開始した歴史ある基幹工場です。
開発・設計から部品調達・部品加工・製品組み立てまで一貫したものづくりをおこなっている点も大きな特徴でもあります。また産業インフラの根幹を担う電気システムを支える「受配電・制御機器」等の開発・生産拠点でもあり、主力製品に電磁開閉器・高圧受配電機器等があります。
吹上工場内には2012年にリニューアルオープンしたショールーム「TECHNO WAVE FUKIAGE」があり富士電機の事業、歴史、これからの受配電・制御機器の新しい姿や技術、ものづくりなどを「見て」「触って」「体感できる」施設であることから多くの見学者が来館しております。
3.見学内容
昼食後、大ホールにて担当者様より本日の見学内容の説明及び注意事項を受け、2班に分かれて各施設を見学致しました。
(1)ショールーム「TECHNO WAVE FUKIAGE」
ショールーム担当者の案内で各機器等の説明を受け最先端の製品に触れることができました。ショールーム内は富士電機が扱う様々な製品がわかりやすく展示されており、製品展示もテーマ別に各ブースに分かれていて見学時間が足りないほどでした。
主な展示ブースは次の通りです。
・わたしたちの歴史資料
富士電機と吹上工場の歴史や古い製品などが展示紹介されています。
・創エネ、省エネ
3Dプロジェクションマッピングを使ったスマートコミュニティを紹介しています。
・模擬中央監視ルーム
電力監視システムによる富士電機の関東12事業所のリアルタイムデーターを大型モニターで表示しています。
・機器制御
電磁開閉器、操作スイッチ、インバータなどの各種コンポーネント製品を展示。
各種デモ機で操作方法、動作原理などを確認できます。
・リニューアルとレトロフィット
製品開発、生産を支えるコア技術への取り組みなどを見ることができます。
・受配電システム
高圧から低圧までの保護機器、監視機器を実際の高圧盤、低圧盤及び壁面スケルトンを使いわかりやすく展示しているのを見ることができます。
・イノベーション
一歩先を行く新しい技術と製品を紹介しています。
・FUKIAGE PLAZA
吹上工場でのものづくりの取り組み、ものづくりを支える匠たちを紹介しています。
(2)研究開発、製品評価検証棟 「TECHNO LAB」
エントランスホールにある大型タッチパネルを使ってTECHNO LAB にある試験装置などの紹介映像を見た後、廊下から各試験室を窓越に見学することが出来ました。
TECHNO LAB内には次のような試験室等があり普段では見られない貴重な施設を見学することが出来ました。
・特性試験室1
実使用に即した温度にて、異常電流による動作時間を自動測定している試験室。
・特性試験室2
試作品の仕上がりを確認し、操作力や動作特性などの基本性能を検証する試験室。
・遮断試験室
事故を想定した大電流を通電し、電気的な安全性を検証する試験室。
・環境試験室
環境要因(温度、湿度、気圧)による長期信頼性を短期間で加速的に見極める試験室。
・試作室
性能(機能)、構造の確認などの部品製作や製造実験を行なっている部屋。
・材料分析室
素材の新規開発から製品評価のため、各種分析・調査を行っている部屋。
(3)勉強会(研修会)
見学後、大ホールへ戻り講師による勉強会(研修会)を行ないました。
【テーマⅠ】「インバータによるファン・ポンプの省エネ手法」
講師 富士電機㈱ パワエレ機器事業本部 ドライブ事業部
技術部技術第一課 伊藤 誠 様
1. インバータによるモータの省エネの原理と導入事例
2. インバータ・モータ省エネの最新技術その1
空調用自律制御系インバータ
3. インバータ・モータ省エネの最新技術その2
盤不要壁掛け型インバータ
4. インバータ・モータ省エネの最新技術その3
・モータ効率のトップランナー規制について
・トップランナーモータ及び同期モータ
【テーマⅡ】 「省エネ対象現場に‘気付く’」
講師 一般財団法人 省エネルギーセンター
技術相談員 藤田 稔 様 (富士電機㈱OB)
1. 省エネ対象現場を見つける
2. 過去の気づきの例
3. 気付き!
4. 省エネ対象の見つけ方 提案事例その1
5. 省エネ対象の見つけ方 提案事例その2
6. 省エネ対象の見つけ方 提案事例その3
7. 最後に
終了後は会員から講師の方への質疑もあり活発な意見が交換されました。
3.おわりに
今回の関東・甲信越地区活動は工場の見学会と勉強会(研修会)をあわせた活動とな り大変有意義な一日でありました。後半に開催した勉強会(研修会)は各分野の専門講師にインバータに関するノウハウを教えて頂き、計装分野に携わっている会員の皆様も興味をもたれたことと思います。
最後に今回、大変お世話いただきました富士電機制御機器株式会社、富士電機テクニカ株式会社、富士電機株式会社の各皆様へと関係者皆様に心より感謝とお礼を申し上げます。
以 上