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活動報告(東北・北海道)

東京電力㈱廃炉資料館/中間貯蔵工事情報センター見学会

実施日令和5年(2023年)11月30日(木)9:30~17:30
場所東北電力株式会社 ①廃炉資料館②中間貯蔵工事情報センター
参加者30名 (内計装士会9名)
主催一般社団法人 電気設備学会東北支部
協賛なし
共催公益社団法人 日本技術士会東北本部電気電子部会
計装士会
報告者株式会社ユアテック エンジニアリング本部 電気設備部
阿部 哲也

1.はじめに

今回の見学会は、東京電力ホールディングス株式会社殿、中間貯蔵・環境安全事業株式会社殿(JESCO)のご厚意により一般社団法人電気設備学会東北支部主催、公益社団法人日本技術士会東北本部電気電子部会及び計装士会の共催で実施しました。

今回見学させて頂いた東京電力廃炉資料館は、原子力事故の事実と廃炉事業の現状等を確認する場として、同社の旧エネルギー館を改修し開館されました。

中間貯蔵工事情報センターは、中間貯蔵工事(福島県内各地からの除去土壌等の輸送、処理・貯蔵、再生利用の取組など)の全体像の紹介、説明を聞くことができる施設です。

見学させていただいた内容につきまして下記に報告いたします。

2.見学内容

(1)東京電力廃炉資料館

東京電力廃炉資料館は、以前は原子力発電をPRするエネルギー館として使用されていたため、立派な外観です。入場して最初に案内されたのは、シアターホールです。正面には大きな曲面スクリーンが広がっており、床面にまで映像が映し出されます。ここでは福島第一原子力発電所にて地震発生から原子力事故発生時に起きていたこと、そして当時の対応について臨場感あふれる再現映像で振り返ることができます。

次に移動した先には、原子力発電の説明パネルや核燃料の模型が展示しており、発電の仕組みや安全設計について、職員の方が分かりやすく説明してくださいました。

その後、福島第一原子力発電所の1号機から4号機で起こった原子力事故の詳細、廃炉作業の進捗状況、そして今後の予定について、映像を交え、丁寧に説明していただきました。現在、使用済燃料は3、4号機については取出しを完了、1、2号機は使用済燃料プールに入っており、各号機共に冷温停止状態を継続しております。今後は、水素爆発の影響で上部が鉄骨むき出しとなった1号機への大型カバーの設置を行った後、1、2号機の使用済燃料の取出しや、燃料デブリの取出しが計画されています。

続いて移動したブースでは、事故の反省と教訓を映像とパネルを用いて振り返りました。事故の根本原因は過酷事故対策の不備、津波対策の不備、事故対応の準備不足にあること、その背景は、安全意識、技術力、対話力の不足に起因する負の連鎖が招いたものであることが述べられています。そして、決して天災として片づけることなく、負の連鎖を断ち切り、安全を最優先とする組織に生まれ変わることが東京電力の責務であることが語られました。

次に昨今ニュースでも話題となっているALPS処理水の放出についての説明がありました。ALPS処理水とは、放射性物質を含む汚染水を多核種除去設備(ALPS)等の浄化設備でトリチウム以外の放射性物質濃度が国の規制基準値を下回るまで取り除いた水です。さらに海洋放出時には、ALPS処理水を100倍以上に希釈し、トリチウムも国の規制基準値(1ℓあたり60,000ベクレル未満)を大幅に下回る値(1ℓあたり1,500ベクレル未満)としたものを放出しています。

その後は、今後の課題である燃料デブリの取出しについての現状説明です。燃料デブリは形状や分布が十分に把握できていないことに加え、原子炉格納容器内部は放射線量が高く人が近づくことができません。そのため、現在は遠隔操作ロボットを使用した内部調査および試験的取出しを行う準備をしています。

最後のブースでは、原子力発電所構内の様子をコの字型の三方面スクリーンにて閲覧することができました。ドローンにて撮影された上空からの映像は足がすくむほどでした。1号機を間近で見られる映像もあり、現地で実際に見ているような臨場感を感じました。

今回の見学では時間の都合上割愛したブースもございました。機会があればまた改めて訪れてみたいと思います。また、東京電力ホールディングス株式会社殿ホームページでは、廃炉作業やALPS処理水に関する現状、取組などの情報が確認できます。興味のある方はご覧になってみてはいかがでしょうか。

写真① 東京電力㈱廃炉資料館
写真② 東京電力㈱廃炉資料館 内部

(2)中間貯蔵工事情報センター

中間貯蔵工事情報センターでは、最初に職員の方から中間貯蔵施設の役割などの説明をしていただきました。搬入された土壌は可燃物と土壌に分別されます。可燃物は焼却処理をしたのち、灰を廃棄物貯蔵施設にて保管します。土壌は、土壌貯蔵施設にて浸出水(土壌に触れた水)が外部に漏れないように遮水シートを二重に敷いた上で管理されます。敷地内に運び込まれる土壌の量は約1,400万㎥を予定されています。土壌は2045年3月までに福島県外にて最終処分をする予定です。最終処分量の低減を図るため、放射能濃度が低い土壌の再生利用に関する実証実験が進められています。また、現在は県内53市町村のうち46市町村からの土壌受入が完了しています。

写真③サンライトおおくま展望デッキより
写真④ 土壌貯蔵施設

職員の方からの説明のあとは、バスに乗車して中間貯蔵施設の区域を見学しました。中間所蔵施設と聞くと建屋を想像しますが、福島第一原子力発電所を取り囲む形で、全体面積は約16k㎡あり、東京ドームの約340倍の広さの区域になります。バスで移動し、最初に到着したのはサンライトおおくまです。サンライトおおくまは、元は特別養護老人ホームとして使われていた施設です。原発事故直後に避難指示が出たため、室内や車両が今もあの日のままの状態で残っています。敷地が高台にあることに加え、仮設の展望デッキが設置されているため、中間貯蔵施設そして福島第一原子力発電所が一望できます。ここでは職員の方から、目の前に見える施設がそれぞれ何なのか、その用途も含め説明していただきました。写真③の正面の盛土作業を行っているのが土壌貯蔵施設です。土壌は高さ5m×3段にて貯蔵されます。その右手にあるのが浸出水処理施設です。土壌貯蔵施設とセットで設置され浸出水の処理を行い、放射性セシウムの濃度などを測定し、問題ないことを確認してから放流します。

3おわりに

お忙しい中、案内や説明をしていただきました、東京電力ホールディングス株式会社、中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)の方々には心より御礼申し上げます。

今回の見学会を通し参加者からは、漠然としていた福島第一原子力発電所事故に関する概要や現状、そして今後の課題についての理解が深まったとともに、廃炉に関する安全性は想像よりも高いことを知ることができました、との声が聞かれました。貴重な機会を設けていただき、深く感謝いたします。

東京電力㈱廃炉資料館にて(参加者一同)

【執筆者紹介】

阿部 哲也

株式会社ユアテック

エンジニアリン本部 電気設備部

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活動報告(東北・北海道)

新規制基準に対応した安全対策が強化された女川原子力発電所 並びに女川原子力PRセンターの見学

活動名新規制基準に対応した安全対策が強化された女川原子力発電所
並びに女川原子力PRセンターの見学
実施日令和元年(2019年)10月31日(木)12:30~18:30
場所東北電力株式会社 女川原子力発電所 女川原子力PRセンター
宮城県牡鹿郡女川町飯子浜夏浜118
敷地面積 約 1,730,000 ㎡
参加者22名 (内計装士会8名)
主催一般社団法人 電気設備学会東北支部
協賛なし
共催一般社団法人 日本電設工業協会東北支部
公益社団法人 日本技術士会東北本部電気電子部会
計装士会
報告者東北・北海道地区担当幹事
大束 裕彦
1.はじめに

 今回の見学会は、東北電力㈱殿のご厚意により一般社団法人電気設備学会東北支部主催、公益社団法人日本技術士会東北本部電気電子部会及び計装士会の共催で実施しました。
 東北電力㈱は、1951年に設立され、東北6 県及び新潟県に電力供給を行っております。
 見学させて頂いた女川原子力発電所は、東北電力初の原子力発電所であり、1984年に1号機、1995年には2号機、そして2002年には3号機の運転を開始しました。
 震災で停止して以降、1~3号機まである発電設備は現在発電しておりませんが、2号機の再稼働に向けて安全対策工事を進めている最中です。
 御担当の方の案内のもと行った施設見学につきまして下記に報告いたします。

2.見学内容

 女川原子力PRセンターにて発電所概要及び実施している安全対策についての説明を受けた後、バスにて場内の見学をさせて頂きました。

 1)女川原子力発電所について

 当発電所は、低濃縮二酸化ウランを燃料とした、1~3号機の発電設備があります。
 発電設備の合計出力は217万4千kwであり、宮城県で使用される1年間の電気とほぼ同じ量の電気を発電することができます。
 1号機は、2018年12月21日に運転を終了しており、34年間の計画で廃炉にしていきます。
 2号機は現在、再稼働に向けた審査のため安全対策工事を進めており、合格すれば東北電力で初の再稼働する原子力発電所になります。
 3号機は現在保守を行っており、2号機に次ぐ再稼働を目指しています。

設備概要

1号機 2号機 3号機 
営業運転開始 1984年6月 1995年7月 2002年1月 
定格電気出力524,000 kw 825,000 kw 825,000 kw 
原子炉形式 沸騰水型(BWR) 沸騰水型(BWR) 沸騰水型(BWR) 
原子炉格納容器 マーク Ⅰマーク Ⅰ 改良型マーク Ⅰ 改良型
燃 料低濃縮二酸化ウラン低濃縮二酸化ウラン低濃縮二酸化ウラン
燃料集合体368体560体560体

 2)震災前の安全対策について

  女川原子力発電所は、発電所としては最も震源地に近く震度6 弱の地震を記録し、福島第一原子力発電所と同じ最大高さ13mの津波に襲われました。しかし、同発電所は大きな被害を受けることはありませんでした。  
 被害を最小限に留めた要因は、「炉を止める」「炉を冷やす」「放射性物質を閉じ込める」という3つの徹底した対策が機能したことにあります。

  昭和三陸地震をはじめ、過去に大津波の襲来があった地域であることを踏まえ、敷地の高さを14.8mに設計しており、そもそも津波が発電所に押し寄せにくい造りになっていました。
 また、震災前に6,600カ所の耐震工事を行っており、揺れへの対策も進めていました。そして安全に炉を停止するために必要な電源として、送電線を複数持っており、そのうち 1回線から受電することで対応可能な状態でした。(図1)
当時は仮に送電線が壊れても非常用電源により、必要な電気は確保できる状態にありました。
 このような徹底した安全対策により発電所は設計通りに安全に停止しました。

*1:東北電力第1回安全検討会資料
図1 震災前の安全対策

 停止後の原子炉は発熱しているので冷却のために水の確保が重要になります。
  緊急時には海水ポンプを用いて水を確保するようになっており、その際に津波の引き波で水が
 逃げないよう傾斜をつけて取水路を設計していました。(図2)
 福島第一原子力発電所では、この海水ポンプが防波堤の内側(発電所側)に設置されており、
 防波堤を越えた津波でポンプが浸水してしまい原子炉冷却ができなくなった問題がありました。                          *1:東北電力第1回安全検討会資料

図2 福島第一原子力発電所との違い

 3)安全な発電所を目指して

 女川原子力発電所は常に新しい技術や知見を導入し、様々なリスクに対して何重にも対策を行っています。
 地震対策として今後起こりうる最大の地震を想定し、東日本大震災の約2倍の地震にも耐えられる建屋づくりを実施しています。また周辺の森林火災が発生した場合に備えて防火帯を設置し、火災による重要施設の機能が失われないようにしています。
 訓練センターでは、約900通りのシミュレーションで運転員の訓練をして、福島第一原子力発電所のブラックアウトの中での運転操作状況も再現することが可能です。
 また、福島第一原子力発電所のように水素爆発を防ぐため、水素結合装置を設置して、触媒による水素と酸素を結合させて水に戻すことで水素を除去し、原子炉建屋内での水素爆発を防止するようにしています。
 さらに、同発電所所員の一部の方は敷地近くの寮に住んでおり、有事の際にはいつでも駆けつけることができる体制を取り、訓練も行っています。
 万一に備えた多くの設備を実際に動かすのは人であり、どんな事態でも冷静・迅速・的確に対応できるよう日頃から訓練は欠かさないとのことです。
 2号機の再稼働に向けて「世界最高水準」の安全レベルである新規制基準のクリアはもとより、発電所で働く人々が一丸となり、自主的な安全性の向上に取り組まれています。
 より厳しい条件を考慮してリスク対策を進めるだけではなく、重大な事故発生にも対応することができる能力強化を実施することで、女川原子力発電所では「常に備える」を意識した安全レベルの強化が図られていました。
 発電所では常に地域と連携して工事を行っています。女川町は海に囲まれ、山による隆起が複雑だったことで水道を引きにくい地域だったそうです。原子炉を冷やすためには大量の淡水が必要で、女川町と連携して水を引くことにより、原子炉の冷却水の確保だけではなく、周辺住民の方への生活用水の確保も行いました。
 さらに、安全対策工事で出た土などは、女川町や石巻市の復興工事に送られており、女川原子力発電所が地域と共にある発電所であると実感することができました。

3.終わりに

 今回の見学会で、東北電力株式会社 女川原子力発電所の皆様にはお忙しい中、説明及び見学のご案内をして頂き、こころより御礼申し上げます。
 参加者からは発電所の安全性向上に向けた取り組みや福島との違いについて関心を持ったとの声が多く寄せられました。通常、簡単には入場できない場所のため、貴重な機会を設けていただいたことに対して、深く感謝したします。

女川原子力PRセンター入口にて(参加者一同)
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活動報告(東北・北海道)

「在室者の気持ちに寄り添う新しい空調計装の世界」 ~個々人の温冷感による空調制御や3次元温熱環境可視化の最新動向~

活動名「在室者の気持ちに寄り添う新しい空調計装の世界」
~個々人の温冷感による空調制御や3次元温熱環境可視化の最新動向~
講師
福田 一成 講師
アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー
マーケティング本部 シニアアドバイザー
実施日令和元年(2019年)9月27日(金) 13:30~17:00
場所ハーネル仙台 「いちょう」 5F
宮城県仙台市青葉区本町2-12-7
参加者21名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者東北・北海道地区担当幹事 郡司 恵次
1.はじめに

 令和元年度東北・北海道地区の勉強会を、令和元年9月27日にハーネル仙台にて実施いたしましたので、ご報告申し上げます。

2.講習会内容

テーマ:「在室者の気持ちに寄り添う新しい空調計装の世界」
 ~個々人の温冷感による空調制御や3次元温熱環境可視化の最新動向~

 下記の内容についてスマート社会IoTに対応したクラウドサービス、シェアオフィスの多様化に対応した新たな空調技術等々今後の動向を踏まえた最新技術事例等を多数ご紹介頂き、 計装士の今後のビジネス展開や知識をご教授頂きました。

  1.新しい空調計装の為のBEMS要素技術
   ・クラウドBEMSサービス
   ・赤外線アレイセンサー

  2.パーソナル温冷感情報による空調制御
   ・室内温度設定が温度制御の最重要ファクタ-で
    ある。
   ・室温設定の問題点
   ・温冷感申告空調の登場
   ・温冷感申告空調の工夫
   ・温冷感申告空調の実証実験

福田 講師

  3.個人が選択する温冷空間
   ・3次元温熱環境可視化システムの構築
   ・3次元温熱環境可視化システムの概要
   ・3次元温熱環境可視化システムの実証事例

   4.さらに気遣いあふれるおもてなし制御
    ~設備の制約を制御でカバーする工夫~
   ・寒い暑いの原因となるVAV最小風量対策
   ・VAV合計風量による給気温度と全閉・ 最小開
    度変更制御
   ・VAV全閉に対する温冷感申告への対応
   ・冷暖同時要求に単一ダクトVAV方式で対応す
    る制御

   ・冷暖フリーVAV制御のトレンドイメージ
   ・冷暖フリーVAV制御の実証実験
   ・温冷感申告による冷暖フリーVAV制御判断
   ・温冷感申告でさらなる快適を提供するこれからの展望

  5.IoT時代への対応・実証事例の紹介
   ・IoTで何が変わるのか
   ・新しいテクノロジー・スタック
   ・ビルにおけるIoTインテグレーション
   ・IoT時代には企業間の連携が不可欠
   ・BEMSによるスマート機器IoT化実証事業

   6.最新政策と計装~省インフラという技術
   ・事例紹介等々

3.まとめ

 本講義を受講させていただき、大変勉強になったと感じています。
 最新のIoTに対応したクラウドサービスの実情や今後動向、オフィスの快適空調制御の 動向など事例を交えながら分かりやすくご説明頂きました。
 最後に、ご多忙にもかかわらず、講師 福田様には厚く御礼申し上げるとともに、ご参加 頂いた皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。

以上

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活動報告(東北・北海道)

「振動と計測 (計装) 機器」

活動名「振動と計測 (計装) 機器」
講師
田村 純 講師
三興コントロール株式会社 計測制御サービス事業部 校正技術部 部長
実施日平成30年(2018年)11月14日(水) 13:30~16:30
場所ハーネル仙台 5F
宮城県仙台市青葉区本町2-12-7
参加者17名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者東北・北海道地区担当幹事 大束 裕彦
1.はじめに

平成30年度東北・北海道地区の勉強会を、平成30年11月14日にハーネル仙台にて実施いたしましたので、ご報告申し上げます。

2.講習内容

テーマ:『振動と計測(計装)機器』

下記の5つのタイトルに分け、振動とは何か、振動をどのように計測するのか、計測することの意味は何
    か、計測の際の校正の重要性など、振動とその計測について専門的な説明をしていただきました。

    1. 振動とは
      ・振動と音の定義
      ・振動の表し方
      ・パラメータの意味
    2. 振動センサ
      ・振動計測の基本
      ・振動センサの原理
      ・各計測器の紹介と原理
    3. 振動の計測と校正
      ・産業における計測する意味
      ・校正方法の基本
      ・トレーサビリティの担保
      ・タービンの監視
    4. 可搬型低周波振動系校正装置
      ・校正、現場校正の重要性                 
      ・振動計校正装置開発の経緯
      ・低周波振動計校正装置を支える標準

田村 純 講師
3.まとめ

 本講義は、まず「計測」「精度」「校正」の定義、及びSI単位の定義を明確にすることから始まり、「トレー
 サビリティ」の重要性を身近な例を交えてわかりやすく解説していただきました。
 次に、振動測定の実例による説明に移っていったため、ひとつひとつの要素を理解しながら受講できました。
 実例として、計測機に振動を与えた様子や振動により計測器が壊れる様子を動画で説明していただき、振動が
 もたらす影響について大変勉強になりました。
 最後に、ご多用中にもかかわらず、講師としてご説明・解説をいただきました田村 純様には厚く御礼を申し
 上げるとともに、ご参加くださった皆様のご活躍をお祈り申し上げます。                                               

                 以  上

勉強会の様子
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国内最大規模で、発電効率も国内トップの 「石炭とバイオマスの混焼による発電設備」の見学

活動名国内最大規模で、発電効率も国内トップの
「石炭とバイオマスの混焼による発電設備」の見学
実施日平成30年(2018年)9月27日(木) 13:00~17:00
場所日本製紙エネルギーセンター株式会社 石巻雲雀野発電所
 宮城県石巻市雲雀野町2-15-4
参加者26名(内計装士会7名)
主催(一般社団法人)電気設備学会東北支部
協賛(一般社団法人)日本電設工業協会東北支部
(公益社団法人)日本技術士会東北本部電気電子部会
計装士会
報告者東北・北海道地区担当幹事
小川 克郎
1.はじめに

 今回の見学会は、日本製紙石巻エネルギーセンター株式会社のご厚意により一般社団法人電気設備学会東北支部主催、一般社団法人日本電設工業協会東北支部、公益社団法人日本技術士会東北本部電気電子部会及び計装士会の共催で実施しました。
 見学した施設、日本製紙石巻エネルギーセンター(株)石巻雲雀野発電所は、平成30年3月に操業を開始したばかりで、2011年の東日本大震災により大きな被害を受けた石巻地域の産業振興及び雇用創出のため設立されました。
 また、環境の面と電力安定供給の面から石炭とバイオマスの混焼による発電設備とし、バイオマス混焼発電所としては国内最大規模で、発電効率も国内トップの42%を実現しています。
 見学の内容を、下記に報告いたします。

2.見学内容

 1)発電設備の概要について

  発電設備の概要および特徴を当エネルギーセンター
 担当者様よりご説明頂きました。
  当発電所の最大発電能力は14.9万kwで、バイオ
 マスによる高い発電効率を実現するため、石炭、接着
 剤なしの木質ペレット及び未利用材(間伐材)を使用
 し、環境・コスト面の負荷を低減しています。
  具体的な燃料の使用量は、石炭を1,000t/日、
 木質ペレットを500t/日未利用材を50t/日使
 用し、熱量比で最大30%のバイオマス混焼を実現し
 ています。 立地は石巻市の臨海工業地域に位置し港に
 直結しているため、燃料は 海路より直接発電所内の未
 利用材及び石炭ヤードに搬入されます。
  また、木質ペレットは発電所に近接した場所に、
 2万トンの保管倉庫を設けています。

中央操作室の様子

  

 2)燃料搬送設備

  燃料となる未利用材・石炭用と木質ペレット用、2
 系統の搬送設備でボイラーの燃料貯槽に運ばれ、どち
 らか 1系統に異常が発生した場合でも安定的に発電で
 きるよ うにしています。
  また、搬送設備のコンベアーは回転軸を持たない空
 気浮上式となっており、安全と防災に万全を尽くして
 います。

燃料搬送設備

 3)石炭ミルとバイオマス

  燃料を高温で効率よく燃焼させるため未利用材・石
 炭用3機と木質ペレット用1機の2種類の専用ミルに
 より、 ミクロン単位まで燃料を粉砕することで国内最
 大の混焼比率(熱量比30%)を実現しています。

 4)微粉炭バーナとバイオマスバーナ

  バーナーは、燃料と空気を適量混合して効率よく燃
 焼させるため、未利用材石炭用と木質ペレット用の2
 種類を設置しています。

石炭ミルとバイオマス

 5)灰(ばいじん)の再利用

  燃料となる石炭・木質バイオマスの燃焼により生じる灰(クリンカアッシュ)及び電気集塵機で捕集された灰
 (フライアッシュ)は一旦場内に貯蔵され、セメントの原料として有効利用されます。

3.終わりに

 今回の見学会で、ご協力頂きました日本製紙石巻エネルギーセンター株式会社様に感謝すると共に、お忙しい中、施設のご説明及び見学のご案内をして頂きました社員の方々にはこころより御礼申し上げます。
 見学会の感想として、雲雀野発電所と隣接する日本製紙石巻工場との間で、法令により発電所との電力連系及び排熱利用が出来ないとの説明が有りました。
 また、木質ペレットも接着剤を使用しないものとするため、海外より輸入しているとのことでした。
 トータル的な経済性・利便性及び安全性を考慮し、法令が足かせとならない柔軟な対応が出来れば より良い施設が出来ると強く感じました。                               

以上

石巻雲雀野発電所にて(参加者一同)
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「計測・校正における不確かさの意味」

活動名「計測・校正における不確かさの意味」
講師
田村 純 講師
三興コントロール株式会社 計測制御サービス事業部 校正技術部 部長
実施日平成29年(2017年)10月25日(水)
場所ハーネル仙台 5F
宮城県仙台市青葉区本町2-12-7
参加者20名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者東北・北海道地区担当幹事 川崎 久
1.はじめに

 平成29年度東北・北海道地区の勉強会を、平成29年10月25日にハーネル仙台にて実施いたしましたので、ご報告申し上げます。

2.講習会内容

テーマ:「計測・校正における不確かさの意味」

   下記の5つの話題に分け、何気なく日常で利用していた 旧来からの「計器」「精度」「校正」の用語の本来の 意味や考え方、そして、新たに加わる「不確かさ」と 考え方やその意味を、専門的な見地から丁寧に解説、 ご教授いただきました。

   1. 計器と精度

   2. 計測と校正

   3. はじめての不確かさ

   4. 試験、検査と校正

   5. ISO9001-2015 Risk-Base Management

田村 純 講師
3.まとめ

 本講義を受講させていただき、大変勉強になりました。日常的に使用している「精度」や「校正」などの定義や本来の意味を、事例を交えてわかり易く解説頂き改めて考えさせられました。
 また、初めて「不確かさ」という考え方を教わり、世界での計測・校正に関する今後の規格化・標準化の流れなども勉強になりました。 最後に、ご多忙中にもかかわらず、講師としてご説明・解説頂きました田村 純様には厚く御礼申し上げるとともに、ご参加頂いた皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。                                              

以 上

勉強会の様子
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東北電力㈱の大型蓄電池システムを利用した、電力系統への最適制御・ 管理技術開発拠点である、中央給電指令所及び西仙台変電所の見学

活動名東北電力㈱の大型蓄電池システムを利用した、電力系統への最適制御・
管理技術開発拠点である、中央給電指令所及び西仙台変電所の見学
実施日平成29年(2017年)8月25日(金) 13:00~16:30
場所東北電力株式会社 中央給電指令所
 宮城県仙台市青葉区本町1-7-1
東北電力株式会社 西仙台変電所
 宮城県仙台市太白区秋保町
参加者33名(内計装士会7名)
主催(一般社団法人)電気設備学会東北支部
協賛(一般社団法人)日本電設工業協会東北支部
(公益社団法人)日本技術士会東北本部電気電子部会
計装士会
報告者東北・北海道地区担当幹事 川崎 久
1.はじめに

 今回の見学会は、東北電力株式会社のご厚意により一般社団法人電気設備学会東北支部主催、一般社団法人日本電設工業協会東北支部、公益社団法人日本技術士会東北本部電気電子部会及び計装士会の共催で実施しました。
 見学した施設は、東北電力株式会社管内すべての電力需給運用及び系統運用を監視・制御する中央給電指令所と、大型蓄電池システムが設置してある西仙台変電所です。
 中央指令所では施設の概要と役割の説明をいただき、コントロールセンターと訓練シミュレータを見学させて頂きました。また、西仙台変電所では施設の概要説明と、平成27年に営業運転を開始した大型蓄電池システムを中心に見学をしました。
 その内容を、下記に報告いたします。

2.見学内容

 1)中央給電指令所の概要と見学について

 はじめに、東北電力様より同施設の概要と役割についてご説明を頂きました。
 同施設は、東北電力が電気を供給する東北6県及び新潟県の電力需給運用及び系統運用をコントロールする中枢であり、季節や時間で左右される電力需要に対応するために電力量を事前に予測し、変化する需要量と発電量を随時コントロールし、周波数及び電圧を安定させた品質の良い電気を供給するとともに、最も経済的な発電を図るため多様な従来方式の発電設備と再生可能エネルギーを利用した発電設備をベストミックスで運用するため、各発電所のコントロールを行っていました。

中央指令所での概要説明の様子

 また、国土の1/5をカバーする総延長60万kmに及ぶ送電網を監視するとともに、災害やトラブルに即時対応するため、電力潮流のコントロール及び他電力会社との広域連携など重要な役割を担っていることをご説明いただきました。
 見学では、この電力ネットワークを大画面で監視・制御する状況や、予測・監視・制御を担当する方々の働く姿を見学させて頂きました。コントロールセンターは5名を一班とし、3交代24時間体制で監視制御が行われていました。
 電力の需給運用は、最新コンピュータシステムを活用して導き出されたシミュレーションを利用していますが、最終的には当日のリアルタイムな状況が大型のモニターに写し出され、その膨大な情報をもとに人間が判断・コントロールしていることに少し驚き、感心しました。
 また、訓練シミュレータでは東日本大震災時に発生した状況をシミュレータ画面に再現をして頂いて、当日の緊迫した状況をリアルに体験することが出来ました。

 2)西仙台変電所の概要と見学について

 仙台市内中心部にある中央指令所での見学を終え、仙台市の西に位置する秋保地区にバスにて1時間ほど移動し、西仙台変電所に平成27年度営業運転を開始した大型蓄電池システムを中心に見学を行いました。
 はじめに、同施設の概要をご説明いただきました。
 変電所としては出力2,900MVAの規模を有し、500kV 送電網を繋ぐ最重要変電所で500kV、275kV、154kVの変電所としての役割を担うとともに、今回の見学の主体となる大型蓄電池システムを国内で始めて導入し、営業運転と連系した実証試験が行われている変電所で有り、設置されている変電所では最大規模の設備との事でした。

西仙台変電所での概要説明の様子

 この大型蓄電池システムの導入目的は、近年導入の進む再生可能エネルギーとの系統連携に安定化をもたらし、再生可能エネルギーの更なる導入拡大を目指すために設置されたもので、一般社団法人新エネルギー導入促進協議会公募の実証事業として運用されています。
 気象条件で出力が変動する風力・太陽光などの発電設備の影響を、従来の発電設備による周波数調整に加え、本設備の充放電により周波数変動抑制対策を行うことが最大の目的とされた設備です。

大型蓄電池設備の説明の様子

 現地を見学すると、多くの蓄電池コンテナが整然と配置された姿は壮観でした。
 その設置数は80台、その中には小型リチウムイオン電池をモジュール化したコンテナ盤が18面格納され合計容量20MWh出力20MW(短時間最大40MW)の能力が有ります。
 設置に当っては火災に備えての安全対策を施し、法的基準をクリアするためにご苦労されて現状のコンテナ形状での分散配置としたとの説明も有りました。
 また、監視制御を行う監視制御棟、昇圧用変圧器を備えた変圧器室、出力500kwのパワーコンディショナー(PCS)80台を配置するPCS室なども見学させて頂きました。
 監視制御棟は、先の見学先である中央給電指令所で算出された充放電量により制御されているとの事でした。

大型蓄電池設備の見学
3.おわりに

 今回の見学会で、ご協力頂きました東北電力株式会社様に感謝すると共に、お忙しい中、施設のご説明及び見学のご案内をして頂きました社員の方々にはこころより御礼申し上げます。                                              以  上

西仙台変電所にて(参加者一同)
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活動報告(東北・北海道)

最新型のガスタービンを採用したコンバインドサイクル発電で 熱効率世界最高水準の火力発電施設の見学 中央制御室、タービンフロア、LNGタンク、防災・地震・津波対策

活動名最新型のガスタービンを採用したコンバインドサイクル発電で
熱効率世界最高水準の火力発電施設の見学
中央制御室、タービンフロア、LNGタンク、防災・地震・津波対策
実施日平成28年(2016年)10月25日(火) 14:30~16:00
場所東北電力株式会社 新仙台火力発電所
宮城県仙台市宮城野区港5-2-1
敷地面積:約325,000㎡
発電出力:98万kW (49万kWx2軸)
参加者28名(内計装士会9名)
主催(一社)電気設備学会東北支部
協賛計装士会
(一社)日本電設工業協会東北支部
報告者東北・北海道地区担当幹事 川崎 久
1.はじめに

 今回の見学会は東北電力㈱殿のご厚意により一般社団法人電気設備学会東北支部主催、一般社団法人日本電設工業協会東北支部及び計装士会の共催で実施しました。
 同社は、民間電力会社です。供給区域は東北6県および新潟県で、1951年(昭和26)電気事業再編成の一環として旧東北配電の供給区域を継承して設立され、現在、新仙台火力発電所は、宮城県内を中心に東北電力管内に電力を供給する中心的な施設です。
 同社のご厚意により、設備を見学することが出来ましたので、下記に報告します。

2.見学内容

 新仙台火力発電所の経緯と概要、そして震災を踏まえた地震・津波対策などをご説明いただき、中央制御室及び平成27年より運用を開始した3号系列の最新式コンバインド発電施設、LNGの受け入れ施設、貯蔵施設を見学させて頂きましたので、見学の内容をご報告いたします。

  新仙台火力発電所について

 同社のS+3E(安全/Safety+安定供給/Energy security、環境保全/Environmental conservation、経済性/Economy)
 の観点に基づき、LNG(液化天然ガス)を燃料としたクリーンで高効率な火力発電所です。
 従来の1,2号機を廃止し、最新の高効率コンバインドサイクル発電設備を採用した3号系列は世界最高水準の熱効率を誇り、地球温暖化や資源の有効利用、低コスト、低炭素社会に寄与する施設です。

  主要設備について

 発電設備の概要は、出力49万kWを発生させる一軸形のコンバインドサイクル発電設備が2基導入されています。
 1500℃級のガスタービン、蒸気タービンと発電機を一軸に配置した構成でガスタービンより排出された645℃の廃熱を廃熱回収ボイラーにより回収し蒸気タービンを駆動させ発電を行うことで、LHV基準で熱効率60%の世界最高水準の効率を誇ります。
(※LHV:低位発熱量(燃料の燃焼によって生成された水蒸気の蒸発潜熱を除いたもの)
 また、CO2排出係数は0.327kg-CO2/kWhであり低炭素社会に貢献をしています。 

3号系列タービンフロア
LNGタンクとLNG桟橋

 LNG燃料施設はタンカーで海上輸送されたLNGを受入、貯蔵、気化する設備で構成され、貯蔵するLNGタンクは地上式PC外槽式円筒竪型貯槽(16万m3)を2基備えています。
 このLNGタンクは-162℃で貯蔵されるLNGの極低温に対応するために、9%ニッケル鋼の内槽と鋼製外槽と断熱層で構成される2重構造で魔法瓶状の形状となっています。
 また、一体化したコンクリート厚1.1m~0.6mの外殻で漏洩を防ぐ一体構造のため、防液提が無い事も特徴
で、敷地を有効に活用できるメリットがあります。
 また、東日本大震災級の地震や津波にも十分耐える設計がなされています。

 気化器はオープンラック式3基が設置されます。
 燃料のLNGはオーストラリア、マレーシア、インドネシア、カタール、サハリンなどの複数の生産者から調達し、安定的な供給を受ける体制を整えていました。また、LNGタンカーで海上輸送されたLNGは桟橋で荷揚げされ、年間100万トンのLNGをスムーズに受入るために、幅広い船型に対応した設備としているとの事でした。
 LNGは硫黄酸化物・ばいじんを排出しないクリーンなエネルギーです。新仙台火力の煙突には希少野生動物種のハヤブサが休憩所を作り生息しているとの紹介もありました。

  運用と安全対策

 同施設の中枢となる中央制御室を見学。
 効率的に配置されたモニターと操作環境が整備され運用されていました。
 4名+αによる交代勤務でほぼフル運転状態で運用されている状況で、他の太陽光発電等の発電状況に合わせ出力を調整しながら運用がなされています。
 施設全体は東日本大震災において津波被害を受けた経験を踏まえ、新たな3号系列は地震津波の対策として、耐震性強化・重要施設の上階化・かさ上げ処置・防潮堤や盛土、植栽による減災対策など多く採用しています。
 LNGの火災対策も含めたトータルでの防災・地震・津波・減災対策を考慮した設備となっていました。

中央制御室
3.おわりに

 今回の見学会で、東北電力株式会社 新仙台火力発電所の皆様にはお忙しい中、説明及び見学のご案内をして頂き、こころより御礼申し上げます。                                以  上

 見学参加者集合写真(玄関入り口前にて)
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活動報告(東北・北海道)

「計装士のための再生可能エネルギーとその利用技術」

活動名「計装士のための再生可能エネルギーとその利用技術」
講師
アズビル㈱藤沢テクノセンター
ビルシステムカンパニー マーケティング本部
部長 福田 一成 講師
実施日平成28年(2016年)10月12日(水)13:30~16:30
場所ハーネル仙台 5F
宮城県仙台市青葉区本町2-12-7
参加者21名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者東北・北海道地区担当幹事  川崎 久
はじめに

 平成28年度東北・北海道地区の勉強会を、平成28年10月12日にハーネル仙台にて実施いたしましたので、ご報告申し上げます。

開会の挨拶

 開会にあたり、計装士会幹事 柴本覚様(アズビル」株式会社)より、 開会のご挨拶をいただきました。

計装士会 柴本幹事挨拶
講習会の様子
講習会内容

テーマ:『計装士のための再生可能エネルギーとその利用技術』

 下記の内容について広い視野で、再生可能エネルギーの長所短所、エネルギー資源の現状、 これまでの政策や歴史、そして今後の動向を踏まえた利用技術や事例等を多数ご紹介いただき、 計装士として携わるビジネス展開や知識についてご教授いただきました。

  1. 再生可能エネルギーとは
     ・再生可能エネルギーの定義・意義
     ・我が国の再生可能エネルギー推進の歴史
     ・今後の導入と技術開発の見通し

  2. 各種再生可能エネルギーの特徴と課題

  3. 再生可能エネルギー利用技術

  4. 欧州最新事例
    ・リオンスマートコミュニティ実証事業
    ・ドイツにおける太陽光・風力大量導入エリアでの需給制御 他

講師 福田一成様
おわりに

 本講義を受講させていただき、大変勉強になりました。

 講師である福田様は、国の政策に携わる多くの委員を歴任された経験と知識から、再生可能エネルギーの定義、枯渇性・非枯渇性といった時間軸などの基本的なエネルギーの資源としての知識。我が国の再生可能エネルギーの推進の歴史・国の政策。エネルギーの供給と需給の見通しと市場動向について。今後の利用に向けての特徴や課題。さまざまな再生可能エネルギーの用途と特徴などの知識。そして欧州の最新事例など、さまざまな観点から、計装士を取り巻くビジネスの変化と環境について解説を頂きました。

 我々計装士の日常業務からは一歩進んだ内容と知識では有りますが、刺激的な内容でした。
 また欧州での再生可能エネルギーの利用状況やスマートコミュニティの実証事業の紹介では、動画を交えた説明で、分かり易く現地の状況や取組みについて、設備の導入をご説明いただき興味を持ちました。
 今後の社会動向の中で計装士のビジネスフィールドはまだまだ多岐に渡り、広範に存在するものと思いましたし、刺激を受けました。

 最後に、ご多忙中にもかかわらず、講師としてご説明・解説頂きました福田様には厚く御礼申し上げるとともに、ご参加頂いた皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。 

以 上

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活動報告(東北・北海道)

「計装士のためのビジネス&パブリックポリシー」

活動名「計装士のためのビジネス&パブリックポリシー」
講師
アズビル㈱ ビルシステムカンパニー マーケティング本部
部長 福田 一成 講師
実施日平成27年(2015年)10月22日(水)13:30~16:30
場所ハーネル仙台 6F
 宮城県仙台市青葉区本町2-12-7
参加者20名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者東北・北海道地区担当幹事  川崎 久
はじめに

 平成27年度東北・北海道地区の勉強会を、平成27年10月22日にハーネル仙台にて実施いたしましたので、ご報告申し上げます。

開会の挨拶

 開会にあたり、担当幹事でおられる西川博康様(東芝プラントシステム株式会社東北支店)より、 開会のご挨拶をいただきました。

西川幹事挨拶
講習会の様子
講習会内容

 テーマ:『計装士のためのビジネス&パブリックポリシー』


  下記の内容について広い視野で、計装士とパブリックポリシーとして、政策とビジネスの係わり、省エネ、省インフラ、計装技術の将来展望などについて説明・解説を頂きました。

  1. パブリックポリシーとは
   ・戦後の経済政策俯瞰
   ・エネルギー政策の変遷と計装のビジネス
   ・環境政策の変遷と計装のかかわり

  2. 震災後のパブリックポリシー
   ~省エネ・低炭素化・節電・事業継続政策と計装技術
   ・震災後のエネルギー政策の変化と省エネBEMS
   ・BASのエネルギーBCP対応
   ・東日本大震災時のクラウドデータによる電力需要分析と節電効果調査事例

  3. 最新政策と計装~省インフラという技術
   ・省インフラとは

  4. 動き始めた省インフラ政策
   ・省インフラと取り入れた公共施設総合計画
   ・国土強靭化と地方創生

  5. 次世代計装技術の展望
   ・BASおよびCEMS
   ・EV充電に対応するビル管理システム

講師 福田一成様
おわりに

本講義を受講させていただき、大変勉強になったと感じています。

講師である福田様は、国の政策に携わる多くの委員を歴任された経験と知識から、私たちが係わる日常業務の視点とは異なる、パブリックポリシーとビジネスという観点から、計装士を取り巻く政策とビジネス環境について、また、それとの係わりや技術についてご説明、解説を頂きました。

時代の変遷によるニーズの変化、そして東日本大震災前後でのパブリックポリシーの変化の中で求められる省エネ、低炭素社会、BCPの流れとの計装技術やBEMSの係わりなどは、現在の社会ニーズを反映した内容で有りました。
 また、現在の日本のおかれる状況として、インフラの老朽化が進み、市場の縮小時代の背景の中で、現在の政権でも掲げる「国土強靭化」「地方創生」といった政策の下で関連予算が立案・推進され、従来の大規模インフラから省インフラという形で動き始めたこと。 

 長寿命化や合理化(コンパクト化、多機能集約化、分散化、バーチャル化など)の必要性と今後のビジネス展開の必要性、可能性。そして、すでに公共団体や地方自治体は地方創生・地域活性化の政策の下で取り組みを始めている社会状況であることが良くわかりました。そして省インフラという技術は今後必ず必要となる不可欠な技術であることが良く理解できました。

 また昨今、省エネや低炭素社会の実現という社会情勢の中で、スマートシティー、スマートエネルギーとBASの連携や、電気自動車の充電とBASの連携などの必要性、クラウド制御技術など、近い将来必要となる次世代の技術について解説いただき、我々のおかれているビジネス環境の変化と、計装士に求められる新たなビジネスチャンスも感じられました。

 最後に、ご多忙中にもかかわらず、講師としてご説明・解説頂きました福田様には厚く御礼申し上げるとともに、ご参加頂いた皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。

以 上