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活動報告(近畿)

「在室者の気持ちに寄り添う新しい空調計装の世界」

活動名「在室者の気持ちに寄り添う新しい空調計装の世界」

講 師
アズビル株式会社
ビルシステムカンパニー・マーケティング本部
シニアアドバイザー 福田 一成 講師
実施日令和元年(2019年)9月20日(金)14:00~17:00
場所TKPガーデンシティー 大阪梅田
 大阪市福島区福島5-4-21 TKPゲートタワービル
参加者11名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者近畿地区担当幹事  三好 真二

 令和初の近畿地区活動として、上記勉強会を実施しました。
 福田講師による勉強会は、平成26年度「計装士のためのビジネス&パブリックポリシー」、平成27年度「計装士のための再生可能エネルギーとその利用技術」に続いて3回目になります。
 今回は、上記テーマの「空調制御の最新動向」及び「IoT時代への対応・実証事例の紹介」 さらに、「最新政策と計装~省インフラという技術」について3時間にわたってご説明いただきました。
勉強会概要は以下のとおりですが、非常に興味深い勉強会となりました。

勉強会概要

 

 1.クラウドBEMSサービスや新たなセンシング技術を駆使して
  「在室者の気持ちに寄り添う新しい空調計装」の最新動向について
   快適を創造することで実現する新たな空調計装へのチャレンジ
   ・温度設定はビルや機器に帰属するものではなく、人に帰属するべき.
   ・均一な温度制御から人が好みの温冷空間を選択できるようにする.
   ⇒エネルギーのムダを省き、居住者に“おもてなし”を提供するこれからの空調制御
   ●新しい空調計装のためのBEMS要素技術
   ・クラウドBEMSサービス:クラウドサービスによる新たな価値/コストメリット/TS(テナントサービス)/情報共有 の活用/温冷感申告への活用/温冷感申告カード
   ・赤外線アレイセンサー
   ●パーソナル温冷感情報による空調制御
   ・室温設定の問題点
   ・温冷感申告空調の登場
   ・温冷感申告空調の工夫:「過剰冷暖設定への対応」、「申告判別」、 「環境による判別」、「時間帯による判別」
   ・温冷感申告空調の実証実験
    ・前回と異なる申告がどのくらいの割合で起こるかを調べ、制御の妥当性を評価.
    ・そのうえでリセット機能有り、無しで申告の発生頻度を実測.リセット機能があると極端な温度設定が抑制され省エネであることが分かった.
   ●個人が選択する温冷空間
   ・3次元温熱可視化システムの構築・概要
    環境計測データとCFD解析を組み合わせて、室内の温度分布情報を3次元的に可視化.
   ・3次元温熱可視化システムの実証事例
    CFD解析、CFD解析の簡素化、簡単CFD解析の評価
   ●さらに気遣いあふれるおもてなし制御
   ~設備の制約を制御でカバーする工夫~
   ・寒い暑いの原因となるVAV最小風量対策
   ・VAV合計風量による給気温度と全閉・最小開度変更制御
   ・VAV全閉に対する温冷感申告への対応
   ・冷暖同時要求に単一ダクトVAV方式で対応する制御
   ・冷暖フリーVAV制御
   ・温冷感申告による冷暖フリーVAV制御判断
   ・温冷感申告でさらなる快適を提供するこれからの展望
   ・「温度」だけでなく、「温度、湿度、気流、放射温度」など様々な観点で制御.
   ・人は、周期的に快適感を感じると、満足感が向上する.

  2.IoT時代への対応・実証事例の紹介
    IoTで何が変わるのか
    新しいテクノロジー・スタック、ビルにおけるIoTインテグレーション、
    IoT時代には企業間の連携が不可欠
   ●BEMSによるスマート機器IoT化実証事業
   スマート設備機器インテグレートの例として、これまでなかったトイレ設備の統合化
   ●取り組みの背景・目的
    トイレのBEMS接続によって、以下の効果が期待できる。
   ・設備管理の効率化
   ・トイレ利用者の利便性向上
   ・設備設計支援
   ●実証環境、実証概要、収集データ

 3.最新政策と計装~省インフラという技術
   「省インフラ」とは、これまでの大規模なネットワークインフラに依存していた社会ではなく、できるだけインフラの負担を軽減しながら、質の高い生活を維持するためのサービス提供の方法、技術
    暮らし方の総称.
   ●震災後の安倍政権での新しい政策
   ●モノもサービスも市場が縮小する時代へ
   ・「だから海外」では、国内は空洞化
   ・2020年は縮小する現実に沿った対応へのはじまり
   ●さらに迫る朽ちるインフラ問題
   ●最近のインフラ崩壊事例
   ●成長と成熟のシティマネジメント
   ●省インフラの手法:3階層マネジメント
   ・施設を維持するのではなく、機能を維持する考え方
   ・公と民の連携が必須
   ●省インフラの技術1:インフラの物理的総量を減らすさまざまな技術
   ●省インフラの技術2:ライフサイクルコストを削減する多様な技術が必要
   ●事例1 広域化  
   ●事例2 多機能化
   ●事例3 工場機能のインフラ活用  
   ●最近の省インフラ関連政策  
   ●建設・インフラ関連政策と省インフラ
   ●省インフラに必要な人材  
   ●システムインテグレーター~悉皆屋  
   ●「省インフラ」に貢献する計装技術
    モノだけに頼らず、ものをうまく使いこなすというのは、計装技術が得意とする分野である。

福田講師
聴講風景
所 感

 本日の勉強会を通じて、快適性とは何か、利便性とは何か、それを実現するためにはどうするのか?改めて、考えさせられました。これまでの「センサー情報により、装置、機械をどう制御するか」という制御から、「人を中心に、人がどう感じているかといった情報により、人が快適と感じる状況をどう現出するか」という制御へ。あるいは、「与えられた様々な情報から、人が利便性を感じるような情報はどの様な情報で、それをどの様に表現するのか」、等々。
 計装士会として、今後さらに、有益な情報提供、情報交換の場であるように講演会、見学会等を企画、開催していきたいと思います。
 最後になりましたが、今回の勉強会にご尽力いただきました福田講師、(一社)日本計装工業会殿の関係者の皆様と計装士会の関係者の皆様には心より感謝と御礼を申し上げます。

以 上

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活動報告(近畿)

音羽電機工業株式会社 雷テクノロジセンター

活動名音羽電機工業株式会社 雷テクノロジセンター
実施日平成30年(2018年)11月29日(木) 15:00~17:00
場所音羽電機工業株式会社 雷テクノロジセンター
  兵庫県尼崎市潮江5-6-20
参加者10名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者近畿地区担当幹事 大久保 精之
1.はじめに

 本年度の見学は、音羽電機工業雷テクノロジセンターを訪問しました。
 音羽電機工業様は、主に避雷器を製造販売されている会社です。その中で、雷テクノロジセンターは日本で唯一の雷試験専門の試験センターであり、2008年開所以来10年で約33,000人の見学者が訪れています。
 雷の持つエネルギーは約1億ボルトで10万アンペアあり、雷の被害はおよそ年間2,000億円から3,000億円とのことでした。航空機への直撃来も年間200回程度発生しており、航空機は落雷を前提に製造されているそうです。これらの避雷器に関する試験を行う試験場の雷テクノロジセンターを見学しました。

2.施設概要

 同センターでは、世界最大クラスの雷発生器を用いて雷対策製品の開発や試験を日々行っています。また、雷に関する多くの資料が展示されていました。
 見学会では実際に雷対策製品や雷の発生の仕組みなどを学び、雷を疑似体験することで雷の世界に触れることができます。また、雷の受託試験を受け付けておりおりロボットや航空機などの試験を行っていました。

3.見学内容

  ①まず専門のスタッフによって、雷の発生のしくみや見学の注意事項のレクチャーを受け、雷に関する説明やビデオを鑑賞します。
  ②雷ミュージアムにて、雷に関する製品や資料を閲覧しました。また、飛行機に直撃する雷の貴重な映像もご紹介いただきました。

雷の名前が付く神社や地名
避雷器の材料 (酸化亜鉛素子)
カミナリ記憶カード
雷トリップブレーカリセット器

  ③実験施設では、雷の試験設備と専門のスタッフによる雷の発生のしくみの説明を受け、実際に試験設備を使って雷を発生させ避雷器(SDP)の効果を見ることができました。
   避雷器(SPD)の寿命は、特になく性能限度内であれば繰り返し性能を維持するとのことで、試験場のテスト用避雷器は開所以来壊れることなく使い続けているとの事でした。
  ④そのた、関連会社による低圧・高圧用検電器の説明もして頂きました。

集合写真
4.おわりに

 この度は、身近な避雷器ですが普段体験できない落雷を疑似体験できたことは大変有意義な見学会と感じました。
 最後に、関係各所の皆様のご協力で無事に見学会を遂行することができました、厚くお礼申し上げます。

以 上

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活動報告(近畿)

「振動と計測(計装)機器」

活動名「振動と計測(計装)機器」

講 師
三興コントロール㈱
計測制御サービス事業部
校正技術部 部長 田村 純 講師
実施日平成30年(2018年)8月9日(木)14:00~17:00
場所TKPガーデンシティー 大阪梅田
 大阪市福島区福島5-4-21 TKPゲートタワービル
参加者17名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者近畿地区担当幹事  三好 真二

 平成30年度近畿地区上期活動として、上記勉強会を実施しました。
 「振動とは?」から始まり、振動センサ、計測と校正、校正装置、さらに3.11と加振試験にいたるまで、豊富な資料をもとにご説明いただきました。

講義内容

 1.振動とは
   振動の発生と現象/騒音と振動/振動の表し方/振動の基本単位/振動量の大きさ(振幅)/振動の大きさの表し方/振動パラメータの意味/振動の基本的なパラメータ/振幅の表し方/各パラメータと感覚/各パラメータの関係/分析結果の差
 2.振動センサ
   振動計測の基本/振動センサの原理/サーボ加速度計/圧電センサ/動電センサ/過電流 センサ/静電容量
   式センサ/レーザードップラー振動計/地震動の計測/地震計の例/ 地震計の校正とトレーサビリティ/ハンディ型振動計の特徴
 3.振動の計測と校正
   振動の計測/(工業)計測の意味/校正は特性評価の条件/校正で被校正計器のこと/ dB(デシベル)/振動量のトレーサビリティ/振動変位、速度量のトレーサビリティ/振動加速度の国家標準/振動加速度の標準供給/振動加速度の校正方法/振動加速度の トレーサビリティ/弊社の標準振動加速度校正システム/弊社標準器の校正結果/トレーサビリティの担保/管理精度と許容値の源/ AIST/NMIJの研究課題になりました
   (低周波交流電圧標準の開発)/交流電圧標準に対応する国内の要望/代表的標準研究機関の校正能力
 4.TSI(タービン監視計器)
 5.開発した可搬型振動計校正装置
   校正の重要性/検査・試験は校正がベース/計測値の信頼性/ループ校正と管理精度(許容値)/ループ校正の考察/振動計校正装置開発の経緯/DUTの管理精度 vs校正精度/市販の可搬型?振動計試験、検査装置の例/加振部の概要/3種類の加振部/計測制御部の顔/校正の情報/校正装置内蔵の標準振動センサ/本装置の優位性/低周波振動計校正装置を支える標準/反省とこれから
 6.伸び&伸び差計校正装置
   伸び計と伸び差計の使用目的/長さ(静的変位)の標準/伸び計校正装置/ 伸び差計校正装置/非接触変位
   計校正装置/その他の振動系付帯校正装置/ 開発した可搬型振動系校正装置のカタログ
 7.3.11と加振試験
   計装機器と加振試験/加振システムの概要/水平加振装置の構成機器/加振システムの実際振動発生の原理と構造/加振力の算出/加振試験の基本/加振の種類/スィープ(掃引)と変調波形加振・重要な事!/記録計用の冶具/取り付け冶具の共振探査も重要/冶具に取り付けた記録計/冶具に取り付けた液体膨張式温度計/共振の探査の重要性/共振現象/共振周波数は・オクターブ/地震動の波形/合成加振波形/唸り波形加振/加振の方向/加振の方向とその大きさ/振動加速度、galと重力加速度/計装機器と加振試験/加振試験のRS/加振試験項目と手順/振動試験の仕様例/振動試験の主な仕様/加振試験の実体イラスト/DUTと加振方向(X,Y,Z軸)/掃引試験の結果画面/実際の掃引試験結果の画面/健全性試験
 8.宣伝とおまけ
   開発した校正機器群/新たな受託校正システム/SI単位が変わります(2018.11)

田村講師
聴講風景
聴講風景
所 感

 大阪では6月18日7:58の大阪府北部地震を体感した直後でもあるので、関心度は高かった様に思います。全体で約3時間に及び、内容的にもかなり難しかったようにも感じましたが時間を感じさせない有益な勉強会となりました。
 計装士会としても、今後さらに、有益な情報提供、情報交換の場であるように講演会、見学会等を企画、開催していきたいと思います。
 最後になりましたが、今回の勉強会にご尽力いただきました田村講師、(一社)日本計装工業会殿の関係者の皆様と計装士会の関係者の皆様には心より感謝と御礼を申し上げます。

以 上

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活動報告(近畿)

キューピー株式会社 神戸工場

活動名キューピー株式会社 神戸工場
実施日平成30年(2018年)2月15日(木) 13:00~17:00
場所キューピー株式会社 神戸工場
  兵庫県神戸市東灘区深江町27-1
参加者19名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者近畿地区担当幹事 堀田 保
1.はじめに

 平成29年度近畿地区の活動として、2月15日に上記見学会を開催しましたので、 以下に概要を報告致します。

2.キューピー株式会社 神戸工場

 (1)見学施設概要
    神戸市に新設した「キユーピー神戸工場」は、2016年10月に操業を開始しました。
    国内に工場を新設するのは10年ぶり、マヨネーズの主力工場としては、 45年ぶりとなります。
    主な製造品目は、「キユーピーマヨネーズ」「キユーピードレッシング」など、 家庭用調味料の基幹商品、および業務用のマヨネーズ・ドレッシングです。
    神戸工場は、グループのモデル工場と位置付け、環境に配慮した省エネ設計、 最新技術の導入により効率化・高品質化を目指しています。
    マヨネーズの充填ラインでは、従来設備と比較して約2倍のスピードアップを図り、タイムリーな生産がよりたやすくなっています。
    神戸工場の調味料生産量は、グループの全調味料の約3割を占め西日本のマザー工場として主力製品の製造を担っています。

 (2)見学内容
   【ホール】
    野菜や卵の知識、キユーピーグループのものづくりへの想い、商品の歴史が楽しみながら学べます。
    自由に触りながら選んで学べる展示ゾーンになっていて、お子様連れでも楽しめるような工夫が施されていました。

   【映画鑑賞】
    マヨネーズやドレッシングの作り方や野菜についての映画を鑑賞しました。
    マヨネーズ誕生秘話
    発祥:地中海のメノルカ島
    リシュリュー侯爵が港町マオンでお肉に添えてあるソースに出会う。
    味を気に入りそのソースを「マオンのソース」として紹介した。
    それが「マオンネーズ」になり、のち「マヨネーズ」となったと言われています。
    日本初のマヨネーズ誕生
    創始者中島董一郎はアメリカで缶詰の勉強をしていました。
    当時からアメリカでは、日常的に野菜サラダが食べられていました。
    その調味料はマヨネーズでおいしくて栄養価も高いと注目し、 帰国後日本人の体格向上を願って、当時の輸入品を比べて約2倍の卵黄を 使ったといわれる栄養価の高いマヨネーズを日本で発売しようと考えました。
    1925年3月ついに、日本初のマヨネーズの製造に踏み切ります。
    商品名は「キユーピーマヨネーズ」。
    誰からも愛されるようにと名付けられたそうです。
    由来は、「キューピーちゃん人形」ですが、社名は小字を用いず 「キューピー」ではなく、「キユーピー」です。

   【製造工程の見学】
    ドレッシングの製造工程を担当者の方に説明されながら見学しました。
    写真撮影不可でしたが、包装ラインなど最先端の設備に感嘆しました。
    製造工程の概要
    原料到着→原料の品質検査→調合→充填→キャップ締め→印字→包装→箱詰め→出荷となり、ドレッシングの製造ラインでは、ドレッシングの充填、ラベル貼り、 箱詰めまでの工程を見学しました。
    ドレッシングの瓶が流れていく速さには驚きです。
    次回機会があれば、マヨネーズの製造工程も見学したいと思います。

   【試食】
    野菜スティックと一緒に様々なドレッシングやマヨネーズの試食をしました。
    マヨネーズ・ドレッシングを色々比較しながら食べることはなかったので、非常に良い体験となりました。

   【土産】
    ドレッシングのお土産を頂けました。

試食       
集合写真

”ようこそキューピー神戸工場へ”

5.おわりに

 今回は、年度末の多忙にもかかわらず多くの方、また多数の会社の方に ご参加いただくことができ、皆さまには心からお礼を申し上げます。
 大変有意義な見学会になったと感じております。
 キユーピー神戸工場においては、厳選された原料を使用し、こだわりの製法で おいしいマヨネーズをつくっているということを強く感じました。
 次回も多数参加していただけるような見学会を企画していきたいと思います。
 最後に今回の見学会にご協力いただいた、キユーピー株式会社様はじめ、 関係各位に厚く御礼申し上げます。

以 上

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活動報告(近畿)

第1部「化学・石油精製プラントの運転中の事故防止の考え方」 第2部「プロセスプラントにおける『ものずくり×loT』を考える」

活動名第1部「化学・石油精製プラントの運転中の事故防止の考え方」
第2部「プロセスプラントにおける『ものずくり×loT』を考える」
講師
第1部九州大学 名誉教授 工学博士
 松山 久義 様
第2部アズビル㈱ アドバンスオートメーションカンパニー
 SSマーケティング部 2Gr グループマネージャー
 高井 努 様
実施日平成29年(2017年)7月7日(金)13:30~16:00
場所新梅田研修センター
 大阪市福島区福島6-22-20
参加者81名 (計装士会12名)
主催(一社)日本計装工業会
協賛計装士会
報告者近畿地区担当幹事  三好 真二

 平成29年度近畿地区上期活動として、(一社)日本計装工業会主催の「特別講演会IN大阪」に共催という形で参加させて頂きました。
 第1部では、プラントの運転中に発生する保安事故を対象にそれを防止する仕組みの理想的構造と現実の構造について、現在の技術レベルおよび経済状況という制約下で実現に努力すべき現実的な事故防止の仕組みの構造について、特に計装に関係のあるところを中心にご説明頂きました。
 第2部では、日本政府が掲げる「超スマート社会」の実現に向けて物凄いスピードで進化し続けている中で、ものづくりの現場として「超スマート工場」とはどういうものか、その実現の ためにはどういうことを考えていかなければならないかについてお話頂きました。

講演内容

 第1部:化学・石油精製プラントの運転中の事故防止の考え方
   1.はじめに
   2.事故防止の仕組み
     2.1 設計中心の事故防止の仕組み
     2.2 運転中のプラントの事故防止の仕組み
      2.2.1 危険源の列挙
      2.2.2 引金事象の分類
      2.2.3 多重防御層
      2.2.4 現実の多重防御層の構造
      2.2.5 事故の分類
      2.2.6 事故防止へのアプローチ
   3.引金事象の列
     3.1 外乱の列挙
     3.2 誤操作の列挙
     3.3 故障の列挙
     3.4 誤作動の列挙
   4.多重防御層内の危険源のリスク評価
     4.1 基盤層内の危険源
      4.1.1 基盤層の分解
      4.1.2 誤操作防止(L0(B))内の危険源
       4.1.3 故障防止(L0(C))内の危険源
      4.1.4 誤作動防止(L0(D))内の危険源
     4.2 第1層内の危険源
      4.2.1 第1層の分解
      4.2.2 外乱防御・影響緩和(L1(A))内の危険源
      4.2.3 フールプルーフ(L1(B))内の危険源
     4.3 第2層内の危険源
      4.3.1 第2層の機能不全と危険源との関係
      4.3.2 対応操作実行中の誤操作とその危険源
      4.3.3 対応操作実行中の誤操作防止の活動
      4.3.4 環境整備
      4.3.5 対応操作実行中の誤操作防止の信頼度
     4.4 第3層内の危険源
      4.4.1 第3層の危険源の分類
      4.4.2 設備の能力不足
      4.4.3 設備の故障
      4.4.4 保安設備作動中の介入
       4.4.5 第3層の信頼度
   5.まとめ
     5.1 漏洩事故の防止
     5.2 第2層と第3層の入れ替え
     5.3 外乱防御・影響緩和のバックアップ
     5.4 実現に努力すべき多重防御層の構造
   6.残された課題

 第2部:プロセスプラントにおける『ものづくり×IoT』を考える
   第1章 今、何が起こっているのか
     ●技術ブレークスルー
     ●主要国の動き
     ●世界に先駆けてた『超スマート社会』の実現(Society 5.0)
     ●未来投資戦略2017から見えてくる超スマート工場
     ●社会の進化は加速
   第2章 ICTやAIの発展と人の役割
     ●ICTとAI
     ●AIの正体
     ●AIの限界
     ●AIと人のリスク要因の比較
     ●AIと人の相補関係
     ●10年後のプラント運転を考える
   第3章 超スマート工場の運転管理
     ●日本のプラント運転管理の現状と課題
     ●ものづくり×IoT 3つのポイント
     ●熟練運転員の叡智を継承・超越する「IoTエージェント」
     ●IoTエージェントを司る「データエンジニア」
     ●データエンジニアを支援する「スペシャリストネットワーク」
   まとめ
     ●超スマート社会と呼ばれる第5次社会は、明確にその姿を現し、物凄いスピードで進化し続けていくであろう。
     ●その真っただ中にいる今、ものづくりの現場を「超スマート工場」として進化させるためには、まず、今の業務をしっかりと分析し、その課題と課題解決時の得られる価値を見据えることが重要である。
     ●そして、課題解決に適合する手段として、最新の技術や既存の技術の応用による現場毎の第二、第三の目となるIoTエージェントを導入していくことが鍵となると考える。
     ●今のAIは強力なパターン処理マシン。制約は有る。
       ⇒ 進化を続けるためには、人の関与が必要。
       ⇒ AI(やICT)と人との相補関係が生産に価値を与える。人の仕事の価値を高める。
       ⇒ IoTエージェント、データエンジニア、スペシャリストネットワークが連携する環境の構築。
     ●第5次社会は、これまでの働き方を変える時代でもある。
       ⇒ 物質、エネルギー、情報と時代とともに重要視する対象は変化してきた。
       ⇒ 第5次の社会、そして工場は、人を中心とした価値をより重視する社会へと進化する。
     ●超スマート工場の実現とは、IoT技術活用を考える以前に、スマートな人の行動、働き方を考え、大きく
      変革することで、人にとってより豊かな社会を築くための礎となる新しい製造スタイルの創造であるか
      もしれない。

所 感

 全体で約2時間、各1時間程度の講演となりましたが、それぞれ非常にボリュームある内容だったので、あっという間に時間が過ぎ去りました。アンケートからも、もう少し時間があれば良かった、もっと詳しく聞きたかった、という感想も有り、大変有意義な講演会となりました。
 計装士会としても、今後さらに、有益な情報提供、情報交換の場であるように講演会、見学会 等を企画、開催していきたいと思います。
 最後になりましたが、今回の講演会にご尽力いただきました松山先生、高井先生、(一社)日本計装工業会殿の関係者の皆様と計装士会の関係者の皆様には心より感謝と御礼を申し上げます。

以 上

瀬尾専務理事 挨拶
松山先生 講演風景
高井先生 講演風景
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活動報告(近畿)

量子科学技術研究開発機構 関西光科学研究所

活動名量子科学技術研究開発機構 関西光科学研究所
実施日平成29年(2017年)2月23日(木) 13:00~17:30
場所量子科学技術研究開発機構 関西光科学研究所
  京都府木津川市梅美台
参加者13名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者近畿地区担当幹事 大久保 精之
1.はじめに

 平成28年度近畿地区の活動として、2月23日に上記見学会を開催しましたので、以下に概要を報告いたします。

2.見学内容

 (1) 見学施設概要
 (2) 実験施設の見学
 (3) スーパーサイエンスセミナー
 (4) レーザーでコンクリートの健全性の検査を遠隔・高速で行う

3.関西光科学研究所(木津地区)

 (1) 見学施設概要 
    関西光学研究所は、国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 量子ビーム科学研究部門のなかでレーザー光を利用した研究を行っている施設です。
    レーザー光とは、空間的にも時間的にも同じ波長を集めた光りのことです。同研究所では、世界トップクラスの極短パルス超高強度レーザーと1秒間に千発のレーザーパルスが繰り出せる高平均出力ピコ秒パルスレーザーの2つの特徴を持ったレーザー光発生装置を有し、イノベーションの創出に向け産業・医療応用に向けた研究を行っていました。

関西光科学研究所及びKARENレーザー (同HPより)
施設概要説明
レーザー光発生装置
非侵襲血糖値センサーの開発

 (2) スパーサイエンスセミナー概要
    セミナーは、レーザーでコンクリート内部の欠陥を素早く検知する技術の開発で、「振動励起レーザー」の照射により、トンネルコンクリート壁を振動させ、内部の欠陥に起因する特異な振動を「計測用レーザー」で検知することで、コンクリート内部の欠陥情報を画像として取得するものでした。
    現在は検査の速さが人の手による打音法に比べ50倍速いレベルに達しており、今後は更に高速かつレーザー光の強度を高めコンクリート検査の深さ方向を60mmから100mmに高めたいとのことでした。

レザー欠陥検出法のイメージ (公財)レーザー技術総合研究所提供
4.おわりに

 見学会に参加頂いた皆様からアンケートで、この見学会を通じて見識・知見を広めることができ参加してよかった、次回も参加したいとのご意見を受け有意義な見学会になったと感じました。
 最後に、関係各所の皆様のご協力で無事に見学会を遂行することができました、厚くお礼申し上げます。

以 上

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活動報告(近畿)

「計測・校正における不確かさの使い方」

活動名「計測・校正における不確かさの使い方」
講 師
三興コントロール㈱
校正技術部 部長 田村 純 講師
実施日平成28年(2016年)10月20日(木)14:00~17:00
場所TKPガーデンシティー 大阪梅田
 大阪市福島区福島5-4-21 TKPゲートタワービル
参加者17名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者近畿地区担当幹事  三好 真二

平成28年度近畿地区活動として上記勉強会を実施しました。豊富な資料をもとに3時間にわたりご説明いただきました。内容の概要(項目)は以下のとおりです。 

講義内容

 1.計測と精度
    ・まちがえやすい言葉
   「繰り返し性」と「再現性」
    ・2つの精度
    計測時の精度 : 再現性
     管理制度 : 繰返し性
    ・もう一つの2つの精度
    カタログ精度
    管理精度
    ・精度はセンサ・計測機器の性能の「一つ」
    ・カタログ表記、計測時、管理精度の意味
    ・使用者が精度をどのように捉えているかが重要!

 2.計測と校正
    計測
    ・長期安定性に優れているか
    ・計測範囲の直線性が良いか
    ・環境適合性(≒再現性)に優れているか
     ・必要な管理精度(許容値)をきめているか
   校正
    ・規格・基準に「寄り掛かる」思考からの脱却
    ・試験・検査と校正の違いを認識する
    ・自社の標準(値)を持つことが必要
    ・開示必要な文書は汎用性の高い用語を使用
    ・要員の教育訓練と技能評価システムを確立する

 3.初めての不確かさ
    ・「不確かさ」評価は世界的約束ごと、決め事
    ・計測値、校正(試験)値の信頼性は「不確かさ」
    ・表舞台(規格・基準)から「誤差」が消えた
    ・トレーサビリティの確保にも注意が必要
    ・今まではセンサ、計測機器や分析計の性能の「良さ」を精度と言う用語で表記して いた。
    ・それはバラツキが存在しない観念的、絶対的な基準器との比較で確かめていた、
     その計測(校正)結果の良さを「誤差」で表していた。
    ・カタヨリ(偏差)も、バラツキ(不確かさ)も持つ標準器(物質)と比較し、結果のカタヨリ(偏差≒誤差)はありのままの姿として捉え、校正結果の信頼性をその存在範囲(バラツキ)で表す約束をした。
    ・その存在範囲を「不確かさ」と呼ぶことにした。

 4.校正結果の見方
   校正は「不確かさ(数値)」を求めることが主な目的ではない。
   校正結果(値)を求める為に最大の努力をすると、必然的に「不確かさ(数値)」が付いてくる。

 5.校正にまつわる項目
   適合性評価
   有効期限
   トレーサビリティ

受講アンケート結果

 1.勉強会の内容について・・・「満足、ほぼ満足」:92.9%
 2.業務に役立つか ・・・「役立つ・少し役立つ」:100%
 3.興味のあった話題・項目
     ・初めての不確かさ ・・・ 57.1%
     ・校正結果の見方 ・・・ 42.8%
 4.時間   ・・・「普通」:78.5%
 5.勉強会について ・・・「また出席したい」:85.7%

田村講師
聴講風景
聴講風景
所 感

 今回の勉強会は、計装にとって最も重要な項目・内容と言えます。アンケート結果に見るように非常に満足度は高かったようです。また、「役立つ・少し役立つ」が100%とこれまでにない数字となりました。
 田村講師から、「今日は、“不確かさ”がどんなものか感じてくれれば結構です」という話から はじまりましたが、むしろ、測定、計測・計量、校正等、もう一度、学びなおす必要があるのでは、と感じました。
 最後になりましたが、熱心にご説明頂いた田村講師に対し深謝するとともに、益々のご活躍をお祈り申し上げます。

以 上

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活動報告(近畿)

「再生可能エネルギーとその利用技術」

活動名「再生可能エネルギーとその利用技術」
講師
アズビル㈱ ビルシステムカンパニー マーケティング本部
部長 福田 一成 講師
実施日平成27年(2015年)9月30日(水)14:00~17:00
場所TKPガーデンシティー 大阪梅田 8階C室
 大阪市福島区福島5-4-21 TKPゲートタワービル
参加者18名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者近畿地区担当幹事  大久保 精之
講義内容

  1) 再生可能エネルギーとは
  2) 各種再生可能エネルギーの特徴と課題
  3) 再生可能エネルギー利用技術
  4) 欧州最新事例 

受講アンケート結果

  Q1.勉強内容について     満足+ほぼ満足 95%
  Q2.業務に役立つ      役立つ+少し役立つ 100%
  Q3.興味あった内容     全般に興味ありの感想、中でも欧州事例は多かった
  Q4.時間            普通 90% やや長い 10%
  Q5.勉強会に         また参加したい 90% どちらでもない 10%
  Q6.参加について       本人の希望 72% 上司の指示 17%
  Q7.計装士会へのご意    普段はここまで深く考えない部分の勉強会で有意義でした

講演風景
聴講風景
福田講師
所 感

 今回は、幅広い方に興味のあるテーマだったようで若手からベテランまで多くの方にお集まりいただいた。盛りだくさんの内容で、勉強会後のアンケート結果から役立つ内容として、太陽光発電の方向性や課題の解説、スマートグリッドの運用課題、海外の発電エネルギー事例と国別エネルギー源比率など書ききれないほどに感想があり、全体で3時間の勉強会となりましたが、講師の豊富な経験と知識で大変有益な勉強会となりました。
 計装士会としては、このような有益な情報提供、情報交換の場を今後も提供していきたいと思います。
 最後になりますが、今回の勉強会にご尽力いただきました福田講師、計装士会の関係者の皆様には心より感謝を申し上げます。

以 上

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活動報告(近畿)

大阪ガス株式会社 ガス科学館

活動名大阪ガス株式会社 ガス科学館
実施日平成27年(2015年)2月10日(水) 9:00~16:00
場所大阪ガス株式会社 ガス科学館
  大阪府高石市高砂3-1
参加者14名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者近畿地区担当幹事 堀田 保
1.はじめに

 平成27年度近畿地区の活動として、2月10日に上記見学会を開催しましたので、 以下に概要を報告致します。

2.見学施設概要

 ガス科学館は、「地球環境の保全とエネルギーの有効利用」をテーマに 1982年に開館しました。映像や参加型展示物を通して天然ガスをはじめとする エネルギーと地球環境について学んだり、科学の不思議を体感できる ガスの総合科学館です。

3.見学内容

  泉北製造所の概要
   LNG(液化天然ガス)を原料に都市ガスを製造する大阪ガス㈱の主力工場です。
   人と技術で世界に羽ばたくLNG基地を目指し、都市ガスと電気と冷熱により、 マルチエネルギー事業を展開されています。
   第一工場と第二工場を合わせた面積は約100万㎡とガス送出量の約70%を製造しています。

   ・地球にやさしいエネルギーLNG
   LNGタンクは2タイプからなる。
   金属二重殻式LNGタンク・・・防液堤を有する在来型
   PC-LNGタンク・・・・・・防液堤を外層に密着させることにより、大容量化を実現いずれも、高度な安全構造になっている。

   見学コース巡回
   専用の天然ガス自動車(バス)により、現地の大型パネルを利用して分かりやすい説明を 受けることができました。

   ・泉北天然ガス発電所
   天然ガスを用いた高効率でクリーンなシステムで発電しています。
   発電方式
   ガスタービンコンバインドサイクル発電方式
   発電規模
   第二工場 1号機・2号機 合計 554,000kW
   第一工場 3号機・4号機 合計 555,000kW
   日本最大級の計110,9万kWの発電を行っています。

   ・LNGの冷熱をさまざまな分野で有効活用しています。
   LNGは-160℃という超低温の「冷熱」を持っています。
   この冷熱はLNG1㎏あたりで約920kJ(約220kcal)の機械エネルギーに相当します。
   泉北製造所では、隣接企業と共に冷熱をエネルギーに用いる液化炭酸設備・ 空気液化分離設備・LNG冷熱発電設備などの多彩な事業を展開している。

   ・ガス科学館
   世界初のデジタル地球儀“触れる地球”を体感してみよう。
   雲や海流の動き、地球温暖化のシミュレーションなど、地球のダイナミズムを 目で見て体感できます。

   気体の不思議
   -196℃の液化窒素を用いた冷熱実験や「炎色反応」「パスカルの原理」などが 理解できる参加型展示物を通して、科学の不思議を体感できます。

触れる地球
ようこそガス科学館へ集合写真
3.おわりに

 今回は、年度末の多忙にもかかわらず多くの方々に参加いただき、大変有意義な見学会になったと感じております。
 大阪ガス株式会社ガス科学館においては、製造所内の見学コースを専用のバスにて巡回しましたが、工場とは思えないくらい静かで管理されていると感じました。
 次回も多数参加していただけるような見学会を企画していきたいと思います。
 最後に今回の見学会にご協力いただいた、関係各位に厚く御礼申し上げます。

以 上

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活動報告(近畿)

「計装士のためのビジネス&パブリックポリシー」

活動名「計装士のためのビジネス&パブリックポリシー」
講師
アズビル㈱ ビルシステムカンパニー マーケティング本部
部長 福田 一成 講師
実施日平成26年(2014年)9月25日(木)14:00~17:00
場所TKP大阪ビジネスセンター
 大阪市福島区福島5-4-21 TKPゲートタワービル
参加者16名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者近畿地区担当幹事  三好 真二
はじめに

 平成26年度近畿地区上期活動として、上記勉強会を実施しました。
 「パブリックポリシー、政策はビジネスには不可欠の知識であり、ただ知っているかどうかで仕事の仕方も成果も大きく変わってくる。」というお話からスタートしました。
 戦後から現在に至る経済政策、エネルギー政策、環境政策の変遷、そして、これからの政策と計装技術、次世代計装技術の展望へと、BAS(ビルディングオートメンションシステム)BEMS(ビルディングエネルギーマネジメントシステム)の事例を中心に豊富な資料をもとに非常に分かりやすくご説明いただきました。

勉強会概要

 1.パブリックポリシーとは
   政策・・・ビジネスには不可欠の知識。
   ●経済政策の変遷
   ●エネルギー政策の変遷
   ●環境政策の変遷

 2.震災後のパブリックポリシー
   震災の前後でパブリックポリシーは大きく変化。
   ~省エネ・低炭素化・節電・事業継続政策と計装技術
   ●省エネ・環境パブリックポリシーの変遷と計装技術(BEMS・BASの変遷)
   ●BASにおけるBEMS機能の進化の経緯
   ●BCP(事業継続計画)のBASの基本機能
   [東日本大震災時のクラウドデータによる電力需要分析と節電効果調査事例]
   ●震災直後の電力負荷パターン調査例
   ●2011年度夏季における電力使用制限令の民生業務分野への影響度調査
   ●2011年度冬季西日本におけるピーク時の業務用ビルの電力使用状況調査

 3.これからの政策~省インフラとは
   「省インフラ」とは、これまでの大規模なネットワークインフラに依存していた社会ではなく、できるだけインフラの負担を軽減しながら、質の高い生活を維持するためのサービス提供の方法、技術、暮らし方の総称。
   ●モノもサービスも市場が縮小するシナリオを想定しておくことが重要
     2020年は縮小する現実に沿った対応へのはじまり
   ●省インフラの手法:3階層マネジメント
     施設を維持するのではなく、機能を維持する考え方
   ●省インフラの技術1
     コンパクト化、多機能化
     分散処理
     デリバリー、バーチャル化
     ・・・インフラの物理的総量を減らすさまざまな技術
   ●省インフラの技術2
     ライフサイクルコストを削減する多様な技術が必要
   ●省インフラの事例
     広域化、多機能化、工場機能のインフラ化

 4.動き始めた省インフラ政策
   ●最近の省インフラ関連政策
     ・インフラ長寿命化基本計画
     ・公共施設等総合管理計画の策定要請(総務省)
     ・都市再生特別措置法改正(国交省)
     ・中心市街地活性化法改正(経産省)
   ●省インフラの流れがスマートエネルギーにどう影響するか
   ●省インフラ時代に必要とされる計装技術
   ●省インフラ時代に必要な人材
   ●システムインテグレーター

 5.次世代計装技術の展望
   ●BASを様々なスマート技術と連携させるための技術開発
     BASを連携させることで更なる価値創造
   ●BAS(BEMS)の進化形としてのCEMS
    クラスター型エネルギーマネジメントシステム
   ●スマートグリッドにおけるBASの役割
   ●スマートエネルギーとエネルギーBCP
   ●今後ニーズが高まる計装サービス
     設備管理のクラウドサービス例
     BEMS機能のクラウドサービス
     さらなるランニングコスト削減のための省エネ
   ●BIM(Building Information Modeling)への対応

聴講風景ー1
聴講風景-2
六平計装士会代表幹事 挨拶
福田 講師
おわりに

 全体で約3時間に及びましたが、アンケートの結果からも、満足・ほぼ満足で84.6%を占めており、時間を感じさせない有益な勉強会となりました。
 計装士会としても、今後さらに、有益な情報提供、情報交換の場であるように講演会、見学会 等を企画、開催していきたいと思います。
 最後になりましたが、今回の講演会にご尽力いただきました福田講師、(一社)日本計装工業会殿の関係者の皆様と計装士会の関係者の皆様には心より感謝と御礼を申し上げます。

以 上