カテゴリー
活動報告(中部・北陸)

中部電力株式会社「へきなんたんトピア」

活動名中部電力株式会社「へきなんたんトピア」
実施日平成26年(2014年)1月24日(金) 12:30~17:00
場所中部電力株式会社「へきなんたんトピア」
  愛知県碧南市港南町2-8-2
参加者16名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者中部・北陸地区担当幹事 池上 幸男
1.はじめに

 中部・北陸地区の平成25年度の見学会は,石炭火力としては国内最大,世界でも最大級の発電出力を誇る発電所の「へきなんたんトピア」の発電所内ツアーを行いました。
 「へきなんたんトピア」は,電力館,ヒーリングガーデン,エコパークからなる複合施設です。
 発電所ツアーでは,ボイラ最上階および石炭ミル近傍・中央制御室から貯炭場を見学しました。

2.見学内容

  碧南火力発電所は,名古屋市の南,矢作川の河口付近の衣浦湾に面する碧南市に位置し,三河湾の青い海に浮かぶヨットを建屋にモチーフとしてデザインされた建物がたくさん並ぶ大きな発電所です。
 電力館の館長より発電所の概要や環境対策等の説明を受けました。

 中部電力管内で現在唯一の石炭焚き発電所として石炭燃焼ボイラ等の発電設備5ユニットから構成されています。1号から3号までは70万kw 4号・5号が3,600回転機として世界初の一軸型100万kwを採用しています。

たんトピアホールでの発電所概要説明

 石炭火力といっても最近は石炭だけでなく「バイオマス混焼」として間伐材を利用した「木質バイオマス燃料」と下水汚泥を炭化した「下水汚泥炭化燃料」を一定割合混合して燃焼させる,低炭素社会の実現に向けた取り組みも行っているそうです。
 また,発電所設備の大きなエリアに設置された環境保全設備としての,「排煙脱硝装置」,「乾式・湿式集塵器」,「排煙脱硫装置」の役割や副生物の有効活用方法等環境への負荷を少なくする取り組みについても説明を受けました。
 世界では,石炭を燃料とする発電量比率がかなり高く,日本発の環境保全機能を広く活用することでまだまだ石炭火力発電所の役割は大きなものだと思われます。

 発電所設備見学ツアーは,まず4号ボイラ最上階です。
 地上からの高さ80メートルの屋上から目につくのは,広大な三河湾と緑の多い周辺の景色です。
 高さ200メートルの3本集合と4本集合の煙突,それに向かって右の奥の方にきれいな青い遮風フェンスに囲まれた「貯炭場」とそこから延びる白い長い帯状の「ベルトコンベア室」。
 これはベルトコンベアで運ばれる石炭の粉末の飛散防止のために密閉された部屋で,全長数数百メートルになります。
 1号~3号用のベルトコンベアは地上からボイラトップに近い位置までスロープで繋がっています。4・5号用はユニット近傍で垂直に運ばれるそうです。   

4号ボイラ最上階から付帯施設を見る

対岸には,中部電力武豊火力発電所の煙突もうかがえます。武豊火力発電所は老朽石油焚き火力であるが昨今の電力事情により稼働しているようです。
 反対側には,電力館の建物やヒーリングガーデン・エコパークが眼下に見学出来ます。
 貯炭場と反対側に位置する大きなエリアには「灰捨地」があり,トラックが忙しそうに行き来しています。
 ボイラ屋上に設置されている太い配管を横目に見ながらボイラ建屋3階の石炭粉砕機である「微粉炭機=ミル]の見学が出来るエリアへ移動します。

 「ミル」は,大きなロータにより石臼で石炭を小麦粉位の細かさに砕きます。
 ベルトコンベアで運ばれバイオマス燃料と混ぜられた石炭は,「バンカ」に溜められ「給炭機」で石炭量を制御され「微粉炭機」の中央部分から配管で石臼の中に供給されます。
 細かくされた石炭は,燃焼用空気でバーナーに送られ燃やされます。

中央制御室は,3号(平成5年営業運転開始)と4・5号の増設に伴い平成13年・14年に拡張され,3方向に向けて制御盤が並んでいます。 

設置された年代が違うためにユニットの制御方法が大きく変化したのが,主盤と副盤の大きさの比で如実にわかります。

 3号は,副盤が3面になっていますが,4号・5号は,1面になっています。また,3号の副盤は横から内部に入り作業が出来るように扉が設けられていますが,4号・5号はそうなっていません。密閉された箱です。
 主盤も4号・5号は,モニタが5台設置され1名で監視・操作していますが,3号は,モニタと思われるものは1台で,運転監視端末として液晶モニタが3台を2名の運転操作者で対応していました。

 バスに乗車し貯炭場の見学に出発です。エリアが離れているので一般道で変電所設備やバイオマス燃料の混入設備を眺めながら貯炭場のゲートへ向かいます。
 管理のために入所手続きを行い,遮風フェンスの中の高台(津波避難場所の説明あり)の見学場所へ階段を上がります。

 ほとんど風を感じない中で説明を受けます。

石炭の大きな畝が5本と若干高さが違う畝1本が,面積約300,000平方メートルの中にあり,最大貯炭量として880,000トンを蓄えることが出来るそうです。
 5本の畝は,平地に山状に積み上げて貯炭しますが,1本は4号・5号用として利用されますがエリアの関係で貯炭量を確保するために半地下式になっているそうです。

 専用船の三州丸が着 岸して「アンローダ(揚炭機)」で石炭の陸揚げを行っていました。
 受入コンベアでそれぞれの畝に運ばれ「スタッカ(積付機)」で山状に積み付けています。
 また,一番手前の4号・5号用では,「門型リクレーマ(払出機)」が大きなシャベルを回転させながら石炭をベルトコン ベアに落とし込んでいます。
 足元を流れるベルトコンベア1条には,シャベル一杯分と思われる小型車位の山が連続して流れていきます。

貯炭場
3.おわりに

 今回は,午後から半日と短い時間での見学会として1箇所のみとしました。
 石炭火力発電所は近年ベース火力として活躍しているので計装士会の皆さんに見ていただくことで,近い将来設置されるかも知れない石炭焚き発電所の工事に携わる時の知識として頂ければ,会の活動に協力していただけるのではないかとも考えて計画しました。
 また,今回の見学会にご協力いただいた関係各位に感謝し御礼を申し上げます。

以 上

ヨットイメージの発電所前で見学参加者集合写真
カテゴリー
活動報告(関東・甲信越)

富士重工業㈱ 矢島工場・スバルビジターセンター

活動名富士重工業㈱ 矢島工場・スバルビジターセンター
実施日平成25年(2013年)11月19日(火) 10:00~17:00
場所富士重工業㈱ 矢島工場・スバルビジターセンター
  群馬県太田市庄屋町1-1
参加者52名(うち計装士会20名)
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者企画・研修委員 水島 龍一郎
1.はじめに

 今回の見学会は計装士会の主催、(一社)日本計装工業会の共催により、富士重工業(株)矢島工場・スバルビジターセンターの見学会を実施しました。参加者は52名、うち計装士会からは幹事を含めて20名が参加しました。
 朝から天候にも恵まれ、盛況に開催することができました。当日は朝10時に池袋駅へ集合し、首都高→東北道を経由し、富士重工業(株)矢島工場とスバルビジターセンターを見学し、帰りも、東北道→首都高を走行し池袋駅で解散としました。

2.富士重工業(株)矢島工場・スバルビジターセンター

 富士重工業(株)は、創立 1953年(昭和28年)7月15日(創業:1917年(大正6年5月))です。前身である中島飛行機から受け継がれてきた航空機設計思想の基に築かれています。矢島工場は、昭和44年2月に開所され、敷地面積約550,000㎡(東京ドームの約12倍)で、社員とその他合わせて3,943人が働いてます。生産台数は422,561台/年の能力があります。
 工場の稼働時間は、1直6:30~16:45と、2直16:45~2:30となっており2交代制です。
 富士重工業(株)では、自動車の他、航空機や発電機なども生産していますが、矢島工場では、そのうちのレガシー、フォレスター、エクシーガ、インプレッサ及びバンパーを生産しています。
 またコージェネレーションシステムも導入されており、工場で使われる電力の10,200kwを自社でCO2の削減にも取り組んでいます。

 工場での見学は、ビジターセンターで工場の概要説明ビデオと簡単な工場説明を受け、①プレス工程②ボディ溶接組立工程③ペイント工程④トリム工程(エンジンの搭載、内装部品の取付等)⑤完成検査工程(走行性能、ブレーキ、ライト、ハンドル、塗装等の検査)⑥出荷がありますが、そのうち①プレス工程②ボディ溶接組立工程④トリム工程⑤完成検査工程を見学させて頂きました。

 ビジターセンターでは、エントランスホールにある水平対向式4気筒エンジンのパワートレインモデル展示物などを、展示ホールでは、スバル360から最新の東京モーターショーまでの数々の展示車が展示されています。2階ではリサイクル活動が分かるリサイクルラボ、安全の取り組みが分かるテクノラボ、歴史が分かるFHIギャラリーがありました。

 工場では1ラインで3種類の車種が一緒に流れていますが、それぞれ部品が分かる様に明示されており、間違えることなく組立が出来るようになっています。
 プレス工程では、プレス後の破砕屑を下部に落として集め、再度固めて利用できるように
 なっています。ボディ溶接組立工程では、機械と人間とで作業内容が決められており、機械はスポット溶接、アーク溶接は全て自動で出来るようになっています。人間はその後の細かい傷や溶接個所の確認後、手でやすりなどを掛けていました。
 塗装工程は、埃などを嫌うので見学できませんでしたが、トリム工程でも同時に違う車種が1ラインに流れており、ボンネットやドアの裏などに張られた指示書で部材を間違えないようになっています。また、無人の台車などで、エンジンや必要な部品も運ばれています。
 人間が運転するフォークリフトは、利用した部材のコンテナBOXなどの回収をしていました。
 どの工程でも、シーケンス制御のような手順が決められており、機械と人間とが効率良く作業したり、た機械だけの工程でもそれぞれの車種や部品での切り替えるように操作卓(操作盤)も見受けられました。

 完成検査工程では、ライト、ウィンカーのチェック、ハンドルの確認、防水性能の確認、時速120km走行相当での確認、その後下部からの確認、傷やへこみなどの確認など何種類もの確認が次々と手順通り行われていました。
 完成検査を終了しても、走行テストもしてから出荷されるとのことでした。
   注:パワーユニットの加工・組立は、近くにある大泉工場で行われている。

水平対向エンジン展示品 (ビジターセンターエントランス)

太陽光発電状況パネル

矢島工場のリサイクルパネル

FHI ギャラリーの展示品一部

3.おわりに

 富士重工業(株)矢島工場スバルビジターセンター様の見学会を通してですが、常に地球環境を意識し、VOC排出量低減活動や、地球温暖化防止に向けて、色々な活動をしていること、事故を減らすための色々な技術(ボディー構造、アイサイトなど)をいろいろと認識できました。
 最後になりますが、今回の見学会の実施に際し、親切・丁寧にご対応をいただいた富士重工業株式会社関係者の皆様に心からお礼を申し上げます。

以 上

集合写真
カテゴリー
活動報告(九州・沖縄)

① 『空調自動制御のチェックポイント』 ② 『ITの基礎とビルオートメーションの通信バス』

活動名① 『空調自動制御のチェックポイント』
② 『ITの基礎とビルオートメーションの通信バス』
講師
①三機工業㈱ 建築設備技術本部 副本部長
   助飛羅 力 講師
② ジョンソンコントロールズ㈱ プロダクトマーケティング本部
   桧山 達哉 講師
実施日平成25年(2013年)11月12日(火)13:30~17:00
場所㈱九電工 福岡支店 1F 多目的ホール
参加者29名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者九州・沖縄地区担当幹事 橋本 重広
はじめに

 九州・沖縄地区では平成25年度の活動として、11月12日(火)に上記内容にて勉強会を開催致しました。
以下に概要の報告を致します。

講演内容

 テーマ ① 『空調自動制御のチェックポイント』

  1.全体
   ①設計仕様の確認
     ・温湿度設計条件、温湿度の変動幅の条件
   ②客先仕様の有無の確認
     ・制御回路の電圧指定、信号等の外部取出し方法、ランプの表示色、独自の計装図の表示方法

  2.機器まわり
   ①計装設計の表示
     ・調節器の設定値を明示する、空調機器表との整合性、中央監視設備との整合性
   ②電気的インターロックの確認
     ・熱源周り、排気ファン周り、空調機周り
   ③冷凍機まわり
     ・台数制御時の冷凍機が停止しないか、台数制御時の冷水供給温度は変動する、冷凍機本体の冷水出口温度は変動する、冷凍機本体の温度制御サーモのトラブルが多い、冷凍機油のフォーミング、微少負荷時にポンプバイパス内の循環だけで温度が上昇することがある
   ④冷却塔まわり
     ・冷却水の温度範囲は(冷凍機によって異なる)、冷却水の水質管理は、冷却水の冬期の凍結防止対策は、冷却塔まわりの温度制御は
   ⑤ヘッダーまわり
     ・ヘッダー間バイパスの流れは、ポンプ台数制御とINVを併用していないか
   ⑥水槽まわり
     ・排水用水中ポンプ発停用のフロートスイッチ、電極棒の長さの設定は誰が?
   ⑦外気調和機まわり
    ・凍結防止用蒸気コイルの空気下流側温度分布、給排気バランスの崩れによる障害
   ⑧空調機まわり
    ・加湿蒸気がダクトに充満し吹き出し口より水滴が落下、加湿(水・蒸気)前後の空気状態は
   ⑨制御弁
     ・弁サイズは適切か、停電時の弁開度は、制御弁の流れ方向は適切か、制御弁上流のストレーナのメッシュ数は適切か、制御弁の位置、バルブの限界差圧に注意、制御弁は漏れる
   ⑩VAVの選定
     ・サイズ、給気温度は適切か、温度制御方法は適切か
   ⑪ファンコイルユニット
     ・FCUの冷凍自動切替が冬期にうまくいかない
   ⑫ビルマルチエアコン
     ・ビルマルの温度制御は吸い込み温度

  3.センサー
   ①センサーの仕様
     ・センサーの精度は、雰囲気空気の質は、導管の詰まりは、電力・熱量等を計量する場合の単位パルス数は適切か
   ②センサーの設置は
     ・温度の異なる空気の合流ダクト(配管)では合流後に温度分布が残り、場所による計測誤差が大きい
     ・配管ヘッダーでは計測点によって大きく温度差がある
     ・適切な挿入長は、適切な挿入長が確保できないときは、適切な挿入場所は
     ・流量計について、水流量計の上流、下流に整流用の距離は確保されているか
     ・流量計にはバイパスが必要か
     ・熱量(流量)の合計値は合わない

  4.盤、配線
   ①停電、瞬停時の動作は
     ・停電後に大容量機器が同時に起動すると突入電流により電気容量がオーバーする
     ・瞬停と瞬低の確認。瞬停でも手動復帰となる
     ・瞬停時にインバーターが100%運転となる
     ・復電時の運転順序の確認
   ②自動制御盤の構成は
     ・盤名称は、盤内のノイズ対策は、盤内の温度対策は
     ・盤内冷却用のファンの故障が多い
     ・信号の取り合いの種別確認は
   ③インバータのオプション設定は
     ・最低周波数、立上がり勾配は設定してあるか
     ・瞬停後の復帰動作は
     ・インバータの発熱対策は
   ④配線ルートは
     ・計装配線が動力配線からノイズを拾う
     ・インバータノイズ対策の具体例

  5.保守契約は
     ・自動制御機器には寿命がある
     ・センサー類は校正が必要
     ・機器本体のセンサーとの誤差

助飛羅講師 受講風景

 テーマ ② 『ITの基礎とビルオートメーションの通信バス』

  1.IT(information technology)の基礎
   ①コンピュータ通信における基礎
     ・情報量の単位、bit、byte
     ・通信、片方向通信、半二重通信、全二重通信
     ・用語、http、Ethernet、Tcp/Ip、パケット、IPv4、IPv6、オブジェクト
     ・プロトコル
     ・OSI参照モデル
   ②ビルの中で使われるプロトコロについて
     ・代表的なプロトコルの比較
      CC-Link、DeviceNet、Modbus、LonWorks、BACnet
     ・BAシステムの概念 クローズドシステム、オープン化システム
     ・BAで構成されるシステム BACnet+LonWorks
     ・BACnetの変遷
     ・LonWorksの特徴、変遷
     ・ジョンソンコントロールズ・フィールドバスの比較
     ・新たな時代のオープンシステム
   ③BACnetについて
     ・BACnetとは?、世界的な規模は?、日本では?
     ・BACnetの特徴
     ・BTL:BACnet Testing Laboratories 認証機関
     ・BTL認証のカテゴリ
     ・JC製BACnetデバイス
     ・BACnet IDを持つ日本の企業、団体の一覧
     ・BACnet MS/TPでオープン化の選択肢が広がる
   ④オープン化について
     ・市場環境・動向:多棟管理全体統合化イメージ(標準化)
     ・スマート・コミュニティの必要性
     ・次世代の社会システム構築
     ・ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル )

桧山講師 受講風景
所 感

 今回の勉強会では、空調自動制御のチェックポイントについて現場の実務に沿った内容で具体的に説明していただき、とても理解しやすかったと思います。
 また、BAを計画するにあたり必要な基礎知識やネットワークについての説明などもわかりやすく、興味深く拝聴しました。
 最後にご多忙中にもかかわらず、講師をお引き受けいただきました助飛羅講師、桧山講師に厚くお礼申し上げるとともに、今後とも益々のご活躍をお祈り申し上げます。

以 上

カテゴリー
活動報告(東北・北海道)

『プラント計装工事における設計の現状と今後』

活動名『プラント計装工事における設計の現状と今後』
講師
村重 宜宏
千代田システムテクノロジーズ㈱ 経営企画室 室長
実施日平成25年(2013年)10月23日(水)14:00~16:30
場所ハーネル仙台 6F
宮城県仙台市青葉区本町
参加者15名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者東北・北海道地区担当幹事 川崎 久
はじめに

 平成25年度東北・北海道地区の勉強会を、平成25年10月23日にハーネル仙台にて実施いたしましたので、ご報告申し上げます。

講習内容

 テーマ:『 プラント計装工事における設計の現状と今後 』

 【前 半】プラント計装工事設計 ~国内プロジェクトと海外プロジェクトの違い ~

   A.プラント計装工事設計の現状
    1.計装工事の種類
    2.計装工事設計
    3作成する図面とその内容
    4.計装工事設計の課題

   B.プラント計装工事設計の今後
    1.計装工事設計の体制
    2.標準化の推進
    3.eICL ( Instrument Construction List )
    4.eMTO ( Material Take Off )
    5.eBOA ( Bulk Order Assistance )
    6.計装工事設計ガイド

 【後 半】~ 2D-CADの現状と今後  3D-CADの現状と今後 ~
   ・2D-CADの現状と今後
    1.目的
    2.計装設計における2D-CADの位置状況
    3.CADとは
    4.CADの歴史
    5.CADのシステム概要
    6.Auto CADとMicrostationの相互性
    7.3Dから2Dへの転換
    8.エンジニアとして知っておくこと

   ・3D-CADの現状と今後 ~
    1.目的
    2.3D設計の背景と今後
    3.3D事例説明
    4.3D設計Work Flow
    5.3D設計のActivity
    6.3D ModelingからのOutput Data
    7.3D設計のメリット
    8.3D設計現状の問題と改善案
    9.3D統合設計連絡会の紹介
   10.3Dコーディネーターの紹介

村重 講師
勉強会の様子
まとめ

 講師である村重様より、カタール、サハリンなどでの豊富な海外経験を踏まえて、プラント計装工事についてご講演頂きました。 海外プロジェクトでのノウハウについて実体験をまじえた内容は、大変分かりやすく興味をそそる内容でありました。特に海外での図面の早期作成と資材の納入時期の重要性。作成する図面の種類と内容、規格の記載方法。
 また施工するサブコンの技量に合わせた作図の必要性など、国内の計装工事との違いも多く楽しく拝聴させて頂きました。
 また2D-CAD、3D-CADの活用方法、メリットなど今後に業務につながる内容も有り大変勉強になりました。
 講師の村重様にはご多忙中にもかかわらず、ご講演頂き改めて厚く御礼申し上げます。

以 上

カテゴリー
活動報告(中部・北陸)

①「空調自動制御のチェックポイント」 ②「ITの基礎とビルオートメーションの通信バス」

活動名①「空調自動制御のチェックポイント」
②「ITの基礎とビルオートメーションの通信バス」
講 師
① 三機工業株式会社 建築設備技術本部
   副本部長 助飛羅 力(すけひらちから)講師
② ジョンソンコントロールズ株式会社
  プロダクトマーケティング部 桧山 達哉(ひやまたつや)講師
実施日平成25年(2013年)9月26日(木)13:30~17:00
場所名古屋国際会議場 3F
愛知県名古屋市熱田区熱田西町1-1
参加者26名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者中部・北陸地区幹事 杉村 拓史
はじめに

 計装士会中部・北陸地区では平成25年度上期の活動として、平成25年9月26(木)上記の勉強会を開催しました。
 以下、概要をご報告いたします。

概 要

  1) 挨拶ならびに講師紹介
  2) 前半  ・空調自動制御のチェックポイント
  3) 後半   ・ITの基礎とビルオートメーションの通信バス
  4) 質疑応答

講義内容

 前半は空調自動制御における設計仕様書の作成ポイント、現場でのトラブル対応のチェックポイントなど具体例を挙げ現場担当者向けのわかりやすい講義をしていただきました。
後半はITの基礎とビルオートメーションの通信バス、通信の用語、BAC netの概要などをわかりやすく説明していただきました。
 ITの用語はやたらとカタカナ文字が多く使われており意味も分からず使用している方も多いが今回の説明でよく理解していただけたと感じています。
 技術革新は日進月歩でされており、我々の業界にも少なからず影響を与えてきました。
 製品が次から次へと改良されてきており設備環境も変化してきております。

まとめ

 今後もこうした勉強会を開催し、新しい情報を提供して計装士会の皆様の技術向上にお役に立ちたいと思います。
 日本の産業は明治以降海外から技術を導入し、発展してきました。その時代を創ってきた技術者が言っています。設計も大事だが、施工能力も必要な技術だ。施工技術者は施工時間、施工日数をいかに短縮させるかは施工担当者の重要な仕事だと。
 安全に作業をして作業者を守り、余った時間を自分の人生のために使う。
 そうすればみんなが豊かになれると、私たち、技術者は技術を通してその国の文化を創るんだとも言っていました。
 会社の利益を追求するだけが目的ではありません。人々を幸せにするために技術はあると思います。

講習風景
おわりに

 今回の勉強会にあたって貴重な資料をご提供していただきまして、講師の方には深く感謝いたします。

以 上

カテゴリー
活動報告(近畿)

①「空調自動制御のチェックポイント」 ②「ITの基礎とビルオートメーションの通信バス」

活動名①「空調自動制御のチェックポイント」
②「ITの基礎とビルオートメーションの通信バス」
講師
① 三機工業株式会社 建築設備技術本部
   副本部長 助飛羅 力(すけひらちから)講師
② ジョンソンコントロールズ株式会社
  プロダクトマーケティング部 桧山 達哉(ひやまたつや)講師
実施日平成25年(2013年)9月25日(水)13:30~17:00
場所TKP大阪ビジネスセンター 8D会議室
大阪市福島区福島5-4-21 TKP ゲートタワービル
参加者24名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者近畿地区担当幹事  堀田 保
はじめに

 平成25年度近畿地区活動として、9月25日TKP大阪ビジネスセンターにて 上期勉強会を大阪で開催しましたので、以下に概要を報告致します。

開会のあいさつ

 開会にあたり、計装士会の六平 克(むさかよしき) 代表幹事より、 開会の挨拶と計装士会全体の活動について説明がありました。

勉強会内容

 テーマ①:『空調自動制御のチェックポイント

   ビルマルチエアコンの普及により熱源・空調機のシステムを経験する機会が少なくなり、自動制御に関する知識と経験のない技術者が増加傾向にある。
  また、自動制御に関するトラブル事例に関して纏まっている資料が見当たらない。
  そういう現状の中で、今回は空調設備の自動制御設備の設計・施工・保守に関して留意するポイントについて、説明を受けました。

  1. 全体     1-1設計仕様の確認   1-2客先仕様の有無の確認
  2. 機器まわり 2-1計装設計図の表示 2-2電気的インタロックの確認
            2-3冷凍機まわり     2-4冷却塔まわり     2-5ヘッダーまわり
            2-6水槽まわり       2-7外気調和機まわり  2-8空調機まわり
            2-9制御弁の選定    2-10 VAVの選定     2-11ファンコイルユニット
            2-12 ビルマルチエアコン
  3. センサー   3-1センサーの仕様は  3-2センサーの設置は
  4. 盤、配線   4-1停電・瞬停時の動作は  4-2自動制御盤の構成は
            4-3インバータのオプション設定は   4-4配線ルートは
  5. 保守     5-1保守契約は
  6. まとめ
  7. 質疑応答

   講演内容について

   ・設計仕様、客先仕様の条件から設計、施工、保守に至るまでの、豊富な経験に基づいた 内容で懇切丁寧に講義をして頂きました。
    設計時に留意すべき点やリスクに対する考え方がよく盛り込まれており経験の乏しい技術者の良い教材になり得ると感じました。

助飛羅 講師

 テーマ②:『ITの基礎とビルオートメーションの通信バス

  コンピューター通信における基礎・オープンシステムの定義、変遷、基礎と今後の動向について、説明を受けました。

  1. ITの基礎
  2. ビルの中で使われているプロトコルについて
  3. BACnetについて
  4. オープン化について
  5. まとめ
  6 .質疑応答

  講演内容について
  ・ITの基礎においては、単位・用語といった初歩の知識から説明を頂きBAシステムの概念、オープンシステムの変遷、特徴、新たな時代の オープンシステム化について、分かり易く講義をして頂きました。

桧山 講師
勉強会の様子
アンケート結果

  Q.勉強会の内容について
    満足   6(25%)    ほぼ満足   15(62%)   普通   3(13%)
  Q.この勉強会は貴方の業務に役立つでしょうか
     役立つ  19(79%)   少し役立つ   5(21%)
  Q.時間
     やや長い 8(33%)   普通     15(67%)    無回答  1
  Q.この勉強会(講演会)について
     また出席したい 24(100%)
  Q.今回の勉強会参加について
     本人の希望   20(83%)  上司からの指示  3(13%)  その他 1( 4%)

おわりに

 今回の勉強会は、若い方から経験豊富な方まで多くの方々に参加いただき、 大変有意義な勉強会になったと感じております。
 参加所属会社数も11社と念願の参加会社数を達成することができました。
 今までの経験をもとに、貴重な事例を交えながら分かりやすく講演していただき、 あらためて基礎が大事だということを再認識させられ、また若手技術者への教育に貴重な教材となります。
 アンケートの結果からも、このような勉強会にまた出席したい、 もっと開催してほしいという意見が大半でありました。 関係者のご協力に感謝致します。
 最後にご多忙中にもかかわらず、講師をお引き受けいただきました助飛羅様、桧山様に厚くお礼申し上げるととともに、今後とも益々のご活躍をお祈り申し上げます。

以 上

カテゴリー
活動報告(東北・北海道)

東北電力株式会社 原町火力発電所

活動名東北電力株式会社 原町火力発電所 
発電所中央制御室
タービンフロア、1号機ボイラートップ
シアタールーム(発電所概要説明)
実施日平成25年(2013年)9月6日(金)15:00~16:00
場所東北電力株式会社 原町火力発電所 
福島県南相馬市原町区金沢字大船迫
参加者28名 (内計装士会 10名)
主催(一社)電気設備学会 東北支部
協賛計装士会 (一社)日本電設工業協会 東北支部
報告者東北・北海道地区担当幹事 三澤 寛士
1.はじめに

 今回の見学会は東北電力㈱殿のご厚意により一般社団法人電気設備学会東北支部主催、計装士会及び一般社団法人日本電設工業協会東北支部の共催で実施しました。
 同社は、民間電力会社です。
 供給区域は東北6県および新潟県で、1951年(昭和26)電気事業再編成の一環として旧東北配電の供給区域を継承して設立され、現在、原町火力発電所は、南相馬市をはじめ東北電力管内に電力を供給しています。
 御担当の方の案内で設備を見ることが出来たので、下記に報告します。

2.見学内容

 はじめに、原町火力の概要及び東北地方太平洋沖地震による被害から復興までの説明をしていただき、中央制御室及び1号機タービンの見学をさせて頂きました。
 以下に説明していただいたことを記述させていただきます。

 原町火力発電所について

 当発電所は、石炭を燃料とする火力発電所です。石炭は世界中に広く分布し、当発電所で使用する石炭の多くは、オーストラリア、インドネシアなどから輸入しています。石炭は、熱量あたりの単価が、他の化石燃料に比べ安価なため高い経済性が図れます。また、当発電所は東北電力様の重要な供給戦力となっておりベース電源として高い稼働率を誇り、平成22年における石炭火力発電所の総発電電力量は、全体発電電力量の15%を占めています。

 主要設備について

 主要設備は、国内最大規模の出力1,000MWを誇る設備が2機あります。
 表1に設備の概要を示します。
 写真1は1号機タービンです。写真左側に1次タービン(四角型)、右側に2次タービン(半円型)があります。タービン建屋は14F建ですが、屋上は80mもの高さになっております。写真2は中央制御室です。1日2交代制4チームで運転管理しています。
 写真右側に1号機の運転状況を把握するための大スクリーン、左側に2号機の大スクリーンが見えます。スクリーンに映し出される情報、制御盤点灯ランプ等で異常を把握し制御を行います。

表1 設備概要

1号機 2号機 
営業運転開始 1997年7月 1998年7月 
出力(MW)  1,000 1,000 
タービン蒸気圧力( MPa)24.5 24.5 
タービン(℃) 566 600 
再熱蒸気温度(℃) 593 600 
発電端熱効率(%)
※LHV換算値
43.3 44.1
※LHV:低位発熱量(燃料の燃焼によって生成された水蒸気の蒸発潜熱を除いたもの)
写真1 1号機タービン
写真2 中央制御室

 環境対策には様々な設備が採用されております。排煙処理工程を図1に示します。以下に記します各装置の説明も簡単に示してあります。
 大気汚染物質である窒素酸化物の抑制には、二段燃焼、低NOxバーナー、排ガス混合方式、さらに排煙脱硝装置を採用しています。ばいじんの抑制に電気式集塵装置、排煙脱硫装置(除じん効果)を採用しています。排煙脱硫装置は同時に硫黄酸化物の排出量の抑制を図ります。粉じんの抑制には、貯炭場の周囲に遮風フェンスを設置し、適切な散水を行い飛散しないように処置しています。
 また、処理過程で発生する石膏は再利用を促進しています。
 温排水になる復水器冷却水の取放水に関しては、当発電所港湾内から深層取水し、防波堤護岸外側の水中放水口より港湾外へ放水しています。取水と放水の温度差は7℃以下とし、環境に与える影響の低減を図っています。
 その他、設備排水は構内に浄化槽を設けております。騒音の発生源となる機器に対しては、建屋内に収納し低騒音型機器を採用しています。

図 1 排煙処理の仕組み (東北電力原町火力発電所パンフレットより)

東北地方太平洋沖地震による被災から復旧まで

 以下には、東北地方太平洋沖地震が起きてからの状況を説明していただいた内容を記述させていただきます。平成23年3月11日14時46分に東北地方太平洋沖地震が発生し、大ダメージを受けました。
 1号機に、タービン軸振動(大)などの多数の警報が発生しましたが、軸振動値はいずれも自動停止未満のため停止しておりません。発生から6分後1号機の負荷を、1,000MWから800MW、800MWから600MWに降下させていき、津波の襲来の報により運転不可能と判断し手動で停止を行ったようです。
 15時35分に巨大津波が発電所に18mの高さで直撃し、事務本館4階電源室より火災が発生し、所員の方々が一晩中バケツリレーで消火活動を行い、苦労の末に無事消火ができたようです。また、当時入港中の石炭船は座礁し、石炭を荷揚げする揚炭機は倒壊するなど甚大な被害が発生しました。当時、東北に居られた方はこのような説明を聞くと、当時の悲惨な状況が思いだされるのではないでしょうか。
 また、18mもの津波が来ましたが、当発電所港湾の防波堤は全壊せず残ったようです。理由としては、発電所港湾の形状は台形型であり、そのことが要因で残ったのではないかとの事です。
 復旧工事は基本方針を5項目(大項目)挙げ行ったようです。
 第一に無事故・無災害・無事件であること。安全の取り組みとして、年に2回安全大会の開催、月に1回災害防止協議会を開催、日常では管理職や担当者が毎日安全パトロールを実施し、指摘事項の書き出し等を行い、全員に周知できるような体制が取られているようでした。第二に一日も早く復旧すること。第三に放射線の管理を徹底すること。第四に復旧工事費の抑制を図ること。第五に津波対策の検討・実施すること。これらを基に工事は進み、平成23年度中に撤去工事を完了させ、平成24年度から復旧工事を本格化、11月に2号機の発電を開始させ、25年1月に1号機の発電を開始させております。復旧工事に対する延べ作業員数は約120万人にも至るようです。これらの説明を聞き、短期間で計2,000MWもの発電能力を有する発電所を再始動させたことに驚いております。私たちの見えないところで、多くの方々の頑張り、知恵を絞り合い、様々な苦労があったのだと思います。
 最後にですが、作業員の安全・安心確保の観点から、24時間体制で放射線測定を実施し、その結果を入構者へ周知しているようです。見える化が図られている事はとても良いと思いました。

3.おわりに

 今回の見学会で、東北電力株式会社 原町火力発電所の皆様にはお忙しい中、説明及び見学のご案内をして頂き、こころより御礼申し上げます。

以 上

正面入り口前モニュメントにて(参加者一同)
カテゴリー
活動報告(四国)

『プラント計装工事における設計の現状と今後』

活動名『プラント計装工事における設計の現状と今後』
講師
村重 宜宏 講師
  千代田システムテクノロジーズ㈱ 経営企画室長
実施日平成25年(2013年)7月18日(木)14:00~17:00
場所サンポートホール高松 62会議室
  香川県高松市サンポート2-1
参加者18名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者四国地区担当幹事 土田 雅彦
はじめに

 四国地区では、平成25年度上期の地区活動として、7月18日に勉強会を開催いたしました。
以下に概要を報告いたします。

講習内容

 ①プラント計装工事設計の現状(国内プロジェクトと海外プロジェクトの違い)
    ・計装工事の種類
    ・計装工事設計
    ・作成する図面とその内容
    ・計装工事設計の課題

  ②プラント計装工事設計の今後
    ・計装工事設計の体制
    ・標準化の推進
    ・eICL(Instrument Construction List)
    ・eMTO(Material Take Off)
    ・eBOA(Bulk Order Assistance)
    ・計装工事設計ガイド

  ③2D-CADの現状と今後
    ・計装設計における2D-CADの位置付け
    ・CADの歴史
    ・CADのシステム概要
    ・AutoCADとMicrostationの互換性
    ・3Dから2Dへの変換
    ・エンジニアとして知っておく事

  ④3D-CADの現状と今後
    ・3D設計の背景と今後
    ・3D事例説明
    ・3D設計のWork Flow、Activity
    ・3D設計のメリット
    ・3D設計 現状の問題点と改善案

村重講師
勉強会の様子
勉強会の様子
所 感

 プラント計装工事設計について、各種計装工事(計器室内工事、現場計器取付工事、導圧配管工事、空気配管工事、計装配線工事、ケーブル布設工事)の国内と海外の違い、ならびに今後工事設計を効率的実施かつ品質確保するための解決策(IT化、標準化等)、標準化策としてCAD活用の有効性を、カタールやサハリンでの海外LNGプロジェクト等に従事された経験に基づきご講演いただきました。
 海外での計装工事設計では、計装工事材料(安価な船輸送)の工事工程に支障ない納入および埋設ケーブルルート工事図面の早期作成(埋設ルート掘削は初期の土木工事で施工)、海外規格の理解・反映、作業員(多国籍多人数)の技量に合わせた内容がキーポイントであるが、これらが国内と随分違うことがわかりました。また、工事設計の標準化にはCADの活用が有効であること、加えて従来の2D-CADと3D-CADの双方活用により現場設備の干渉有無チェックやケーブルトレイ等計装工事の早期着手による工事量平準化にも可能性があることがわかりました。
 さらに、3D-CADはプラント建設完了後も、設備改修工事の設計だけでなくプラント運転訓練等への活用可能性が期待できることもわかりました。
 本テーマは、私達参加者が知らない海外事情やCAD活用の情報であり、興味深く、新しい知見を得られ有意義でした。
 最後に、ご多忙中にもかかわらず講師をお引き受けいただいた村重様に厚くお礼申し上げるとともに、講師ならびにご参加いただいた皆様の今後とも益々のご活躍をご祈念致します。

以 上

カテゴリー
活動報告(中国)

『プラント計装工事における設計の現状と今後』 ① テーマ1 プラント計装工事設計の国内と海外プロジェクトの違い ② テーマ2 プラント計装工事のCAD設計ート

活動名『プラント計装工事における設計の現状と今後』
① テーマ1 プラント計装工事設計の国内と海外プロジェクトの違い
② テーマ2 プラント計装工事のCAD設計
講師
村重 宜宏 講師
  千代田システムテクノロジーズ㈱ 経営企画室長
実施日平成25年(2013年)7月17日(水)14:00~17:00
場所㈱中電工 本店電気ビル13階会議室
  広島県広島市中区小網町
参加者24名
主催計装士会
協賛(一社)日本計装工業会
報告者中国地区担当幹事 前原 修二
概 要(項目)

 【テーマ1】 
        ① 海外プロジェクトの計装工事設計を行う上でのポイント
        ② プラント計装工事設計とは
        ③ プラント計装工事設計の最新動向
        ④ プラント計装工事の種類
        ⑤ 計装工事で作成する図面とその内容
        ⑥ プラント計装工事設計の問題点
        ⑦ 今後のプラント計装工事体制
        ⑧ プラント計装工事設計の標準化

 【テーマ2】
        ① 2D-CADの目的
        ② 計装設計における2D-CADの位置付け
        ③ 2D、3D-CADの概要(互換性)
        ④ 3Dから2Dへの変換目的
        ⑤ 3D-CAD設計の背景と今後
        ⑥ 3Dの事例説明

勉強会の様子

 標記の講義内容に対して、アンケート結果から多数の方が、興味を持った内容として、海外でのプラント計装工事の施工 ポイントと2D、3D-CAD設計のメリットを上げられていました。
 また、今回の勉強会参加者全員が次回も是非出席したいということで、幹事 としまして大変良かったと思いました。
 関係者のご協力に感謝いたします。
 最後に村重先生の海外におけるプラント計装工事の実態と対策について、 貴重な体験を交え、分かりやすく説明していただき、その幅広く奥深い内容 に大変感銘いたしました。
 今後とも、益々お元気で活躍されることを希望します。

以 上

カテゴリー
活動報告(近畿)

「サイバー攻撃の脅威、その現状と対策」  第1部:情報システムセキュリティ  第2部:制御システムセキュリティ

活動名「サイバー攻撃の脅威、その現状と対策」
 第1部:情報システムセキュリティ
 第2部:制御システムセキュリティ
講師
電気通信大学 教授
情報理工学研究科 知能機械工学専攻 電子制御システムコース
工学博士 新 誠一 先生
実施日平成25年(2013年)7月5日(金)14:00~17:00
場所新梅田研修センター
 大阪市福島区福島6-22-20
参加者120名 (内計装士会14名)
主催(一社)日本計装工業会
協賛計装士会
報告者近畿地区担当幹事  三好 真二
はじめに

 平成25年度近畿地区上期活動として、(一社)日本計装工業会主催の「特別講演会」に共催という形で参加させて頂きました。
 インターネットが広く一般に利用され、コンピュータの汎用化が進む現在、サイバー攻撃の脅威は日増しに増大している。もはや、政府機関、企業、大学のみならず、重要インフラや工場プラントシステムへの影響も現実のものとなっている。このようなサイバー攻撃の脅威、その現状と対策について、第1部:情報システムセキュリティ第2部:制御システムセキュリテイの2部にわけて講演していただきました。
 また、新教授が理事長の任に着かれている「制御システムセキュリティセンター(CSSC)」の発足の経緯、活動についてもご紹介いただきました。

講演概要

 第1部:情報システムセキュリティ

  1)情報
   ・情報とは言葉、情報セキュリティ=言葉の改竄防止
   ・情報化とは、抽象化、名前付け
   ・21世紀に入って、物質・エネルギー・情報は融合して考えなければならない。
   ・情報の認証、暗号化、監視、これらをどのステージ(情報通信、情報蓄積、情報処理)と組み合わせるかにより、システムのセキュリティ対策レベルが分類できる。

  2)サイバー攻撃
   ・Dos攻撃
   ・フィッシング詐欺
   ・Brute force attack

  3)情報セキュリティ対策
   ・マルウェア
   ・ファジング
   ・パスワードが数字4桁で設定されていたとすると、コンピュータを使えば1秒もかからずその組み合わせを見つけることができてしまう。それを防ぐために、金融機関で は3回パスワードを間違えたらそのパスワードは使えないようにしている。これが現 在の銀行のセキュリティレベルである。
   ・指紋認証、静脈認証といった生体認証もよく使われるが、一度流出すればどうしよう もない。
   ・各社からいろいろな対策ツールが発表されているが、どのような対策を施しても内部に実行犯が存在する限り防ぎようがないのは過去も現在も同じである。

  第2部:制御システムセキュリティ

  1)制御システムセキュリティの必要性
   ・1971年マイクロプロセッサの登場
    現在では、スマートタウン、スマートハウスなどの構想の元、コンピューターをネットワークでつないで生活の快適性、利便性を追求するようになっている。
   ・制御用端末はWindows2000以降、専用マシンから汎用マシンに置き換わってきたが、それに伴い攻撃を受けやすくなっている。

  2)制御系システムのセキュリティに要求すべきこと
   ・機能安全(安全計装)の部分に脆弱性がないか。
   ・外部との接続の有無を確認し、その部分のセキュリティを向上させること。
   ・Stuxnetの登場により
    ネットワークに接続されていないコントローラは安全である。
    特殊なOSだから攻撃されない。
    専門家はすべて善人だ。
    といった、従来では当たり前のこととして考えられていたことが全て間違いであるということを認識しなけ
    ればならなくなった。

  3)制御系セキュリティ対策の難しさ
   ・容易に止められない。
   ・保有が長期
    システムに実装されているソフトウェア、ハードウェアのアップグレード、入れ替えが難しい。

  4)CSSCについて(制御システムセキュリティへの対策動向)
    宮城県多賀城市に制御システムセキュリティセンター東北多賀城本部が開所。
    日本国内の制御システムセキュリティに関する対策拠点。
    多賀城本部には、プラント分野、ビル分野の模擬システムが構築され、制御システムセキュリティの研究開発が行われている。
    (活動・取組み)
      ・制御システムのセキュリティ確保に資する研究開発の遂行。
      ・テストベッドの構築
      ・普及啓発・人材育成の推進
      ・インシデントハンドリングのサポート
      ・国際標準化活動と評価認証事業の立ち上げ

新 誠一 教授

聴講風景

中谷専務理事 挨拶

六平計装士会代表幹事 挨拶

おわりに

 全体で約2時間半に及びましたが、非常に興味深く有益な講演となりました。
 計装士会としても、今後さらに、有益な情報提供、情報交換の場であるように講演会、見学会 等を企画、開催していきたいと思います。
 最後になりましたが、今回の講演会にご尽力いただきました新教授、(一社)日本計装工業会殿の関係者の皆様と計装士会の関係者の皆様には心より感謝と御礼を申し上げます。

以 上